地ビール製造の宮崎ひでじビール(宮崎県延岡市)は14日、九州で初めてホップを収穫した。ビールの原料となるホップの栽培は北海道や東北など冷涼な地域が中心。温暖で日照量の多い宮崎県では成長が早く、収穫は北海道・東北地域に比べ2カ月ほど早いという。
この日に収穫したのはホップ栽培委託先のスローライフトゥ(延岡市)の圃場。収穫量は約20キログラム。ひでじビールは「オール宮崎産ビール」の製造を目指しており、昨年10月には県産麦芽を使ったビールを発売した。もう一つの主原料であるホップについて、今回収穫した県産ホップで試験醸造に乗り出す。
摘み取った毬花(まりばな)はすぐに冷蔵保管し、次いでセ氏60度程度の低温で乾燥させ、粉砕した後、真空状態で冷凍保存する。ビールの仕込み時に煮沸する麦芽エキスに投入し、ビールに苦みと香りをつける。
同社は2016年から県内の延岡市北方町、高原町、五ケ瀬町、日向市東郷町の4地域で、ホップの試験栽培に取り組んできた。温暖な地域での栽培実績はなく、各圃場で試行錯誤しながら栽培を進めた結果、植え付けから2年目でホップの毬花が実をつけたという。