豊田真由子代議士(撮影・上森清二)

写真拡大 (全2枚)

 豊田真由子代議士(42)の事務所を辞した秘書たちが明かす、そのパワハラ被害の実態の数々。「豊田問題」を受け、自民党4役のひとりであり、彼女が所属してきた細田派の会長でもある細田博之総務会長は記者会見で、

「(豊田氏が政策秘書を)怒ったら、高速道路を逆に入って走り直した。生命に危険のあることだから、非常に恐れて、高速道路を逆走した場合、人が死ぬじゃないか、といって始まったやり取りだったというのが、本人(豊田氏)の説明だ」

 こう政策秘書の「責任」を追及した。

 当の政策秘書は、本誌(「週刊新潮」)のこれまでの取材に対し、こう語っている。

「そもそも、豊田代議士に暴行された5月19、20、21日のいずれも高速道路を走っておらず、私が高速道路を逆走した事実はありません。豊田氏が細田氏に虚偽報告した可能性も疑われます」

豊田真由子代議士(撮影・上森清二)

 ***

法律もお構いなし

ヤメ秘書A:私は、彼女は子どものままなんだと思いますね。豊田が東京の会合に出席していて、その後に、地元(埼玉4区)の有権者のお通夜にも顔を出すかもしれないと彼女に言われて、地元で秘書が待機していたことがありました。しかし、「やっぱり行けない」との連絡が来たので、その秘書は帰宅した。すると、彼女は私に電話してきて、「今から何とかしろ!」と。私はその日の運転担当じゃなかったので、もう家でお酒を飲んでしまっていた。当然、車で迎えに行けるわけがない。でも、とにかく「何とかしろ!」の一点張り。子どもが、頭の上を飛んでいる飛行機を見て、あれに乗りたいと言っても無理じゃないですか。でも豊田は、それと同じようなダダをこねるんです。

豊田真由子代議士のポスター

ヤメ秘書B:秘書だったら、「いざ」に備えて待機しているべきだったと思う人がいるかもしれませんが、そもそも彼女の指示自体がハチャメチャだから、やってられないんですよね。

ヤメ秘書C:例えば、会合に出席した際、突然、豊田が写真を撮りたくなって、私がすぐ側に居なかったので、「なんで、議員のすぐ後ろに付いてないの!」と怒鳴られたことがありました。その指示に従って、次から彼女に寄り添うようにしたら、「付いてこないでよっ‼」。言ってることがコロコロ変わる。言われるまでもなく、誰も豊田に付いていきたくありませんけどね。

B:自分以外はバカで、自分の言ってることは全て正しいと思っているから、無茶が生じるんです。だから、一方通行の道路をUターンしろなどと、法律もお構いなしのことを言いだす。

ポスター事件

ヤメ秘書D:ある時、空き店舗の前の目立つ場所に、民進党の候補者のポスターが貼ってあった。すると豊田は、「あそこ目立つから、私のも貼っておいてもいいかも。場合によっては、大家さんの許可をとらなくても」と指示してきた。それって、「貼れ!」ってことですよね。仕方なくポスターを貼ると、そこの大家さんは民進党の候補者の関係者で、「勝手に貼るな」と抗議されてしまいました。当然ですよね。でも、それを知った豊田は、「まさか、本当に貼るとは思わなかった」と。やっぱり、やってられません。

A:だいたい、秘書がコロコロ入れ替わって、仕事の引き継ぎ自体がまともに行われないから、事務所はいつも混乱の極み。この混乱を補うために、残った秘書たちは、人手不足を補う意味もあって、睡眠時間、3、4時間で頑張ったりする。無論、混乱の原因は、秘書をイビって辞めさせる豊田にあるわけですが、彼女は「秘書がバカだから」で片付ける。

B:今回、「週刊新潮」に告発した政策秘書についても、怒られても仕方ないみたいな意見が一部でありますが、豊田事務所の実態を知らないから言えるんです。可哀そうですよね。

C:豊田に、「今、お前が辞めたら、健康保険が使えなくなって、お前の子どもが熱出した時に困るだろ。だけど、今辞めろ」と言い放たれた秘書もいます。

B:怒られるのは自業自得と言われても、ちょっと待ってくれって話です。自殺者が出ないのが不思議なほど。

 ***

(3)へつづく

「週刊新潮」2017年7月13日号 掲載