豊田真由子代議士(撮影・上森清二)

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 ユーミンが歌う「やさしさに包まれたなら」は、豊田真由子代議士(42)が“どうにかなっちゃった時”にくちずさむ曲として、ヤメ秘書たちの間ではおなじみのようである。これまで明かされた証言だけでも、「差別意識の塊」「子供のまま」「法律お構いなし」な豊田氏の素顔が浮かび上がる。

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ヤメ秘書A:あと、豊田で思い出すのはお金に関する話。ルーズというか何というか……。

ヤメ秘書C:国会議員には、自らの歳費、文書通信交通滞在費、政党支部への献金といった具合に、いくつかの「財布」がありますが、豊田はそれをごちゃまぜにしていて、全く把握できていないと思います。

ヤメ秘書D:だから、いつも金がない、金がないって騒ぐ。挙句、秘書がちょろまかしていると疑ってくるんですから、性質(たち)が悪い。

豊田真由子代議士(撮影・上森清二)

〈事実、政策秘書が身の安全のために録音したICレコーダーには、言い掛かりも甚(はなは)だしい、豊田氏のこんな言葉が残されている。

「これお金、ごまかされるのやだから今きっちり数えて、いつもごまかされるから私。あなたがた事務所の人間にいつもごまかされるの嫌なんで」

「(政策秘書は)お給料いっぱいもらってんだからさあ、お金盗まないでね」

 言わずもがなだが、念のため、政策秘書の証言。

「無論、お金を盗んだ事実はなく、注意されること自体とんでもない侮辱です。豊田代議士はお金に汚く、豊田事務所で働き始めた当初から報酬も交通費も1円も支払われず、ようやく得られたのは2カ月後でした」〉

食べ残しを強要

ヤメ秘書B:そんな豊田だから、秘書だけでなく、議員にもお友だちがいない。なにしろ、彼女が厚労省を辞める時も、「本人抜き」の送別会が行われたそうですからね。

C:そう、だから彼女はいつも昼食を、議員会館の部屋でひとりで食べている。

D:他の先生方は、議員会館の地下の食堂で、打ち合わせがてらよく皆で食事していますよね。豊田にはそういう仲間がいない。でも、「ぼっち飯(ひとりぼっちでの食事)」している姿は見られたくない。

A:で、秘書に食堂から部屋に昼食を運ばせる。

B:そんな無駄なことをさせるより、本来の仕事をさせてほしかった。

C:秘書に昼食を運ばせておきながら、「早く仕事しろっ!!!」と、怒鳴る。

D:食事に関する話でいえば、すごく嫌だったのが、豊田の食べかけを食べさせられたこと。地元のお祭りなんかに参加すると、彼女はとにかく有権者にいい格好がしたいから、出店(でみせ)の商品を片っ端から買う。それこそ、1回のお祭りで5万円くらい使うんです。1個500円程度の焼きそばとかをですよ。で、彼女はちょっとだけ口をつけて、あとは秘書に「全部食っとけ。絶対に残すなよっ!」。そもそもそんなに食べきれないし、フランクフルトでも、綿菓子でも、汁物のラーメンでも、豊田が食べた残りを食べさせられる。これって、パワハラというか、セクハラというか……。

そして罵言は未知の領域に

〈出るわ出るわ、「豊田被害者の会」からの涙の報告。しかし豊田事務所は、豊田代議士は障害者との触れ合いを大事にしているとして、

《(彼女は)子どもをはじめ、人を気遣う気配りの人》

《高速道路の逆送(ママ)は事実》

 と言い張り、「被害者の会」や政策秘書の声を否定。気配りの人? ならば、再度、未公開音声を紹介しておこう。

 まずは、政策秘書をバカ呼ばわりするシーン。豊田氏が自らの言葉(罵詈雑言)に酔いしれていくさまが伝わってくる。

「一瞬、一見やれそうで、でもこんなにできないっていう、珍しい、なんか、新たなタイプだよね。新たなタイプ。そうそうそうそう、なんかタイプが新しいのよ。タイプが新しいんだよ、イヤッハッハッハッハ」

 続けて、このフレーズが気に入り、悦に入って噛みしめるように、

「新しいタイプのおバカさんたち、新しいタイプのおバカさんたち……」

 と繰り返しつつ、お得意のミュージカル調に転じ、別の秘書の弁明を声真似しながらこう揶揄。

♪ 外回りが忙しかったんですう! 一生懸命やってるんですう! だから悪くないんですう! すっ、すっ、す

 さらに政策秘書に対して追い打ちをかけるように、すでに日本全国でお馴染みとなった、

「このハゲ! ハゲーーーーーーーっ!!! ハンっ」

 というフレーズを持ち出して彼を罵った上で、ついに豊田氏の秘書イビリは未知の領域に突入する。では、心してお読みいただこう。彼女が政策秘書に向かって繰り出したのは……。

「このチョギっ!」

 有史以来、誰も放ったことのない、「チョギっ!」なる「新しいタイプ」の罵り言葉が誕生した瞬間だった。

 最後に、ヤメ秘書たちは異口同音にこう語った。〉

ABCD:やさしさに包まれたいって、豊田が言うのは……。

「ちーがーう(違う)だろーーーっ!」

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「週刊新潮」2017年7月13日号 掲載