【異色編のその後の深掘り】もう一つの野心
(承前)
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単なるビジネス上のトラブルを超えた政治の匂いがする。
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このことは、10年以上経った今になって、一体何が maki vs 坂井商店のゴタゴタの引き金を引いたのかという問題にもつながりそうだ。
makiのtweetには;
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2017.02.07
多分、総理は友達の作り方を知らない
( *`ω´)
何かあげれば(自分の思い通り)仲良くなってくれると本気で思ってるから私たちの税金を簡単にあげちゃうんだろうな
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というものもあったが、後になぜか削除された。ここに遠因を求める見方もありましょう。閲覧者から弥彦村(or長岡新聞辺り?)にクレーム → 坂井商店にクレーム転嫁 → makiに削除要請 → トラブル勃発、てな感じ??
当初、この考え方に対しては、ツルはどちらかというとやや否定的な見方をしていた。ちょっと迂遠という感じで。
しかし、次のような報道を読むと、全体の様相が変わってくるような・・・
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(2017.03.21 産経新聞)
大阪市の学校法人「森友学園」の国有地取得問題を国会で追及する野党の姿勢などをめぐり、日本維新の会前代表で前大阪市長の橋下 徹氏と新潟県の米山隆一知事が短文投稿サイトの「ツイッター」を通じ、14日から17日にかけてバトルを繰り広げ、注目を集めている。
橋下氏は、同学園の理事長退任を表明した籠池泰典氏との関係をめぐる稲田朋美防衛相の答弁に関し「事実確認もせずに国会で無関係と言い切った稲田さんは政治家としてアウト」と指摘。「(民進党代表の)蓮舫さんも二重国籍問題で全く同じことをやった。稲田さんが辞任なら蓮舫さんも辞任」と批判した。
この投稿に米山知事が反応。二重国籍問題と森友学園問題はそもそも別問題だとした上で「それを言うなら、まず『蓮舫さんの二重国籍をさんざん国会の場であげつらった維新の議員も、同じ論調で稲田さんを追及するんですよね?』と言うべき」と、自民党に協調的な立場をとる維新の姿勢に突っ込みを入れた。
これに対し橋下氏は「僕は蓮舫さんの二重国籍問題では辞任する必要はないと言っている。ちゃんと確認しろ」と怒り、「ほんとこんな頭の悪い知事を持って新潟は大丈夫か。こいつは原発バリバリ推進派。選挙前に転向」と、米山知事がかつて原発の再稼働に前向きだったことを指摘し、揶揄した。
米山知事は黙っていられるかとばかりに「民進党にああだこうだという前に、まずはお友だちの維新の皆さんの一貫性についてご助言されたらいかがですかと言っているんです」とさらに反論。一歩も引き下がろうとしない橋下氏は「僕が米山新潟県知事を口汚く罵る理由は、彼は僕が公人のときにまあ酷く罵ってきた。米山は僕を批判する過程で僕の現住所地をネットで公表した。最低な奴だ」と罵倒した。
米山知事は「公開の登記情報を示す際に、当初住所をマスキングしなかったのは恐縮でしたが、直後にご指摘を受けてマスキングさせて頂いております」とかわした。
〔後略〕
(新潟支局 松崎 翼)
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愚blogにしてはhotな話題ですねえ。宰相夫人の存在にこれほど注目が集まったのは日本の歴史始まって以来のことであらうて。
産経はここぞとばかり責め立てている。
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(2017.05.08 産経新聞)
短文投稿サイト「ツイッター」上での発言が波紋を呼び、記者会見で反省の言葉も口にした新潟県の米山隆一知事(49)が、相変わらずソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)への投稿に励んでいる。
〔中略〕
「この方独自の悪意に満ちた解釈をして現憲法をやたらと貶め、ひいては現憲法下の日本全体をひどく侮辱しているのです」
米山知事は4月21日、フェイスブック上で長谷川名誉教授[引用註:埼玉大学 長谷川三千子]をこう痛烈に批判し、続けて「一体この方のどこが愛国なのでしょう」とこき下ろした。長谷川氏は産経ニュースにも配信された正論の欄で、日本国憲法第9条第2項について「条文通りに守ると、国家の力はゼロになりますから、事実上わが国の主権は消失する。つまりわが国の憲法原理『国民主権』を不可能にしてしまう」として、欠陥条項だと指摘していた。
〔中略〕
さらに、金曜日で知事としての職務中の時間帯と思われる同日午前10時47分には「『憲法9条の改正が必要!!!なければ防衛できない!!!』と言う議論は、実は何の根拠も無く、むしろよほど宗教的思い込みによるものだと思います」という米山知事の書き込みが投稿された。
〔中略〕
同月末[引用註:本年3月末]には中学校の新学習指導要領に銃剣道が明記されたことに「戦前精神論への郷愁でしかない」と投稿し、千葉市の熊谷俊人市長とやり合うとともに、銃剣道関係者らを戸惑わせた。
県政に直接関係のないテーマでの“論争”に眉をひそめる向きは少なくない。県議会3月定例会の閉会後には、県議から「県政を最優先にしてほしい」と苦言を呈された。ツイッター上でも「新潟県知事なのにどうして関西の森友学園の話題とか中央の政治の批判の話をされるのか」との声も上がっている。
〔中略〕
長谷川氏への批判に先立つ4月11日には、民進党に離党届を提出した長島昭久元防衛副大臣=衆院東京比例=の「真の保守政治家を目指す」という言葉に反応。「『真の保守』という言葉に違和感を感じます。猫も杓子も『保守』を掲げる昨今ですが、未曽有の変革期にある日本が今希求すべきは『未来』であり、過去を『保守』する事ではないと思います」とツイッター上で議論を持ちかけた。
これに対し長島氏は「確かな未来は、過去と現在との断絶からではなく、その基盤の上に築かれるものだと考えます」と反論した。SNS上では米山知事の意見に「同感です」と同調する声がある一方、「政治学上の保守ってそういう意味ではないと思います」と否定的なコメントも寄せられ、米山知事は「ではどういう意味ですか。結局昔が好きだと、そういうことではないんですか」と、やり返す場面もあった。
確かに「反省」後は県政に絡む話題の投稿が増えている。とはいえ「娯楽といったら何ですが、私は議論好き」と公言する米山知事が、県政以外の話題への発言を控える気配はない。4月15日には、北朝鮮に関する百田尚樹さん[引用註:作家]の過激な表現のツイートを見逃さず「もはや危険人物でしょう」と断言した。
県政と関係のない投稿で軋轢を招くような事態が再発する懸念は、消え去らない。ツイッターの発言が注目されて県外でも知名度を上げつつあるとはいえ、投稿が新潟県知事として「立場をわきまえた」範囲に収まる内容なのか、県民は注視している。
(新潟支局 松崎 翼)
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あのね。政治的な立場の違いは、結局は妥協し合えない問題であろう。でも、そんなところを客観的に捨象してもだね。産経新聞の記事の論理の運び方の弱さ、そこを補おうとするかのような枝葉の繁らせ方はいつも気になる(くどいけど、政治的立場はおいといて、ですよ)。まともに意味を追っていく気があんまり起きないというか。
ま、それはそれとして、どっちもどっちのさがなきおっさんたちのしつる口喧嘩である(ツルは面白がっているのではない。早うやめなはれ)。しかし、この騒動が弥彦村の政治情勢に「軋轢を招く」ことがなかったと断言できるか。
もともと米山は自民 → 維新 → 民進(2016年3月結党)と所属しており、2016年10月の県知事選に際し、共産・生活・社民ほかの要請を受けて民進を離党の上で立候補し、結局は民進や維新の幹部も応援に入って初当選したという経歴。その維新は、橋本を求心力とする大阪系が2014年7月に脱けているから、しこりはいろいろあったろう。そこへもってきて、自民の親分の嫁問題がどんどん大きくなってきてガタピシが再燃したのかと。
で、火種はとにかく消そうとする力が自己規制的に働いて、makiのTwitterにまで累が及んだとも言えそうなわけです。如何。
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