JPモルガンのダイモン氏:QE巻き戻しで想定より大きな混乱も
米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン会長は、中央銀行による債券購入プログラムを巻き戻すのは前例のない難しい作業であり、人々が考えているよりも大きな混乱をもたらす可能性があるとの見方を示した。
ダイモン氏は11日パリでの会議で、「このような量的緩和(QE)は過去に例がない。このようなQEを巻き戻した経験もない」と語った。「従って、これがリスクを意味するかもしれないことは明らかだ。かつて経験したことがないからだ」と指摘した。
Jamie Dimon in Paris, July 11.
Photographer: Marlene Awaad/Bloomberg
米国を先頭に、世界の金融当局は大規模な資産購入プログラムを巻き戻す準備をしている。米当局だけでも保有資産は4兆5000億ドル(約514兆円)規模に膨らんでおり、当局は長期金利を大きく動かすことなく保有債券を圧縮したい考えだ。
ダイモン氏は「これが規模や量を伴って行われれば、人々が考えているより少し大きな混乱をもたらすかもしれない」と述べた。「われわれはどのように進展するかを正確に知っているかのように行動しているが、実は分からない」とも指摘した。
中銀は確実性を与えたいだろうが、「不確実な物事を確実にすることはできない」と語った。また、ここ10年に国債の主な買い手だった中銀と金融機関、外為運用者が売り手に転じるだろうとして「これまでとは大きく異なる環境の中でやっていかなければならない。潮目の変化だ。潮は引いていく」と述べた。
原題:Dimon Says Unwinding QE May Be More Disruptive Than You Think(抜粋)
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