こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。
獣医学部の開設は規制緩和だから正しいのだ、問題はない、とする経済学者たちの主張には、ものすごい違和感をおぼえます。彼らは論点をすり替えることで問題を無効化しようとしています。
どうやら彼らは、規制緩和の味方をする自分たちが進歩的な学者で、自分らを批判してる連中こそが既得権にしがみつく守旧派の悪者だと印象づけたいようです。まさにそこがヘンなんです。だって、獣医学部を作るな、なんて批判をしてる人はいないんですから。いや、獣医のなかにはいるのかもしれんけど、一般の人たちにはいませんよ。そもそも加計問題に批判的な一般人の大半は、規制緩和には賛成だと思いますよ。私も規制緩和には大賛成です。
じゃあ、なにを問題としてるのかというと、規制緩和を求められている数多くの候補のなかで、なぜ獣医学部が最優先で選ばれたのか。その理由を聞きたいのに説明してくれないから、みんなムカついてるんです。説明がないところに、理事長と総理がおともだちだといわれたら、ああそういうことですか、と普通のオトナなら100人中100人が想像しますよ。
なのに経済学者たちは、優先順位の説明をすっとばして、選考過程に問題はなかった、と、誰も求めてない説明ばかりしています。
これまでも規制緩和の重要性を説く経済学者は星の数ほどいました。そのなかに、日本経済回復のためには獣医学部の規制緩和が効果的だから、何よりも優先すべきだ、なんて主張してた経済学者がどれだけいました? 私はそんな意見、聞いたことがありません。
一般生活者のシロウト考えでいえば、獣医学部の規制撤廃なんかより、たとえば、農水省の天下り団体が独占してるバターの輸入規制をいますぐにでも撤廃してくれれば、何年も続いてるバター不足と価格高騰という身近な問題を即、解決できるんじゃない? って考えちゃいます。バター不足で苦労してるパン屋もたくさんあると聞きます。ああ、だからパン屋は和菓子屋に商売替えしろって文科省は勧めてるのか。
いま私はわかりやすい例としてバターをあげましたけど、べつのものでもいいですよ。他に求められている数ある規制緩和よりも、獣医学部の開設をなぜに最優先しなきゃいけないのか。政府を擁護してる経済学者のみなさん、シロウトにも納得のいくよう、説明していただけませんかね?
[ 2017/07/11 21:13 ]
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