ここまで喋っちゃうなんて、俺も甘い人間だなぁ。
「謝罪をしろ!」という人間に(もうわざとなんだろうけど)、敢えてこういう話をする。
別に目新しい話ではない。ずっとなされてきた議論だ。


「元」という国があった。そりゃもう、アジアからヨーロッパまで、大陸全土を飲み込もうとするくらい領土を拡大し、「侵略」を続けた。
そして日本にも牙を剥いた(「元寇」)、ただ「神風」とか、いろんな偶然で日本は運よく助かったが・・・。

それから後、「大英帝国」が、大陸を越えてあちらこちらに牙を剥いた。
中国はアヘン戦争以降、いいように植民地化され、収奪され、人民の健康が侵された。

その流れを受けて、「日本」も調子に乗った。
ただし「大東亜共栄圏」とか言い出して、ちょっと夢見るユメコちゃんで、島国の小国でありながら、分不相応に世界と戦った。案の定負けた。

「ソ連」という国もあった。
いろんな民族を掌握し、政治犯を中心に何百万人単位で「粛清」した。

「アメリカ」という国もあった。
大義なきままイラクを侵略し、結局拳の収めどころが解らず、適当なタイミングで撤退し、「IS」など、中東の大混乱を助長した。


こんな風に「侵略」の歴史を語っていたら、枚挙に暇がない。


これらの国々は結局、痛い目に遭っている。
「侵略」とは基本「調子に乗る」ことだ。かならずしっぺ返しが来る。
それは当然。仕方のないことだ。

日本も民間人含めて700万人以上の犠牲を払い、数千人の軍人が「戦犯」で裁かれ、空襲で焼き払われた荒野だけが残った。

因みに豊臣秀吉も、朝鮮半島に「調子に乗って」侵攻し、けちょんけちょんに負けて、結果一族崩壊にまで及んでいる。


その上で言おう。
「正しい歴史認識」と言うならば、どの「歴史認識」を持って「謝れ」と言うの?
誰が誰に対し、どういう理由で謝ればいいの?


イギリスは謝らなくていいの?
モンゴルは謝らなくていいの?
ナポレオンのいたフランスは?
アレキサンダー大王のいたマケドニアは?カエサルのいたイタリアは??
アフリカから多くの奴隷を生んだヨーロッパ列強は??


みんな「今」も、しっかり謝らなくていいの?あまつさえ賠償もしなくていいの?


仮にも「正しい歴史認識」と言うならば、有史以来のすべての「侵略」の歴史をすべて総括し、「侵略」に関わったすべての「侵略国」が、謝るべきである。
しかしアメリカがISに謝ることは絶対ないだろう。なぜなら、それが「戦争」だからだ。

戦争は絶えず愚かなもので、痛ましいものだ。
それでも今なお、戦争は世界のどこかで起きている。
まずは人間の、そのどうしようもない「愚かさ」から、目を背けてはならない。

しかし、だからこそ、それを「謝罪」にすりかえ、一方的な正義感に身を任せ、絶え間なく要求するというのは、極めて卑怯なロジックであると言わざるを得ない。
それを「正しい歴史認識」と言うならば、お互い腹をくくる必要があるのではないか?


全世界の人々に、「正しい」理解を求めます。