こんにちは。
美容室経営をしている北原といいます。
僕は小学生の頃からずっと落ちこぼれで、友達は一人ももおらず、学校の勉強にもついていけませんでした。
そんな僕は社会人になっても落ちこぼれつづけ、先の見えない将来に強い不安を感じていました。
ところが、たった1つの魔法の習慣で人生がガラリと変わり、3年で当時働いていたお店の店長に就任するまでになりました。
ここでは、その時の話をお伝えさせていただこうと思います。
何かに行き詰ったり、将来に漠然とした不安を抱えている人たちの力になれれば幸いです。
学生時代の僕は
絵に描いたような落ちこぼれだった
・成績は下の下
・友達ゼロ
・コミュ障
・ネクラ
父親の都合で小学生から転校を繰り返し、「どうせすぐ転校するから」と友達をつくらず、勉強もついていけなくなっていた。
「どうでもいい」
当時の僕の口癖だった。そして、自分の殻に閉じこもっていった。
そんな僕にも1つだけ居場所があった。
それは当時流行っていたオンラインゲーム。インターネット上で、見知らぬ人と会話しながらゲームを楽しむバーチャル空間だ。
学校での自分を忘れさせてくれる友達もいる
そう思って、ゲームにのめり込んだ。
学校で寝て、家に帰り、朝までゲーム。こうした学生生活は、僕なりに充実していた。永遠にこんな毎日が続けばいいと思っていた。
高校卒業のタイミングで就職と進学の2択を迫られた。
「勉強はしたくない」
「就職して働くのもいやだ」
そんな僕は、理美容専門学校に進学するという素晴らしい解決策を思いついた。
表向きの理由はなんとなく「カッコいいんじゃないか」と思ったから。
本音の部分では
「大学まで行って勉強したくない、でも今すぐ就職して働きたくない。じゃぁとりあえず専門学校でも行っとけ」
という、ある種の現実逃避に近いものがあった。
もちろん、しっかりと志を持って専門学校に進学する人たちが大半だと思う。
けれど、僕の場合は完全に”逃げ”だった。
そんな動機で始まった2年間の専門学校生活は、あっという間に終わった。
オンラインゲームに明け暮れ、相変わらずリアルな友達はできず、成績は下の下で目も当てられなかった。
落ちこぼれは社会人になった
専門学校を卒業するころには、さすがの僕も就職せざるをえない状況に追い込まれた。
そして、たまたま運良く内定をいただいた地元の理美容室に就職した。
社会人になったからといって、すぐに生活態度が改まるわけはない。
同じ年に就職した同期たちが夜遅くまでカットの練習に励む中、僕はロクに練習もせず即帰宅し朝までゲームをする生活を続けた。
そんな生活を1ヶ月ほど続けたある日、社長に声をかけられた。
返す言葉がなかった。
社長の視線は氷のように冷たかった。
同期は僕から目をそらし、腫れものに触れまいとして黙々と練習していた。
その様子は妙にリアルだった。
現実世界に一気に引き戻された。
心拍数が上がり、血の気は引き、それまで感じたことのない寒気を感じた。
周りは毎日努力してどんどん成長してる。
けど僕の成長はずっと止まったままだ。
本当に何もしてこなかった。
もしこのまま何もせず月日が流れたら、、、そう考えると怖くなった。
僕は遅れを取り戻すことにした
心を入れ替え、人並みに練習もするようになり、カットや販売の技術を磨くために、自腹で本を買ったりセミナーに行ったりするようにもなった。
けれど、その程度で周囲に追いつけるほど、世間は甘くなかった。
僕が一歩進むと、周りも同じように一歩進む。
みんなの背中は、近いようで遠かった。
けれど、何かが足りない。。。
そう思いつつも、何が足りないのかわからず悶々としていたある日、僕は1冊の本に出会った
1冊の本との出会い
たまたま立ち寄った本屋で、導かれるように手に取った1冊の本。
それは、講演家・中村文昭さんの本だった。
今思い返しても、なぜあの時その本を手にしたのかわからない。
けれど、そこには僕の生き方を大きく変えるヒントが詰まっていた。
中でも僕にとって衝撃だったのは、中村さんが若い時に師匠に教えてもらった、あるルールだ。
1. 返事は0.2秒
2. 頼まれごとは試されごと
3. できない理由は言わない
4. そのうちと言わず今できることをやる
この4つを常に心がけ、頼まれごとは即決で引き受ける。
そして、引き受けたことは、相手の期待を超えるレベルで返していく。
これを続けると物事がどんどん良いほうに動いていく、と本には書かれていた。
・・・
・・
・
これだっ!
僕は直感し、心臓が高鳴った。
正直なところ心のどこかに「本当かな?」という気持ちもあったかもしれない。
けれど「そのうちと言わず、今できることをやりなはれ。返事は0.2秒」と、中村さんに背中を押された気がした僕は、即決でこの教えを実践することにした。
言われたことは気持ちよく「ハイ!」
そして、相手の期待を超える
その日から、僕は自分を変えた。
頼まれごとはもちろん、誰に何を言われても気持ちのよい返事で、しかも即決で「ハイ!」と答えるようになった。
与えられた課題には、相手の期待をはるかに超えるレベルで返していった。
僕は1日のトレーニング時間を6時間に設定し、毎日欠かさず続けた。朝5時まで練習することもしばしばあった。
その日のうちに読み終え、学んだ箇所に付箋を貼り、読書感想文を添えて翌朝に返却した。
営業時間中は時間が取れないので、休日に早起きし、頼まれた場所とその周辺の草をたった一人で全部抜いた。
相手の期待を超えるために、僕は極端なくらい行動した。
そして、快進撃がはじまった
一般的に美容業界のキャリアは、アシスタント→スタイリスト→店長とステップアップしていく。
僕は当初、1年目でアシスタントとして働いていた。
アシスタントはお客様の髪を切れないから、シャンプーなどの商品を販売しないと売り上げが作れない。
僕は社長に相談した。
僕はお店の商品を全部買って試した。
総額5万円の自腹購入は、当時手取り15万円の僕にとって安くはなかったが、身銭を切って試すうちに、店内の誰よりも商品に詳しくなった。
お客様目線で良い点と悪い点を語り、僕の体験談を交えながら、お客様の要望にあった最適な商品を提案したところ、多くの人が買ってくれた。
僕は1年目で、しかもアシスタントにもかかわらず、商品の売り上げが店内でナンバー1になった。
商品販売を通してお客様の信頼を積み上げていった僕は、次第にシャンプー以外のことも相談されるようになった。
すると、
どうして切らせてあげないの?
という声が、お客様の方から上がるようになった。
僕が店内の誰よりも多く練習していたこともあり、社長は1年目の僕をスタイリストに昇格させた。
普通、スタイリストになるのに3年はかかるところ、1年目でなるのは驚異的なスピードだった。
日頃から返事をすぐにし、できない理由を決して言わず、相手の期待を上回り続けたことで、
2年目にはスタイリストとしての売り上げも店内でナンバー1に。
3年目には社長から
と言っていただき、
と即決で答えた。こうして僕は、店長に就任した。
たくさんの先輩社員がいる中で、異例の大抜擢だった。
期待を超える行動が、僕の進むべき道を切り開いた
あれから紆余曲折を経て、僕は独立し、小さな美容室を6店舗経営している。
自分の美容室を作ってからも、お客様やスタッフ、周りの人たちの期待を超える努力を続けている。「北原に頼んで良かった」って、心の底から思ってもらいたいから。
こうした話をすると、「それ、北原さんだからできたんだよね」とよく言われるけれど、絶対にそうじゃない。
僕は落ちこぼれだったし、世の中には僕より能力のある人の方が多いと思う。
にもかかわらず、こうしてやってこれているのは、社会人1年目で○○に気づいたからだ。
それは、
何を頼まれても、気持ちの良い返事で「ハイ!」と答え、
相手の期待を全力で超えること
これこそが、たとえ今がどんな状況でも、困難を乗り越え、パワフルに前進できる魔法の習慣だと、僕は信じている。
この習慣を身につけてからは、周りの人たちが進むべき道を用意してくれるようになった。
そして、僕はその道を全力で駆け上がっていった。
今の僕は、昔の僕からは想像もできないような高いステージで、新しいことに日々挑戦している。
毎日がとても刺激的でワクワクに満ちあふれ、充実している。
もしあなたが今、何かに行き詰っていたり、将来に不安を抱えていたりしているのなら、ぜひ魔法の習慣を試してみて欲しい。
まずは一番身近な”自分”の期待を小さく超えることから始めてみよう。
その小さな一歩は、きっと、あなたの中の歯車を静かに回し始めるから。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
北原孝彦