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2017-07-11

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・ほんとうのほんとうのことを言うと、
 ぼくは記念日とかについて、あんまり頓着がない。
 よく、結婚記念日を忘れて責められる夫とか、
 はじめて会った日のことを憶えている恋人たちだとか、
 日付についての、いろんなエピソードを聞くのだけれど、
 ぼく自身は、あんまり憶えてないし、意識もしてない。
 そういうことで人を怒らせたこともなかったので、
 そのまま年を重ねてきてしまった。
 薄情だとか、冷たいとか、特に言われたこともないが、
 分類されたら、そっちに入れられるのだろうな。

 ほんとうは、それでも忘れない日がある、と、
 続けられたらいいのかもしれないが、そうもいかない。
 どういうことについても、テーマは日付じゃないよ。
 日付なんて、たいして変わりはない。ぼくは、そう思う。
 数字を目印にし過ぎなんじゃないか、と思うのだ。
 富士山を見たときに、標高3776メートルって思うか?
 「おおお!」でいいんだよ、数字なんか知らなくても。

・たとえば、7月10日。
 新しく「ほぼ日」のなかまになる人と、話をした。
 たがいの興味や、いままでしてきたことを話すだけで、
 ずいぶんおもしろいものだ。
 8月か、9月にお目見えする
 「ほぼ日手帳」の紹介ムービーの打ち合せ。
 こんなふうにやりたいというコンテを見せてもらったが、
 なんだかとてもかわいいので、これでいこうと言った。
 あと、ミーティングがふたつみっつ。
 細野晴臣さんのコンサートがあるので、浅草公会堂へ。
 前座が、細野さんのまねをする清水ミチコさんの弟さん。
 清水ミチコさんも登場して、濃い前座だった。
 あ、入場の前に「王さまの餃子」を食べた。
 夜は生クリームを買ってきて、バターをつくった。
 巨人とヤクルトの試合を録画で見ながら、仕事をする。
 すべてのことは、ミックスジュースのように、
 混じり合い溶け合い、昨日にも明日にもつながっている。
 うれしいだの悲しいだのさみしいだのの感情も溶けてる。
 これは、「たとえば7月10日」だったのである。
 そして、今日「たとえば7月11日」もはじまっている。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
日付なんて気にしてないと言いたがるのは、やや怪しいね。


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