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LCC「バニラエア」が2017年3月、大阪(関西)−奄美大島線を新たに開設する。この路線は、日本エアシステム(現・日本航空)が1998年まで運航していたが、今回の開設で実に19年ぶりの復活となる。関西での注目度はもちろん、地元の奄美大島でも期待は大きい。

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バニラエアは、国内LCCの中でも、沖縄・那覇や札幌・新千歳、フィリピンのセブなど“リゾート”路線を中心に国内と海外に路線を持つ。関西空港発着としては、昨年4月の台北をはじめ、今年2月18日に成田、3月18日に函館への路線が就航予定で、奄美大島は国内4路線目。運賃は4,780円からと、LCCならではの手軽な運賃設定もうれしい。

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特に、奄美大島の路線に対する注目度は高く、記者が昨年訪れた際にも島の至るところで関西への就航を願う声をよく耳にした。バニラエアは先に成田=奄美大島線に就航して以来、今まで島に来たことがなかった20代、30代の若者を中心に人気が高まり、観光客が急増。一時は宿泊施設やレンタカーの不足などが問題となったが、現在はほぼ解消されたといい、「バニラエアが就航したおかげで島が賑わっている」との声がとても多かった。

また、関西における奄美大島出身者は首都圏よりも実は多い。そのため、帰省や介護などで関西と奄美大島を行き来するのに、バニラエアの就航は念願だったという。他の国内路線でも、家族全員での帰省や介護、墓参りなどにLCCを積極的に利用しているという話はけっこう聞く。

奄美大島には、美しい海をはじめ、マングローブの原生林、島ならではのグルメや黒糖泡盛など、本州にも沖縄にもない独自の文化と魅力が満載だ。2018年のNHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」の舞台でもあり、「奄美・琉球」としての世界自然遺産への登録も目指している。島の空の玄関口・奄美空港では、観光客の受け入れ体制を強化すべく、ターミナルビルの増改築工事が進んでいる。

先の記者発表会で、バニラエアの五島勝也社長は、先日就航したばかりのベトナム・ホーチミンやセブといった国際線と合わせ、国内線の新規就航にも力を入れていきたいとの意向を示し、「特徴あるところに飛んでいきたい」と語っていた。シンプルで利用しやすく、リゾート色満載のフライトが楽しめるバニラエアの今後がまた楽しみでたまらない。

バニラエア Vanilla Air

(Written by Aki Shikama)