サブプライムローン問題の影響で、昨年末から金融機関の融資姿勢が厳しくなったと言われています。
そこで、フルローンやオーバーローンを中心とした取り組みではなく、融資を当てにしない取り組みについて研究しています。その一つがヘラクレス上場企業のスターマイカの投資手法です。
スターマイカは、区分所有(マンションの1室買い)を主力事業にしている珍しい不動産会社です。
従来、不動産会社と言えば事業規模の面から言って1棟ものを対象とするのが当然であり、中古の戸建てを扱う「やすらぎ」も珍しいケースではありましたが、スターマイカは区分所有を専門にしています。
その手法とは、ファミリータイプかつオーナーチェンジかつ都心の物件を購入し、所有している期間は家賃収入を得て、入居者が退去したタイミングで実需向け(マイホーム向け)に物件を売却する、というものです。
ファミリータイプ物件はオーナーチェンジとして値付けされると利回り換算で評価されてしまい、金額が安めになっています。(ワンルームの3倍の面積があっても、ワンルームの3倍の家賃はとれず、せいぜい2倍程度になってしまうため。)
したがって、オーナーチェンジだと割安に購入できる傾向にあります。
しかし、空室になってからマイホーム向けに売却する場合、マイホーム購入者は利回り計算などせず、あくまでも近隣の相場や、新築物件からの割安感でもって購入するため、高めの値付けになる傾向にあります。
この価格差を利用するのがスターマイカの手法です。
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この手法を個人が真似する場合、資金調達をどうするのかという問題があります。この点、スターマイカは上場企業ですので、資金調達の面で優れています。
個人の場合は、この手法を融資利用して行う場合、購入するときは良くても、売却するときに融資の一括返済となるため、金融機関との関係が悪化する恐れがあります。
このような事態を避けるため、売却を前提とするのであれば、融資よりも自己資金を利用した方が金融機関との関係悪化を心配する必要が無く、さらに売却を狙う際に心配の種となる資金繰りの問題を避けることができます。
ただ、融資を使わない場合の問題点は、「資金が寝てしまう」という点があります。
物件を売却するまで、資金が物件に釘付けになってしまうため、大きな事故や事件があった場合に十分に対応しきれない恐れがあります。そのようなリスクを考えた上で取り組む必要があります。
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今から4~5年前、「利回りの良い物件がゴロゴロしていた」と言われていた頃は、金融機関は冬の時代で、倒産するのではないかと言われていた頃でしたので、融資を受けるのが非常に難しい時代でした。そんな中でどのように物件を購入するか、工夫して研究して、購入できた方が結果として良いリターンを手に出来たのだと思います。
そして今、同じような時代が到来しています。
これでまた、金融機関が積極姿勢に転じるまで待っていては、融資は受けられるけれど低利回りの物件しか手に入れられない時代になってしまうでしょう。
融資が借りやすい時代は利回りの低さに苦しみ、利回りが高いときには融資の難しさに苦しむ。常にどちらかが欠ける状態が、数年おきにシーソーゲームのようにやってきます。
今このとき、難しいときにどのような解決方法を見出すかで、チャンスを手に出来る・出来ないが決まってくるのだと思います。