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Apes! Not Monkeys!  本館

2010-06-14

[]有罪の確信

先日の『「死刑裁判」の現場』という番組の放映予定を告知したエントリのコメント欄を受けて。番組に登場する土本武司・元検事は取調べの可視化に反対して次のように述べている。

 近時、取り調べの可視化の要請から、この取り調べ内容を全部一律に録音・録画すべきであるとの主張が聞かれる。そして、取調官が被疑者を厳しく追及するという思い込みのもとで、検察や警察は“厳しい取り調べ”の実態が表面化するのを恐れて、録音・録画記録制度の導入に反対しているとみられている。

 たしかに最近発生した鹿児島県志布志市の選挙買収事件や富山県氷見市の強姦等事件はいずれも冤罪(えんざい)で、自白獲得に向けた取り調べ方法に問題があった。取り調べ状況を可視化すれば、このような人権侵害的な取り調べは行われていなかったであろう。しかし、このような例外的な事例を引き合いに出して論議すべきではない。

 この問題はまず、欧米諸国と異なり、日本人被疑者の場合は、捜査官への自白が罪責感情を軽減させる機能を果たしていることを知るべきである。

 犯人が被疑者としての取り調べを受けることになったとき、とくに身柄の拘束を受けたとき、その直後は新しい環境に緊張するが、それに慣れ、取調官と親和する心理状態になれば、取調官との間に感情移入により“悔悟”の心情が芽生えて自白がなされるのである。したがってわが国における取り調べは、欧米でのそれのように、取調官と被疑者の対立闘争関係ではない。

 私の体験からしても、自白はむしろ取調官と被疑者が友好的関係になり、心のラポートがかかったとき、すなわち琴線に触れたとき生まれるものであり、対立抗争の関係にある間はそれがないため自白は生まれない。だから怒号とか理詰めの尋問は決して有効でない。

(http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071019/trl0710190331000-n1.htm)

「取調官と親和する心理状態」や「心のラポート〔ママ〕」に対する検察官の、あるいは警察官の強いこだわりは単なる(可視化阻止のための)口実ではなく、彼らの職業的な矜持とも関わる真面目なものであることは確かなようである。

浜田 (・・・)

 取り調べをする側からすると、取り調べというのは、たんに本人に自白をさせるということだけじゃなくて、謝罪をさせる、更正の一環と位置づけている。ある検察官は、“懺悔の場”だと言っている。だから、証拠が明白にある事件でも自白を求めるんです。自白させて反省させることに意味があると思っているんです。そんな懺悔の場にビデオテープを持ち込むなんて、とんでもない。一対一の人間関係のなかで本当のことが引き出せるんだと。録音テープなんて持ち込んだら、本当のことを言わなくなるじゃないかと。こういう発想なんですね。

 アメリカの社会学者が、日本の警察研究で言っているんですが、日本の取り調べの大きな特徴は謝罪追及ということにあると。情報収集ということよりも謝罪をどうやって引き出すかにある。しかし、取り調べは、本来、尋問ではなくインタビューなんです。単なる情報収集なんです。だから、情報提供したくなければ黙秘するのが、ごく自然なんです。ところが、謝罪ということになりますと、犯罪を犯したということが前提になり、謝罪させるためには自白がどうしても必要になる。

庭山 最近、現役の検察官何人かと会って、自白の問題について議論したことがあるんです。そのなかで、こういうことを言った人がいました。何日もかかって、ようやく自白をさせる。被疑者がポロポロ涙を流して、真実を語りながら悔悟、反省をする。このときこそ検察官の誇りと喜びを感じるんだと。こうなると麻薬みたいなもので、やめられないと。こんな雰囲気が検察庁全体にあるんじゃないかなぁ。

(浜田寿美男、『〔新版〕狭山事件 虚偽自白』』、339-340ページ。「庭山」は対談相手の庭山英雄弁護士)

同じようなことを検事出身の作家も述べている。

 以上に加えて、捜査官がひたすら真実の吐露を希求する理由がもう一つある。

 犯罪者を改善更生させ、社会復帰を遂げさせたいということである。

(……)

 警察は、暴力団からの離脱を願う者と組の間に入って話をつけてやったりもする。警察官も検察官もその多くが、仕事をしていて一番嬉しかったことはという問いには迷わず、

「犯罪者が心から罪を悔い、更生してくれたこと」

と答えるはずである。

 なにが嬉しいといって、自分が取調べた者が前非を悔い、更生を誓う手紙をくれたり、いまは真面目に暮らしていると挨拶に来てくれることほど嬉しいことはない。捜査官にとってはそれがなによりもの宝であり、勲章である。

(佐々木知子、『日本の司法文化』、文春新書、107-109ページ)

「真実の吐露を希求」とは自白させようとする、という意味である。

ここでまず指摘しておきたいのは、昨日別館で取り上げた撫順(および太原)戦犯管理所の元収容者と元職員が「認罪教育」について持っている認識が、日本の警察官や検察官が理想とする被疑者との関係についてのそれと、極めて似通っているということである。単に戦犯を起訴し処罰するためであれば、中国にとって自白をとることはさして重要ではなかった。被害の実態についてはかなり詳細な調査を行っていたからである。「認罪教育」においては自白することそれ自体に意味があるとされているのである。そしてこの点もまた、日本の刑事司法における取調べ(についての取調官の認識)に類似している。『自白の研究』で浜田氏は土本武司・元検事の著書『犯罪捜査』(弘文堂)から次のような一節を引用している。

 捜査活動は、犯人にとっては、捜査官により逮捕・勾留等の強制処分を受け、取調を受けること自体が、厳しい体験として、一定の感銘力を与え、将来への訓戒的役割を果たしている。(とくに初犯者にとっては、手錠をかけられ、拘置所・留置所に収容されることがいかに肉体的・精神的苦痛の大きいものであるかを想起されよ)。

(『自白の研究』、226-227ページより孫引き。強調は原文では傍点。)

土本氏はこれに続けて、捜査活動には「犯罪によって惹起された社会人心の不安を緩和し、正義が行なわれたことの満足感を与え」る機能もあると述べていて、これはこれで「推定無罪」という理念との関係で大いに問題があるのだが、ここではこれ以上追求しない。

以上のように、撫順戦犯管理所で行なわれた取調べの背後にある思想は日本の刑事司法実務のそれと多くの共通点を持つ。右派の中には軽々しく中帰連のメンバーを「洗脳されてる」などと誹謗する者が少なくないが、ならば同じことを日本の(更生した)犯罪者についても言うのでなければ筋が通らない。


さて、上述したような警察官、検察官のスタンスが問題なのは、それが被疑者=真犯人であるときにこそ機能するものだということ、にもかかわらず/だからこそ、取調官は被疑者が真犯人であるという強い確信を持って取調べるよう推奨されているからである。客観的な証拠が十分にあって被疑者=真犯人であることが動かし難い場合はともかく、そうでない場合には無実の兆候を過小評価し結果として冤罪をつくり出してしまうおそれがあるわけだ。さらに、取調べ過程それ自体が「将来への訓戒的役割」をもつという発想は、被疑者への人権侵害的な処遇を正当化しかねない点も問題だろう。


はなしを『「死刑裁判」の現場』にうつそう。自分が取調べて死刑判決を受けた死刑囚から手紙が来る、そこには深い悔恨の念が表現されている……というのは日本の検察官にとってまさに理想的な展開であって、土本氏が取調官と被疑者のラポールに強くこだわる気持ちはよく理解できる。しかしながら、番組が明らかにした情報の中には上述したような取調べのスタンスへの反省を促すはずの要素もあった。

問題の事件の資料を収集した土本氏は、一審の判決理由が死刑事件であるにもかかわらず2枚しかないことに驚き、裁判所の姿勢への疑念を表明する。一審判決を書いた元裁判官に取材すると、なんと公判が2回しかなかった(当時のメモによる)という驚くべき事実が明かされ、元裁判官は今度は一審の国選弁護人を批判する。上告の際に死刑囚は(それまで認めていた)明確な殺意を否認する上申書を出すが上告棄却で死刑が確定、執行された。土本氏は最高裁の段階になって初めて殺意を否認したことを悔やむ(明確な殺意の存在が死刑判決の決め手の一つとなっていたため)が、ここで問題なのは、捜査段階で殺意を認める自白をとったのはその土本氏自身ではなかったのか? という点である。上申書での殺意の否認が真実なのかどうか、いまとなっては知る術もない。しかし殺意を認める自白をした時点で死刑へのレールが敷かれはじめたことはまず間違いのないことだ。土本氏がこの点をどう考えているのか、残念ながら番組はそこまで踏み込んでいなかった。

MKMMKM 2010/06/14 23:26 犯罪者が悔い改めさせることを冤罪を起こさないことより重視している(ようにしか見えない)以上、冤罪を減らすつもりがないといわれても仕方ないでしょうね。
そもそも志布志のケースは"悔い改めさせること"の暴走があの踏み字につながったようにも見えます(そういう意味では例外的な事例といえるかどうか)。

そして"悔い改めさせること"を取り調べにおいて重視しているにもかかわらず、冤罪を引き起こしたことについて検察・警察ともに本気で悔い改めているように見えないことも重大な問題です。
冤罪を引き起こした捜査関係者が本当に悔い改めているならば、何故このような事態なったのか分析し必要とあらば(というか必要なんですが)組織改革を訴える等の行動していかなければならないと思うのですがそういった動きは目を引きません。
検察・警察といった組織に留まっている場合は大変困難であるとは思うのですが。

犯罪者に悔い改めさせることを仕事上の喜びとしつつ、自分達は悔い改めのような不愉快な行為は十分に行わない。
これは結局自分達の"気持ちよさ"を大切にしてるだけにしか見えません。

apesnotmonkeysapesnotmonkeys 2010/06/15 09:30 MKMさん

土本氏は同じ著書の中で、「推定無罪」の理念について、英米と違って日本ではその意識が定着していないから「警察は真犯人のみを検挙し、検察は裁判を受けるに足る者だけを被告人の座につかせなければならない」とも主張しているそうです(『自白の研究』、227-8から孫引き)。「国民感情」におもねるだけでなくそれを啓蒙していくのも大事だろ、というのはひとまずおくとして、この「警察は真犯人のみを検挙」しなければならない、という意識が「逮捕したからには真犯人でなくてはならない」に転化してしまうのが問題なんですよね。別に意図的にでっち上げをやっているというわけではなく、捜査員が「根拠なき確信」にとりつかれてしまったり、末端の捜査員が疑問を持っても上が決めた方針に逆らえなかったり(志布志事件や足利事件でもそうでした)で、有罪を前提とする取調べになってしまう、と。

>そういう意味では例外的な事例といえるかどうか

12日のエントリで明らかな虚偽自白の事例を取り上げましたし、10日のエントリでも虚偽自白の可能性があるいくつかの事件の報道を取り上げました。「やってないことをやったと言わせた」ケースのみならず、「はっきりした殺意はなかったのに殺意を認めさせた」とかいった事例まで含めれば、決して例外的とは言えないと思いますね。

>そして"悔い改めさせること"を取り調べにおいて重視しているにもかかわらず、冤罪を引き起こしたことについて検察・警察ともに本気で悔い改めているように見えないことも重大な問題です。

「警察は真犯人のみを検挙」という建前にがんじがらめにされているからなんでしょうけど、確かに「普段被疑者に言ってる台詞を自分たちにも言ってみろよ」と言わねばならんでしょうね。

>これは結局自分達の"気持ちよさ"を大切にしてるだけにしか見えません。

ただ難しいのは、特に警察官の場合、それが劣悪な労働環境を耐えるモチベーションになっている(『自白の研究』第5章第3節)という点でしょうね。つまり有権者の側にも、「労働基準法、なにそれ?」的なはたらき方を強いているという落ち度はあるわけで。
どこかを変えようと思えば全体を変えねばならない、という問題ですから本来政治家がリーダーシップを発揮する必要があるのですが……。

Bill_McCrearyBill_McCreary 2010/06/15 23:00 >「取調官と親和する心理状態」や「心のラポート〔ママ〕」に対する検察官の、あるいは警察官の強いこだわりは単なる(可視化阻止のための)口実ではなく、彼らの職業的な矜持とも関わる真面目なものであることは確かなようである。

土本氏や、あるいは取り調べ可視化に賛成ではないらしい河合幹雄氏の論点の究極的な部分(の少なくとも一つ)がここなんでしょうね。それを私も理解しないではないですが、ただ

>たしかに最近発生した鹿児島県志布志市の選挙買収事件や富山県氷見市の強姦等事件はいずれも冤罪(えんざい)で、自白獲得に向けた取り調べ方法に問題があった。取り調べ状況を可視化すれば、このような人権侵害的な取り調べは行われていなかったであろう。しかし、このような例外的な事例を引き合いに出して論議すべきではない。

とまで言われちゃうと、(元)検察幹部の発言としてはあまりにどうかと思います。

>例外的な事例

っていわれたって、そんなん冤罪でひどい目にあった人間の苦しみをあなたも少しは考えてよと、まあ素朴に過ぎる意見ではありますが思っちゃいます。

>犯罪者が心から罪を悔い、更生してくれたこと



>仕事をしていて一番嬉しかったこと

というのはもちろん悪いことではありませんが、それが無理筋の捜査や冤罪発生の一因になっているということはもう少し警察も検察も認識してほしいなと警察官でも検察官でもない私は考えます。私個人としては、元自民党代議士で弁護士の早川忠孝氏の主張のほうがやはり時代に対応していると思います。

http://ameblo.jp/gusya-h/entry-10303412256.html

Gl17Gl17 2010/06/16 00:10 >例外的な事例
っていわれたって、客観的にそれを裏付けるものもありませんし、それが例外と言えるのは氏の主観の話になってしまうんではないですかね。嘘を言ってるつもりは無いのでしょうが。
例え内部事情に詳しいと言っても、全国的広範に、あらゆる取り調べの実態を知悉しているわけもないでしょうから。

取調べの可視化が担保され確認されたとでもいうことにならない限り。

だいたい、そういった「例外」がしばしば重大な人権侵害に繋がる実態を軽減するためにこそ、対策が求められているというのに「例外だから」で別の話にされるのも違うような。
誰も、大半の事件でおかしな取調べでデタラメが行われてるとまで言ってませんよ。

MKMMKM 2010/06/16 01:04 >この「警察は真犯人のみを検挙」しなければならない、という意識が「逮捕したからには真犯人でなくてはならない」に転化してしまうのが問題なんですよね。

この転化は必然という気がします。
「警察は真犯人のみを検挙」しなければのであれば時間とお金が必要なわけですが世間はそんなことに大して頓着してくれるわけではないですし。
そして警察の持っている権力と環境は間違ってはならないという達成不可能な命題でさえどうにかしてしまえる程度ものがありますから(でっち上げのような手段をとらなくても)。

>ただ難しいのは、特に警察官の場合、それが劣悪な労働環境を耐えるモチベーションになっている(『自白の研究』第5章第3節)という点でしょうね。

だとすると"洗脳"的手法も含めてますますカルトとの共通点が増える気が。
一部のカルトはある人に過去に犯した過ちを認めさせることを取っ掛かりとして自分達の教えに帰依させることをしていますし、そして他人を"正しい"道に導いたことに対する喜びが劣悪な環境にあるカルトメンバーの支えの一つとなっているわけですし。
なんというか危なっかしい構造のように思えます。

>どこかを変えようと思えば全体を変えねばならない

実際いろいろと絡み合いすぎて難しい問題ですね。

>本来政治家がリーダーシップを発揮する必要があるのですが……。

あまり票になるとは思えない問題ですからね。
有権者の側の問題も大きいかと。
とはいえここしばらくの流れは変革に向けて動くのにいい状況だったはずなんですが・・・。

apesnotmonkeysapesnotmonkeys 2010/06/16 09:28 Bill_McCreary さん

>っていわれたって、そんなん冤罪でひどい目にあった人間の苦しみをあなたも少しは考えてよと、まあ素朴に過ぎる意見ではありますが思っちゃいます。

取調べ段階だけのことに限っても、取調べる側が本気で「こいつは犯罪者」と思い込んでやるわけですからね。その苦痛だけでも生半可なものではないでしょう。

>というのはもちろん悪いことではありませんが、それが無理筋の捜査や冤罪発生の一因になっているということはもう少し警察も検察も認識してほしいなと警察官でも検察官でもない私は考えます。

警察大学校が浜田寿美男氏を招いて講義をさせた、というニュースがありましたが、
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20100415/309489

> 講義後のグループ討議では第一線の幹部候補から「理屈は分かるが現実問題は難しい」などの意見が挙がり

という反応があったりしたみたいですね。

Gl17さん

>っていわれたって、客観的にそれを裏付けるものもありませんし、それが例外と言えるのは氏の主観の話になってしまうんではないですかね。嘘を言ってるつもりは無いのでしょうが。

それこそ「密室」での出来事ですからね。例外だというなら証拠出せよ、と。

>誰も、大半の事件でおかしな取調べでデタラメが行われてるとまで言ってませんよ。

虚偽自白の問題の核心は、多くの場合真実の自白を導く手法が虚偽自白を導く、ってところにあるわけですしね。
もう一つ、同じ冤罪でも虚偽自白のある冤罪というのは、被害者が「俺が取調べに負けて自白してしまったから……」と自責の念に駆られるだろう点で、より残酷なんじゃないかと思います。

MKMさん

>「警察は真犯人のみを検挙」しなければのであれば時間とお金が必要なわけですが世間はそんなことに大して頓着してくれるわけではないですし。

土本氏の言うところの「国民感情」(2010/06/15 09:30)の問題ですけど、警察自身が「われわれは無謬だ」とアピールしているせいでもありますからね。自縄自縛でしょう。

>だとすると"洗脳"的手法も含めてますますカルトとの共通点が増える気が。

捜査費から裏金捻出、なんてのもいろいろ連想させますね。

>とはいえここしばらくの流れは変革に向けて動くのにいい状況だったはずなんですが・・・。

そうなんですよね。布川事件も再審の日程が決まりましたし。いまやらなきゃいつできるか分からないですからね。

一支持者一支持者 2010/06/16 23:04 ども。ご無沙汰しております。
番組観ていないもので、トンチンカンですみません。

>ただ難しいのは、特に警察官の場合、それが劣悪な労働環境を耐えるモチベーションになっている(『自白の研究』第5章第3節)という点でしょうね。つまり有権者の側にも、「労働基準法、なにそれ?」的なはたらき方を強いているという落ち度はあるわけで。

我が国の場合、身柄を取ったら何が何でも23日間で白黒つけないといけないですからね。調べ官に労基法を遵守させよと言えば、警察・検察が被疑者の長期勾留を可能にするよう法改正を求めてくるのは必至でしょう。そうなるとより一層、被疑者の孤立状態が長期化し、被疑者の負担が増すことになります。

>殺意を認める自白をした時点で死刑へのレールが敷かれはじめたことはまず間違いのないことだ。

これはどうなんでしょうか。番組観てないんで、どういう事件かわからないんですが、公判2回、判決2頁で死刑、ということは、多分、被害者複数で、被告人が完黙しようが何しようが外形的事実見れば殺意ありありだとわかる、ガチガチの死刑相当事案だったんじゃないですか?
もしそうだったら、土本検事(当時)が「殺意を認める自白」をとろうがとろうまいが、とっくに死刑台への道は舗装されていたような気がするんですが。

ApemanApeman 2010/06/16 23:25 こんばんは

> これはどうなんでしょうか。番組観てないんで、どういう事件かわからないんですが、公判2回、判決2頁で死刑、ということは、多分、被害者複数で、被告人が完黙しようが何しようが外形的事実見れば殺意ありありだとわかる、ガチガチの死刑相当事案だったんじゃないですか?

いいえ、違うんです。
http://d.hatena.ne.jp/apesnotmonkeys/20100530/p1
で引用した番組紹介にある通り被害者は一人だけで、被告人には前科もありませんでした。また殺人事件ではなく強盗殺人ですから、最初から殺すつもりだったのかそれとも動転してつい殺してしまったのかは「外形的事実」だけでは自明とは言えません。つまり、普通なら死刑にならないはずの事件です。

MKMMKM 2010/06/17 01:56 >我が国の場合、身柄を取ったら何が何でも23日間で白黒つけないといけないですからね。

そもそも23日間も拘束されることが大問題のはずなんですけどね。
これがあるから引っ張ってきて自白を取ればいい、みたいな捜査がなくならないというのに。
国際的にも批判されているんだから拘束期間を短くすればいいだけでしょう。

>警察・検察が被疑者の長期勾留を可能にするよう法改正を求めてくるのは必至でしょう。

今でも再逮捕を利用して延々とやってますけどね。

一支持者一支持者 2010/06/17 05:24 応答をいただきありがとうございます。

うーん、前科なし、被害者1人の強殺で死刑ですか。凶器の準備状況とかから明らかな計画性が認められたとか、思い切り殺害方法が残忍だとか、よほど何かないと死刑にはなりにくいですよね(判断基準の妥当性にたいする評価は措いといて、ですが)。
なにしろ、顔見知りの老女の居宅に留守中忍び込み、室内を物色していたところ老女が帰宅して騒いだため、老女の頭部をベランダのコンクリートブロックでめった打ちにして殺害した、という事案でも無期だったくらいですからね。

そういうことであれば、たしかに、被告人を死刑台へ送り込んだのは、土本検事(当時)による取調べが「奏功した」結果だ、ということになりますね。

apesnotmonkeysapesnotmonkeys 2010/06/17 09:53 MKM さん

>今でも再逮捕を利用して延々とやってますけどね。

殺人事件でも白々しく死体遺棄でまず逮捕するのが当たり前のようになってますけど、報道する側もなにもコメントしませんからね。

一支持者 さん

>凶器の準備状況とかから明らかな計画性が認められたとか、

しかし強盗ですから脅すために凶器を用意することはあり得るんで、それが直ちに殺人の計画性には繋がりませんからね。自供がない限り。

つうこうにんつうこうにん 2010/06/17 21:09 当番組の再放送があります。
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2010-06-20&ch=12&eid=1918
20日(日)午前10時から。
「あなたのアンコール」枠なので、おそらく、担当ディレクターによる解説が3分間くらい付くものと予想。

apesnotmonkeysapesnotmonkeys 2010/06/17 21:56 つうこうにんさん

ご教示ありがとうございました。

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