【私のルールブック】(107) 大の飛行機嫌いがもたらしたCAだった元奥さんとの出会い

私は今、飛行機に乗っている。大阪での仕事の為、泣く泣く飛行機に乗らされているのだ。以前にも触れましたが、私は高い所が大の苦手でして。飛行機は勿論、スカイツリー・タワーマンション・観覧車・トラックの助手席に座っただけでも高さを感じてしまうぐらい。ただ、私も歳を取ったんですかね、漸く機内で眠れるようになりまして。流石に熟睡とまではいかないのですが、それでも身体は楽になりますし、有難い限り。だって、若い頃は一睡もできませんでしたから。常に肩に、手に力が入っている状態で、少しでも揺れようものなら肘掛けをガッて握り締めて踏ん張っていましたからね。そんな飛行機嫌いの私ですが、皮肉なことに、元奥さんとの出会いは機内でして。はい、CAさんだったんです。

今でも鮮明に覚えていますが、アメリカはロサンゼルスに向かっている機内でのこと。綺麗なCAさんが私の元へやって来て、「後輩の子が坂上さんのファンで、一緒に写真を撮って頂きたいんですが」と言ってきたのが、元奥さんだったんです。で、「いいですよ」と後輩の女の子と写真を撮り、私は自分の座席へ戻ります。ですが、飛行機が怖くて仕方がない私は寝ることもなく、ひたすら赤ワインを片手に映画を観続けます。よく言われるんですが、やっぱりただならぬ空気を醸し出しているようなんですよね。映画を楽しんでいるというよりは、何とか気を紛らわせようとしているオーラが出まくっているんでしょう。そんな時、察した元奥さんが私の元へやって来て、「飛行機は苦手なんですか?」と話し掛けてきてくれたんです。で、何となくお話を続けていると、彼女の実家が私の住んでいる家の直ぐ近くだったりと共通点が見えてきて。で、どうやら彼女はトンボ返りではなく、ロサンゼルスに2泊するとの情報を得まして。で、どさくさに紛れて食事に誘ったのが、お付き合いをするキッカケとなったのです。




わからないもんですよね。私が飛行機を苦手にしていなかったら、お話をすることもなかったかもしれない。私が、飛行機が苦手過ぎて異様な空気を漂わせていたからこそ、彼女も気を遣って態々話し掛けてくれた。出会いってこんなもんなんですかね。とはいえ、私が至らないばっかりに、2年足らずでお別れをすることになってしまいましたが、一生忘れない出会いの1つであることに変わりはありません。そういえば、それこそバブルの頃はCAさんは大モテでしたからね。未だスチュワーデスさんと言われていた頃、彼女たちとお付き合いすることが男のステータスみたいな時期がありました。先輩の役者さんで、「何とかスチュワーデスさんと付き合いたい」という想いから、態々スチュワーデスさんと向かい合う席を指定してる人とかいたもんな~。中には、「全ての航空会社のスチュワーデスを制覇してやる!」と意気込んでいた人もいたりして。あの人、結局制覇することができたのかな? 因みに、情報によると、私が高所恐怖症という噂を聴きつけて、スカイダイビングをさせようとする番組関係者がいますが、死んでもやりませんからね!


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2017年7月6日号掲載




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