内閣府の河内隆事務次官は11日、学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐる経緯の記録が所管の内閣府に残っていなかったことについて、「公文書管理という点については、いろいろ反省すべき点はある」などと述べた。

 次官就任の記者会見で語った。河内氏は「反省点」として、獣医学部新設を議論していた国家戦略特区ワーキンググループの「議事要旨の公開が遅い」ことや、「交渉過程の記録が十分に残されていない」「調整に丁寧さが足りなかった」と列挙。「特定の利害ではなく、常に国民全体の利益を基本とする。国民目線に立ってエビデンス(証拠)ベースでの課題解決に全力を尽くす」と強調。「説明責任を果たし、政策の信頼性を確保したい」と述べた。

 国家戦略特区に獣医学部をつくる事業者が加計学園に絞られた経緯について、内閣府は「内部の議論だったので記録は取っていない」と説明。同様に獣医学部新設をめざしていた京都産業大が選ばれなかった理由が検証できず、批判が出ている。(関根慎一)