空は夫が取り上げた。
あっというまのことで
助産婦のHさんも間に合わなかったからだ。
空の体をバスタオルで拭きあげるが、
反応がない。
電話でHさんの指示をあおぎ、
空の足の裏をたたいたり、
呼びかけたりするがやはり反応はない。
すぐに救急車を要請し、
救急隊からの指示により
心臓マッサージと人工呼吸を行った。
救急車が到着するまでの4〜5分が、
何時間にも思えた。
ただ、私たちは必死だった。
救急車とHさんがほぼ同時に到着。
へその緒がすぐさま切られ、
空は救急車に乗せられていった。
わたしは、胎盤が出るのを待って、
後からきた救急車に乗って、
空を追いかけるように病院に向かった。
空の写真を見ながらそっと問いかける。
自宅で産むという選択は間違っていたのか。
病院で産んでいれば、
空は死なずに済んだのではないか。
自宅で産みたいというのは
単なるわたしの我儘だったのではないか・・・
それでも、
空は自宅で産まれてくることを選んだ。
静かで暗くてあったかい部屋で
大好きなパパに抱かれたかったのだ。
そう思うと、
ほんの少し心が軽くなる気がした。
2010年03月16日
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