花王株式会社では、加齢にともなう髪の変化について、多くの調査・研究を実施してきました。毛髪の形状に関する研究では、女性では30代後半以降、男性では10代後半以降から、加齢にともなって毛髪が細くなっていくことを見出しました(男性1,177名、女性18,262名、1987年調査:香粧会誌、Vol. 12 No. 3、192-197 , 1988)。毛髪内部の研究では、加齢とともに毛髪内部の遊離脂質が減少することを確認しました(Lipids, Vol. 41, No. 2, 197-205, 2006)。
また2005年に行った毛髪の悩みアンケート(首都圏女性1,500名、10~50代)では、「白髪」についで、「ハリコシ・ボリュームがない」「ツヤがない」といった悩み項目が、加齢とともに急増している実態が明らかにされました。「ハリコシ・ボリュームがない」という悩みは、前記の調査結果から、加齢にともなって毛髪が細くなることが関与していると考えられます。 しかし、「ツヤがない」という悩みと加齢との関係については、定量的に評価した例はほとんどなく、その原因も不明でした。そこで今回の研究では、加齢にともなう髪全体のツヤについて計測評価で確認し、その原因を調べました。またその知見に基づき、髪のツヤを向上する剤を探索しました。
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