筑波大学名誉教授 中 川 八 洋
“教科書運動屋”八木秀次は、『正論』七月号に、日本国の存立を害する「反日」性を厭わない、恐ろしい“胡麻すり一直線エセー”を発表した。そのタイトルは「数歩前進《9条3項加憲》安倍提案」である。「国防の全面破壊に繋がる百万歩後退」のことを「数歩前進」とは、ギネス級の八木流・逆立ち詭弁で、思わず腰を抜かした。
要するに、“クズ人間以下のゲス”八木秀次らしい、その醜悪な人格が露呈するエセーである。正視して読めるシロモノではない。八木秀次が憲法を一切知らないのに“憲法学者”だと職業詐称している事を自白する“証拠文書”ともなっている。
もとより八木秀次の本性とは、友森学園の籠池理事長と瓜二つ。“父兄騙し”を特技とする無学無教養な詐欺師の籠池と同じく、“読者騙し”が特技の八木秀次は、国防問題など度外れに無知な上に、憲法に関する学問業績ゼロを記録する“ペテン師大学教授”。天性の“愛国の保守”演技を武器に、自らの“エセ憲法学者”を糊塗して世渡り上手に生きている評論家である。
それはともかく、『正論』七月号は、6月1日の発売。遅くとも5月20日までに原稿を『正論』編集部に渡しているから、5月3日の安倍晋三のビデオ・メッセージを二週間以上じっくり思考した上で書いた原稿。それほどじっくり思考した上で到達した八木秀次の結論は、「自衛隊を日陰者とする現状よりも何歩か前進だと評価したい」の一言のみ。
現行第九条への自衛隊の追加明記は、日本国の国防が全面破壊されるのに、安倍晋三のすることは間違いであろうと犯罪であろうと“何でも大賛成”が八木秀次の立ち位置である。八木にとって、日本国が亡ぼうとも、何が何でも初めに「安倍晋三への胡麻スリ在りき」である。
参議院議員になりたい野望が八木秀次の評論を左右する基軸で指針。しかも地盤も親の七光りも何もない八木にとって、この野心達成には、安倍晋三の引きだけが頼り。安倍晋三への歯の浮くようなお世辞と胡麻スリのチャンスと小躍りした余り、日頃は本心「日本国がどうなろうと俺の知った事か」を隠すに用意周到なのに、このエセーでは八木秀次はついうっかり忘れたようだ。
安倍の憲法改悪「自衛隊の第九条への加憲」を擁護する、八木秀次の論拠は「民進党も同じ意見」
しかも、八木秀次は、この安倍晋三のトンデモ憲法改悪を擁護するに、何を狂ったか、次のように自分自身を民進党党員orシンパになりきった。学者性ゼロの“教科書運動屋”八木秀次の政治信条とは、このように、海月のようにフワフワしたもの。八木秀次には、政治信条など実は全くの虚空。「保守」でないのはむろんだが、八木の「民族系」も怪しい。彼はこう言っている。
「自衛隊を第九条三項に加憲する案は、実は民進党の前原誠司が2016年9月に発言」
「民進党の枝野幸男も、2013年9月に、第九条二項に自衛隊を規定する憲法改正案を提案した」
「民進党の細野豪志は、安倍晋三メッセージの翌日、それに賛意する旨をブログに書き込んだ」
(以上、『正論』七月号、40~1頁)。
このように「民進党が賛成している」を根拠に八木秀次は、「安倍晋三のトンデモ憲法第九条改悪は、数歩前進だから、賛成すべきものだ」と、『正論』読者に、安倍トンデモ憲法改悪への支持を訴えた。普通の学者なら、「それによって、日本の国防が〇〇とプラスに好転する」とか、「憲法第九条の憲法学上の大欠陥が、こう改善される」とかの指摘をするが、民進党員になったのか、八木秀次のエセーのどこにも、そのような文言や趣旨は一文字もない。
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