月収5万の超ブラック企業が潰れた時「よかった」と思ったんですけど、そこの従業員数名が全く同じ形態の会社を複数起業して、私に勧誘の電話をして来たときが最大の修羅場でした。ブラック起業は分裂し続けるんですよね。
— ハルオサン@はてなブログ (@keikubi123) 2017年7月8日
このツイートが少し話題になったので、
私の務めたクソブラック企業が増殖し続ける理由を
少しお話させてください・・・・・・。
私が約3年間務めた、
毎月の給与が5万程度のクソブラック企業が倒産した。
(よかった・・・・)
寂しい気持ちもありましたが、
正直、ホッとしました。
どのぐらいのクソなのか?と具体的に申しますと。
🔻クソブラック企業の内容一覧
仕事は飛び込み営業。
健康食品やチケットを売り歩く仕事。
①個人事業主扱い(正社員ではない)
②完全歩合制度(固定給が無い)
※1件千円程度の報酬:月に5万稼げればむしろ有能
③月の休みは2日程度
※土曜日出勤:日曜日も会社のイベントに強制参加
④交通費は出ない。
⑤社用車が無い
※移動は自家用車
⑥1日14時間の労働
・・・とまぁこれはクソのほんの一部ですが、
これよりヒドイ会社はそうそう無いんじゃないか?
とそう思います。
「ブラックは全部潰れろ!」
なんていう安易な事は思いませんが・・
さすがにこんなクソブラック企業は、
無くなった方が世の為だ。
と・・・・思っていたら
なぜかこのクソブラック企業が潰れたら、
クソブラック企業が5件に増えてしまったのです。
まぁ今回はそんな増殖するブラック企業の
他愛もない話をさせて下さい。
私がクソブラック企業を辞めてから半年程経過した、
ある日の事、昔の同僚A君からこんな電話がありました。
A君:「実はこんど会社から独立する事が決まってさ・・
良ければお前も一緒にどうだ?」
ビックリしました。
それは「絶対にありえない話」だからです。
確かに社長は、よくみんなに、こんな話をしていました。
「仕事を頑張れば、いつか独立を支援してあげるよ!」
これは「まともな給料」等の
真っ当な待遇を与えられない会社がよくやる手で、
「今は給料が安いし!仕事もキツイ!だけど、
いつか独立出来るから頑張ろう!」
そんな夢ややりがいの話で釣って、
劣悪な環境で働かせるのです。
ブラック企業あるあるですね。
ハイ、
社員は奴隷同然、実際は独立などさせません。
なぜなら、独立を支援して、
もし失敗したらトラブルになりますよね?
独立させた子がもし失敗したら?
今まで「独立させるよ!」とうまい話をして、
自分に付いてきた従業員からの信頼も失いますよね?
独立する際に社員の引き抜きも考えられます。
わずかなお金を独立先から、
徴収するのかもしれませんが・・・
このクソブラック企業の場合、
自分の会社から、従業員を独立させても
殆どメリットが無いと思うのです。
生かさず、殺さず、
手元に置いておいて飼うのが定石なのです。
まぁだからわたしは・・・
このA君の独立の話を聞いてピンッときました。
(社長・・・逃げる気だな・・)と
案の定、社長は会社を潰し、
県外でまた別のクソブラック企業を経営し始めました。
まぁそんなクソ経営をしていたので、
地元ではトラブルを起こしすぎていて、
もう、まともに経営出来なくなっていたのです。
(人が集まらない)
だからA君に別の会社として独立させて、
残っていた従業員等の責任を押し付けて逃げたのです。
最後の最後まで真っ黒でした。
これでまずクソブラック企業が2件に増えたワケです。
このA君のケースは特殊ですが、
クソブラック企業が無くなった後、他の元従業員達も
「夢を諦められない!」
とかなんとか言って、独立する人が後を絶ちませんでした。
独立・・・・夢・・・・・・
そんな風に言うと聞こえは良いのですが・・・
実際は夢とか、そんなキレイな話ではありません。
元従業員達は就職をしたけどうまくいかず、
「それなら起業する!」という形になっただけなのです。
こういう究極のブラック企業に務めていた人間の
その後の離職率は高かったです。
ある者は建築現場に就職、
しかし数週間で即退職。
ある者は営業会社に就職、
しかし初日に
(ここはオレのいる場所じゃない)と失踪。
彼等はその後、クソブラック企業を立ち上げました。
みんな厳しいクソブラックの仕事に
長年耐えた猛者達です。笑
なのになぜ普通の会社の業務に耐えられないのでしょうか?
それは、
ブラック企業をというモノを深く追求していくと
「従業員を凄く大事にする会社」になるからです。
もちろん先程お話したとおり、待遇は最悪です。
でも社長や上司や同僚から物凄く優しくされるのです。
手厚く手厚くもてなされるのです。
「よくがんばったね!」「一緒にがんばろうね!」
なんて言葉を毎日毎日かけてもらえるのです。
良いことをすれば「素晴らしい!」と
とことん褒めてもらえるのです。
・・・・・給料やボーナスを与える代わりに、
クソブラック企業は別のモノを与える事にしたのです。
それは・・・・ 居心地の良いぬるま湯のような場所・・
つまり究極のブラック企業とは
究極の居心地のよさを追求した会社なのだと思います。
だからどんなに待遇が悪くても、
長年続ける人がいるのです。
(私も3年務めましたが)
では・・・・待遇は悪くても、仕事はキツくても
そんな居心地の良い場所に居続けた人間は、
どうなると思いますか?
もう普通の企業では働けなくなってしまうのです。
上司からの叱責、嫌味。
やる気の無い同僚の愚痴・・・・・・・
やりがいの無い仕事・・・・
そんな普通の企業ある普通の事が耐えられなくなるのです。
そして、みんなクソブラック企業を辞めた後、
本当の現実を突きつけられる事になります。
年老いて、貯金も無い。
まともな所に就職しようにも、
何の資格や経歴も無い自分。
彼等はその現実に耐えられないのです。
「自分は立派な人間だ」
「価値のある仕事をしている」
クソブラックにそう教え込まれてきたのですから。
もちろん普通に就職して働く人もいましたが・・・
中には死ぬ者もいました。
引きこもる者もいました。
周りの誰も、
彼らのそんな心を理解してはくれません。
そして唯一彼等の心を救えるのは、
「起業して成功する」なんていう幻想だけなのです。
だからクソブラック企業が潰れた後も、
起業する人間が後を絶たなかったのだと思います。
もちろん彼らが起こす会社というのは、
長年自分達が携わってきた、
お金をかけず、
従業員を奴隷のように扱い搾取する、
クソブラック企業です。
あれほど自分達が苦しめられたハズなのに・・・・。
被害者がいつの間にか加害者になっているのです。
これはまるで病気のように思えます。
こうして究極のクソブラック企業は、
増殖(感染)し続けるのです。
このようなモデルの会社やその亜種は少なくありません。
恐らくまだ数百社日本に存在すると思います。
私の知ってる系列だけでも、
数年前の日本に90社以上存在しておりましたので・・
どうすれば彼らを救うことが出来るのでしょうか?
この記事で少しでも多くの人が
クソブラック企業に搾取される事無く、
幸福に働ける事を願っています。
これは増殖のほんの一例ですが、
クソブラック企業が倒産後、
「このモデルをうちでもやりたい!」と言って、
従業員を引き抜いてワザワザ始める会社さんもありました。
・・・・まぁ長くなるので、
ここで一旦話を終えさせて下さい。
読んで頂いてありがとうございました。
おしまい