注:本ブログの過去記事ディズニーの同人誌は本当に危ないのか? - 寝古鉢鉄工所の続編的な内容なのでそちらと共に閲覧することを推奨する。筆者が述べる根拠は全て記してあるのでそこで否定している俗説を持ってこないで頂きたい。
2016年4月
Wikipedia各項目が更新されたのでその旨を加筆。出典を記さなければ今までの内容と信頼性は変わりないのではないか、危ないと書いた執筆者は何の意図から広めようとしたのか、そもそもWikipedia自身が広めたデマではないかなど不満と疑問は残るが更新されただけよしとするほか無い。
本件に関してこれ以上更新する必要が無くなればいいと切実に願う。
「ディズニーの同人誌は危ない」と同様に根強いのが「コミックマーケットはディズニー作品の頒布を禁止している」とする言説である。Wikipediaの項目『キングダムハーツ』『同人誌』『ウォルト・ディズニー・カンパニー(現在は削除)』にはっきりと書かれ誰もがこれを基に「コミケにディズニーの同人誌は存在しない」と主張しコミケへの企業参加やTPP問題では多くの人が「ディズニーによってコミケが潰される」と騒いだのも記憶に新しい。
キングダム ハーツ シリーズ - Wikipedia
初出:2008年7月3日
2016年3月現在残存
コミックマーケットなどの同人誌業界は、著作権に厳しいことで知られるディズニーに配慮し(実際、以前からサークル参加案内にはディズニーキャラクターを題材にした同人誌の発行を禁じる注意書きが存在している)、キングダムハーツを題材とした同人誌の発行自粛、印刷請負の自粛を作家、印刷業者に呼びかけた。
また、スクウェア側が本作のために制作したオリジナルキャラクター(ソラ、リク、カイリ等)の版権もディズニーに帰属しているため、ディズニーキャラと同様の措置が取られる(FFキャラはその限りではない)。
初出: 2016年3月29日
ディズニーキャラクターはもちろんのこと、本シリーズのオリジナルキャラクターの権利もディズニーに帰属している。そのため同人誌を扱う印刷所は、ディズニーに配慮し(実態としては、ディズニー社が特段著作権に厳しいという客観的事例は無く、先行したイメージに基づく自主的な動きによるもの)、キングダム ハーツを題材とした同人誌の印刷請負を一時的に自粛したことがある。国内最大の同人誌即売会であるコミックマーケットが発行を禁止したという説があるがデマであり、今作を扱うサークルが複数参加している。
↑「ディズニーはコミケの禁止項目に入っている」と主張する人(黒)と筆者(赤)のやりとり。ご覧のようにキチガイ扱いされたが、「禁止項目」の出典を聞いただけの筆者がキチガイならば実害すら出ているデマを撒き散らすこの人は路上で刃物を振り回す犯罪者であろう。
↑日付に注目。昔ならばともかく2016年になってもまだ唱えられるとは驚き。なおあくまで晒しではなくサンプルとして用いていることは強調したい。
明日から(?) コミケだそうですけど、ディズニーの二次創作ってあるんですか? - Yahoo!知恵袋ディズニーのエロ同人誌を描いてコミケに出すにはどうすればいいですか? - Yahoo!知恵袋しかしながらコミケがディズニーに関する作品の頒布を禁止している根拠として「何々と聞いた」「何々だったはず」などの曖昧な形、あるいはWikipediaやマナーサイトなどの間接的なページではなく直接出典を提示した人は
一 人 た り と も 存在しない。これはおかしい。誰も彼もが騒ぐのならばしかるべき確かなソースがあるはずだが本当に誰も示さないのだ。
コミケットマニュアル(コミックマーケット86サークル参加申込セット版)-
コミックマーケットの理念と実相頒布・提供禁止物
・法令に触れる物。ワイセツ図画および児童ポルノ、著しく知的財産権(著作権、商標権等)を侵害する物。薬事法・食品衛生法に抵触する物(ただし、食品業者が衛生的な環境で製造・包装、密封した、アルコール類以外の物は頒布可能です)。※こうした法令を把握し、注意をして下さい。また、抵触していなくても製造物責任法や民法に基づき、損害賠償責任を負う場合があります。
・コミケットの趣旨に反する物。法人が発行、制作した物、法人主催イベントの入場券。古物。
・燃料を充てんした、すぐに発火できる状態の器具。ただし、ロウソクについては密封されている状態、ライターもオイルが入っていない状態であれば頒布可能です。
準備会が公式HPで公開する申込書セットの頒布禁止物を確認するとご覧の通り。ディズニーもしくはキングダムハーツを名指しで禁止する項目はどこにも無い。
筆者の手元にある最新版であるC90の申込書にも勿論無いし、C50代のカタログに掲載される頒布物禁止一覧にも見当たらず『コミケットプレス 総集編2』を読んでもポケモン事件の余波から著作権についての特集はあるがディズニーへの言及は存在しない。
明言していないだけで申し込みの時点ではねられている、あるいはスタッフの目をかいくぐりこっそり頒布するしかないと思いきや
Comike Web Catalogで最新のコミケのカタログを確認すると『キングダムハーツ』どころかアニメ(その他)の海外アニメ島にディズニーそのものがジャンルであるサークルカットがある。ということは準備会が把握していることを意味する。
そもそも筆者は自分の同人誌『合衆国汽船大西洋三軸定期船コロンビア号』でC88(2015年夏コミ)に
委託参加して見本誌を提出した際「ディズニーの同人誌だが大丈夫か」とスタッフに確認したが禁止しているならばその際止められたはずだ。
↑サークルカット。堂々とディズニーと記したがちゃんと通った。カタログにも掲載されている。
コミケ90参加告知 - 寝古鉢鉄工所そして2016年夏コミC90にサークル参加。「東京ディズニーシーの同人誌を頒布する」と申し込み欄に書いてサークルカットもごらんの通りだが当選、『合衆国汽船コロンビア号』を頒布した。現在とらのあな(
【とらのあなWebSite】合衆国汽船コロンビア号)と書泉グランデに委託中。
つまりWikipediaに記され大勢が信じこむ「著作権に厳しいことで知られるディズニーに配慮し(実際、以前からサークル参加案内にはディズニーキャラクターを題材にした同人誌の発行を禁じる注意書きが存在している)、キングダムハーツを題材とした同人誌の発行自粛、印刷請負の自粛を作家、印刷業者に呼びかけた」は全くのデタラメ、嘘八百、デマということになる。一体どこからそんな文言が飛び出てきたのか、要出典どころか即座に削除されなければおかしい記述である。
・コミケにおけるディズニーサークル次は「コミケにすらディズニーの同人誌は存在しない」について。最新のカタログを見れば一目瞭然だがひょっとすると以前は無かったかもしれないので国会図書館に所蔵されるコミックマーケットのカタログを1990年代後半までさかのぼり確認した。追記に一覧を掲載したので参照願いたい。
ただしC52(1997年夏コミ)までしか確認できていないので改めて確認次第それ以前も追記する予定。
少なくともC52(1997年夏コミ)の『ナイトメアビフォアクリスマス』以降必ずディズニー関係のサークルが参加しており「コミケにディズニーの同人誌は存在しない」が完全に嘘であることが判明した。「昔からあったはず」とはちょくちょく見かけたがやはり自分の目で確かめるのが一番である。
例えばディズニーが企業参加したC85(2013年夏コミ)にはディズニーサークルはアニメ『シュガーラッシュ(2013)』を含め40以上、前後も同様でありどう考えても「黙認されている」状態だ。まさか「二次創作を微塵も認めない」著作権ヤクザディズニー様が自らが参加する即売会の確認を怠り「弁護士によって告訴される恐れがほぼ確実である」同人誌を見逃したなんてことはあるまい。
印刷所の自主規制以前にはミッキーマウスやミニーマウスなどいわゆるミキフレの擬人化が主流だが『美女と野獣』『ノートルダムの鐘』、プーを描いたサークルカットもあり、最盛期のC59(2000年冬コミ)には7つも見かけられ結構な賑わいぶりがうかがえる。わざわざこんな長文を書く必要性を疑うぐらいだ。
著作権について組合の意見‐日本同人誌印刷業組合著作権分科会 過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会(第5回)議事録‐文化庁発売直後に日本同人誌印刷業組合による自主規制が敷かれたにもかかわらずC63(2002年冬コミ)から『キングダムハーツ』サークルが参加しているのでコミケは歩調を合わせなかったと見るのが妥当だが、C69(2005年冬コミ)とC71(2006年冬コミ)にはゼロ、『ファイナルファンタジー』自体もめっきり減っているのは故米沢代表の懸念した萎縮効果による「イコール『キングダムハーツ』のキャラクターでもある『ファイナルファンタジー』の同人誌が激減した」結果であろう。とはいえ現在は両者とも増加しているのでその影響もある程度は薄れたということだろう。
実写映画の場合『パイレーツオブカリビアン(2003)』はC66(2004年夏コミ)から三作目(当時は三作でシリーズが終了するはずだった)が公開されたC75(2008年冬コミ)まで、『アベンジャーズ(2012)』はC84(2013年夏コミ)以降二桁をキープしておりこちらでは同人の勢いが畏怖風潮を上回ったか、あるいは一般的なディズニーのイメージ(かわいいキャラクター、プリンセス、女児向け…)から離れているので相手にされなかったかのどちらかだ。とはいえマーベルとルーカスフィルムの買収時には「ディズニーの版権になったから同人誌を出せなくなる」と騒ぐ声を割合見かけたので後者の線は薄いだろう。
※余談ながら同人界隈に流行した「ヴィランズの手下」 (
ヴィランズの手下を一人ずつ徹底紹介! TDS「ヴィランズ・ハロウィーン・パーティー」リクルーティング - ディズニー特集 -ウレぴあ総研 参照)の二次創作を「ナマモノだから18禁ではなくても止めるべき」との声が強いが、彼らの理屈に従えば「ディズニーのナマモノ」となるこれら実写映画は二次創作も同人誌も盛んなのにおかしな話だ。そもそも手下の二次創作は役者本人を題材にしていないのでこれをナマモノと称したらプリンセスなどのフェイスやミッキーマウス等着ぐるみキャラも同様に「中の人がいる」のだからナマモノとして叩かなければ理屈が成り立たないのだがはてさて。
一方ディズニーアニメは自主規制の翌年C64(2003年夏コミ)に3サークルが参加後しばらく途絶える。Wikipediaの記述はこの状況を基に推測を書いたと筆者は考えるが、ホームページ全盛期の当時『キングダムハーツ』の流行で活発化したマナーサイトなど他にも外的要素があったかもしれない。とはいえもっと調べてからでないと確証を持てないので保留する必要がある。
アニメ(その他)にディズニーサークルが再び見られるのは別ジャンルの大手が擬人化で参加したC73(2007年冬コミ)だ。
キャラクター紹介や
サンプル、
後に商業化した作品を読んでも原型を留めていないものの「ネズミー擬人化」とサークルカットに記し海外アニメに配置されているのでディズニーサークルに違いない。
これ以降評論やグーフィー(擬人化ではなく原型なので『わかりやすいキャラははじかれる』なんてことはなさそうだ)、2009年にはオンリーイベント
『フリューゲル家のTea Party』が開かれた『ファイアボール』など毎年1,2サークルが参加している。
アニメが再び賑わう決定打になったのは『アナと雪の女王(2014)』が相当大きいブームになったこと、申し込み締め切り直前の2015年1月に発生したダブルパロディ本の回収に端を発するディズニー同人誌の議論(
ディズニーの同人誌を公開することは本当に危険なのか? - Togetterまとめ )である。
C88(2015年夏コミ)では『ベイマックス(2014)』を筆頭にアニメが12サークル参加。『アナと雪の女王』のエルサとドリームワークス作品『ガーディアンズ(2014)』のジャックを組み合わせた非公式カップリング「ジャエル」はファイアボール以来二回目のディズニー即売会である
『Frost×Frozen×Fantasy』が開催予定、『ベイマックス』はコミケ以外の即売会に約40サークルが参加してもはや一つのジャンルであるなど相当な勢いを見せる。
そして最新のC89(2015年冬コミ)にはアニメは16サークル、島を形成する勢いであり内容も当時まだ未公開の『ズートピア(2016)』から東京ディズニーシーのショー『ファッショナブルイースター(2015)』まで多岐に渡っている。
これを見てもまだ存在しないと言い切れるとしたら相当の節穴だが、「コミケにディズニーの同人誌は存在しない」と言い切る人は一体どこを見ていたのだろうか?
・Wikipediaの記述「コミケではキングダムハーツの同人誌を頒布できない」という話は事実なのか - 今日も得る物なしZディズニー作品の同人誌即売会が普通に行われて無事に終了していた件とディズニー作品頒布禁止情報の発生源について - 今日も得る物なしZ↑本項目は上記はてなブログに頼るところが大きい。ただし「腐女子による自主規制」は問題の矮小化であり正確には同人業界どころかネット全体に蔓延る風潮と考える。
すでに指摘されている通りWikipediaは個人による恣意的な編集であっても百科事典の看板を背負い嘘が真実として広まりやすい。この言説が生まれた大元ではないが少なくとも広まる原因であることは確かだ。
ディズニーの同人誌に関する記述は2007年4月1日『ウォルト・ディズニー・カンパニー』が初出。一度削除されたものの翌年再び現れた後2013年に初めて「ディズニー作品の頒布全面禁止措置」をとる旨の記述が出現した。直後にはディズニーが企業参加したので全否定された形になったが結局2015年2月まで残っていた。
『キングダムハーツ』の「著作権に厳しいことで知られるディズニーに配慮し(実際、以前からサークル参加案内にはディズニーキャラクターを題材にした同人誌の発行を禁じる注意書きが存在している)」、「キングダムハーツを題材とした同人誌の発行自粛、印刷請負の自粛を作家、印刷業者に呼びかけた」は2008年7月3日に追加され現在まで残っているかなり古い記述だ。
前者は無論のこと後者も例えコミケの呼び掛けが正しくても印刷組合の自主規制が先(2002年5月)であり因果関係が逆だがそもそもそんなものは存在しないので全くの大嘘である。
『同人誌』に至っては2012年8月22日の更新で「二次創作物に対し法的手段を駆使して積極的な規制を公然と行なっている」とまで言い切るが、もしも正しいなら何百万件も投稿されディズニーのアーティストも登録しているdeviant Artが無事な理由はどこにある。初期は運営がディズニー作品を削除していたPixivも更新当時にはすでに削除されずランキングに掲載される程浸透(現在は公式が特集を組んでいる)しているので何を根拠にしたのか全くの謎だ。
「ディズニー作品の頒布全面禁止措置」が執られているならなぜ毎回ディズニーに関する作品を扱うサークルが参加できているのか。「ディズニー側の弁護士によって告訴される恐れがほぼ確実」ならドラえもんやときめきメモリアル、ポケモンのように実際の訴訟事例(もちろんエアパイレーツではなくファン活動としての同人誌だ)が浸透しているはずだがなぜ一件も見つからないのか。「ソースはWikipedia」がいかに頼りないか実感できよう。
ただし、誰も彼もが確かな事実として伝えるのでもしかしすると筆者の知らないソースがあるだけかもしれない。なのでご存じの方はぜひとも教えていただきたい。もちろん伝聞ではなくきちんとした出典の提示をお願いしたいところである。ろくに根拠を示さないまま憶測と伝聞を積み重ねた結果がデマの蔓延る現状なのだからそのぐらい当たり前だろう。
ウォルト・ディズニー・カンパニー - Wikipedia
初出:2013年8月27日版
2015年2月3日削除
同人誌やファンサイトなどの二次創作の世界では、ディズニー社の著作権に対する厳しい態度を考慮し、ディズニー社に関連する二次創作物の執筆・発行は強く忌避され、成人向けのみならず一般向けまでも厳に規制されている。これにより、日本最大の同人誌即売会であるコミックマーケットですらディズニー作品の頒布全面禁止措置を執っているほどである。さらに、ディズニーのキャラやアニメについて述べる際、検索エンジンに引っかかりにくくするよう「某D社」「Dランド(=ディズニーランド)」「なんとかランド」「ネズミーランド」「あのネズミ(=ミッキーマウス)」など、意図的にボカシた表現をする場合も少なくない。
初出:2009年10月19日
以降伏字に関して数回編集
同人誌やファンサイトなどの二次創作の世界では、ディズニー社の著作権に対する厳しい態度を考慮し、ディズニー社に関連する二次創作物は執筆・発行は避けられている。さらに、ディズニーキャラについて述べる際に"あのネズミ(=ミッキーマウス)"と言うような、ボカシた表現をする場合も少なくない。
初出:2008年11月15日版
2008年12月31日改訂(パロディに関する部分が削除される)
同人誌やファンサイトなどの二次創作の世界では、ディズニー社の著作権に対する厳しい態度を考慮し、ディズニー社に関連する二次創作物は執筆・発行は避けられている。(しかし、パロディは黙認している。)
初出:2008年3月7日版
2008年11月15日改訂
同人誌の世界では、ディズニー社の著作権に対する厳しい態度を考慮し、ディズニー社に関連する二次創作物は執筆・発行は避けられている。
初出:2007年11月1日版
2008年3月7日改訂
同人誌の世界では、著作権保護に対し厳しいディズニーの弁護士により告訴される可能性が極めて高いため、ディズニー社に関連する二次創作物は執筆・発行は避けられている。実際にイベントのサークル向け参加案内にディズニーキャラクターを題材にした同人誌の発行を禁じる注意書きを表記したものが存在する。
初出:2007年4月1日版
2007年9月12日に項目「著作権とウォルト・ディズニー社」ごと削除される
このような姿勢から、しばしば「卒業・卒園式の記念に描いた寄せ書きのミッキーマウスが、話を聞きつけたディズニー側によって回収・破棄された」といった都市伝説的噂が流布されたり、同人誌方面ではディズニー関連の物は事実上執筆・発行ができない(ディズニー側の弁護士によって告訴される恐れがほぼ確実であるため)といった影響が出ている部分がある。
同人誌 - Wikipedia
初出:2016年3月25日
二次創作物を著作権を侵害するものと明確に見なして法的手段を駆使して積極的な規制を公然と行なっている企業や[要出典]、個人ないし個人事務所のレベルでその様なことを行なっているクリエイターも存在する一方で(以下省略)
初出:2012年8月22日
2016年3月現在残存
ディズニー、サンライズ、任天堂やコナミのように二次創作物に対し法的手段を駆使して積極的な規制を公然と行なっている企業がある一方で、無許諾ではあるがファン活動の延長線上にあるものとしてとらえ、または宣伝効果や相乗効果の発生を期待したり、あるいはこれを前提とした作品作りを行い、著作権者に対する中傷・風刺などの実害が及びかねない内容や、著しく反社会的な態様の作品でもない限りあえて黙認している著作権者も少なくない。なお、黙認とは、黙って認めることであり、認める意思がなく単に沈黙しているに過ぎない場合は本来、含まれない。
初出:2007年11月27日
2012年8月22日改訂
ディズニー、サンライズ、任天堂やコナミのように二次創作物に対し積極的に法的手段を用いて規制する企業もあるが、多くの企業は、ファンクラブの延長線としてとらえ[6][7]、また宣伝効果や相乗効果を期待して、著作権元に実害が及ぶような作品でもない限りあえて黙認している[8]。
注釈[8]
規制に積極的とされる企業であっても、コミケットなどの同人イベントでの摘発事例はなく、「子供の落書きにまで規制を入れる」ディズニーを別とすれば、摘発はこれらの商業流通のものに限られている。
・まとめ―なぜディズニーを畏怖する風潮は消えないのか↑コミケへの企業参加が報じられると「同人業界の敵がぬけしゃあしゃあとやってきやがって」的な反応が巻き起こった。何も起こらなかったせいか現在では忘れられている節がある。
↑TPPに関しても「ディズニーに同人文化が潰される!」との声が上がったがまるで毛唐に怯え攘夷運動に走る幕末の浪人のようだ。
『HEROMAN』の同人誌が同人ショップに委託できない?‐藤堂志摩子のAngel Heart Clubコミックマーケット78 - ゲーマーズライフ↑『ヒーローマン』はディズニーが関わっているから同人誌を出せないとする空気が広がったがキャラクターデザインを担当したコヤマシゲト氏が同人誌を出している。とらのあなが委託を受け付けなかった「らしい」との噂も広まったがディズニーそのものの同人誌をすでに2009年に委託している(
現在も通販サイトで確認できる)のでかなり怪しい。
二次創作はグレーゾーンか? 「公式への問い合わせ」の是非 - Togetterまとめ↑他ジャンルの議論で「厳しい企業」の例えにディズニーを持ってくることが非常に多い。関係ない界隈の学級会から流れ弾を送り込んでくるのはいい加減にして欲しい。
↑二次創作ではないがあまりにひどいので一例として。アニメに造詣の深い知識人ですら「血も涙も無い著作権ヤクザ」というイメージを固めるためにこのようなデマを流すのがディズニーの一般的な扱いだ。なお公式伝記『ウォルト・ディズニー』や先年出版された"Disney During World War II"はもちろん 『ミッキーマウス―ディズニーとドイツ』『創造と狂気』などの非監修伝記にも見当たらず、陰謀論者に好まれる『闇の王子ディズニー』ですらここまで極端なことを書いていない。一体何を元に書いたのだろうか?
海外のコミックマーケットはどうなってるの?海外同人コミケ _ 漫画アニメ.com↑海外に二次創作活動は存在しないと明言する一例。ググれとしか言いようが無い。
#有害都市 内部で描かれたアメコミに関する描写が不適切で大炎上 - Togetterまとめ 戦意高揚プロパガンダのキャプテンアメリカをアメリカの正義を疑うキャラにしたハリウッドは偉いと語る原作未読の@C4Dbeginner 氏 - Togetterまとめ●続・最近の著作権とか。‐アコログ↑「能天気なヒーロー物しか存在しない」「コミックコードで多様なコミック文化が滅んだ」とするアメコミのステレオタイプに関するツッコミ。偏見と誤解がまかり通る状況は同じような物だろう。
ディズニー=悪の大企業的揶揄はネタでももうやめようよっていう話 - Togetterまとめ 「コミケにディズニーの同人誌は存在しない」「コミケはディズニーの同人誌を禁止している」は「そんな危ない物があってはならない」「止めさせなければならない」と表裏一体なのでここまで否定してみたが、一体なぜディズニーを忌避する風潮は根強いのか。
好き嫌いならば個人の問題なのでどうぞご自由に。何かしらの信条でディズニーの同人誌に手を出さない、それも納得がいく。しかし嘘を錦の御旗として振りかざし同人誌の頒布を止めさせる、これは明らかにおかしい。
情報が入ってこなかった時代はしょうがないし誰にでも誤りぐらいある。問題は未だに「ディズニーだから危ない」と広める根拠はどこにも無いということだ。大企業の有名税ということもあるだろうがコミケへの企業参加や二次創作の取り込みなど「角川みたいなことをやってる!」とも言えるディズニーを忌避する風潮がなぜ消えないのか。あれだけ氾濫する夢の国チキンレースやアナ雪の「歌ってみた」が消されないことを誰も疑問に思わないのか。鉄道忌避伝説や砂漠でパスタを茹でたイタリア軍を現在も本気で信じ込み他人に強制させる人がいたらお笑い物なのになぜディズニーはこんな理屈がまかり通るのか。
なぜなら
大多数にとってディズニーとはポジショントークの道具に過ぎないから だ。
ありとあらゆるコミュニティでディズニーに全く関係ない人から同人誌に精通していそうな他ジャンルの大手までがこの都市伝説を本気で信じ込む理由を筆者にはこれしか思いつきようが無い。
「ちゃんと同人誌について考えていますよ」アピールをしたい。
海外だからいい加減なことを言ってもバレない。
「調べるまでも無い常識」なので改めて現状を知る必要なんて無い。
夢の国なんて所詮一般人向け、我々とは全く縁の無い世界だ。
ディズニーという特別危険な範囲を設定してそうではない自らは安全であると思いたい。
著作権ヤクザに抑圧された海外!寛大なる配慮の下コミケが花咲いた日本!わが国独自の世界に誇るべき同人文化!外患から平和な世界を守らなければ!まあ、いろいろ読む限りそんなところだ。
誰だって興味が無いジャンルについて知識を持ち合わすわけではない。だったら四の五のデマを撒き散らす前にまず調べれば済む話だ。全く関係ない人どころかディズニーの二次創作をネット上で堂々と公開する人までこの調子なのでため息が出るが、前回取り上げたディズニー自警団はあくまでこの「調べるまでも無い常識」に従っているにすぎず、あれだけを強調したのは筆者の間違いだった。ディズニーを忌避する風潮の原因はディズニーそのものではなく実質的に同人界隈のマッチポンプであり本気で信じ込む人がいなくなれば自然と消えるのであり、「自警団が怖いから出せない」で終わらせる話ではない。同人界隈が一丸となってずっとディズニーを悪魔扱いしてきた結果がこの様だ。
しかし解せないのは「ディズニーの衣装を着せてみたパロディ」の存在だ。昔から多々見られ
プロの漫画家ですら描くほど盛んだが忌避感が薄れないどころかこの種のパロディを描きつつ「ディズニーは危ない」と叫ぶ大手氏が出現するなど、結局ディズニーは他ジャンルにとって二次創作の衣装箱程度にしか思われていなかったわけだ。もしも半分でもディズニーそのものとして描いていたらくだらない都市伝説なんぞあっという間に吹き飛んでいただろうと愚痴の一つもこぼしたくなるが、所詮個人の感想であり隠せとも止めろとも言わないのでどうぞご自由に描けばいい。
「社会的反抗のため警告を無視して送り付ける」「無許可の絵が新聞で大々的に取り上げれた」…ディズニーが厳しい証拠として挙げられる事例はどれもこんなことをしたらディズニーに限らずどこでも同じ対応を取るだけだ。「オズワルドの版権を奪われて著作権に厳しくなったのだから同人誌なんて認めるわけもない」に至ってはどうせNaverまとめを読んで知った口だろうがあまりにも飛躍しすぎて問題外である。
そりゃあまりにもやりすぎて公式の目に余る事態に陥るのは良くない。しかしそれは「ディズニーだから」ではなく全ての同人誌に共通する話であり特段ディズニーを強調することでもないし、嘘を振りかざして頒布を中止させることを正当化していい理由になるはずもない。
繰り返しになるがもちろん「公認されているから無法地帯でも構わない」なんて極論を主張するつもりもまったく無く、公式が二次創作の取り込みすら行いながらも同人誌と二次創作のガイダンスを出していないのであくまで肯定寄りの黙認と見るしかない(一部で『イメージを壊さず金をとらない二次創作なら認める規約』は二次創作ではなく『Disneyサービス』の規約であり、そもそもこれを適用したらすべての企業が同人誌を禁止していることになる程度のものだ。それに明らかに『イメージを壊す』夢の国チキンレースや変態ウッディetcが消されないのは一体どういうわけなのか?)。ガイダンスを出さない以上は即売会のルールに従いゾーニングを守るなど他ジャンルと同程度のファン活動に納め、その上で公式から通達が来たならば従うべきだろう。
何かと話題になりやすい18禁にしても企業参加した回に参加したサークルが無事であるから問題が起こるとしたら「ディズニーの18禁同人誌」そのものではなく「18禁の同人誌をおっぴろげにする」場合だ。
同人誌ならば年齢確認を厳守する、ツイッターならば鍵をかけるなり「ツイートする画像/動画を不適切な内容を含むものとして設定する」をチェックするなり場に合わせた対策をきちんと取るべきである。
しかしながらルールを守る限り止めさせられるのは公式のみ。公式が黙認する限り関係ない外野が口出しできることでは無い。ましてやとっくに否定されたデマを振りかざす人に正当性は皆無だ。
そう、ディズニーとて一般的な他ジャンルと変わらないのである。
ひとつばなしならともかく真面目な議論の時ぐらいは根拠を掲示しろ。
ちょっとは調べろ。目の前の箱は何だと思っている。
調べる気が無いなら黙れ。デマを流すな。
以上
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