比大統領 IS支持勢力掃討のため戒厳令延長の方針

比大統領 IS支持勢力掃討のため戒厳令延長の方針
フィリピンのドゥテルテ大統領は、政府軍と過激派組織IS=イスラミックステートを支持する武装勢力との間で戦闘が続く南部ミンダナオ島などに布告した戒厳令について、ISを支持する勢力の掃討にさらに時間が必要だとして、期限をことしの年末まで延長する方針を明らかにしました。
フィリピン南部ミンダナオ島のマラウィでは、政府軍とISを支持する武装勢力との間で2か月近くにわたって激しい戦闘が続いていて、ドゥテルテ大統領はミンダナオ島や周辺の島を対象に、戒厳令を布告して軍の統制下に置き、武装勢力の掃討作戦を進めています。

戒厳令は今月22日が期限となっていますが、ドゥテルテ大統領は、18日、ISを支持する勢力の掃討にさらに時間が必要だとして、ことし12月31日まで延長する方針を議会に通知しました。フィリピンでは、戒厳令の期限の延長には議会の承認が必要で、現在は与党が多数を占めるため、近く認められる見通しです。

マラウィでの戦闘では、武装勢力側が逃げ遅れた住民を「人間の盾」にして激しい抵抗を続けていて、軍によりますと、これまでに市民45人を含む550人余りが死亡し、市民の犠牲が増えることが懸念されています。

一方、戒厳令のもとでは、当局は、令状なしで身柄を拘束でき、かつての独裁政権の時代には市民の弾圧につながったことから、今回の延長には、人権団体などから批判が強まりそうです。