図書館を市民活動の力に 京都「チーム・シラベル」本格始動
京都府内の公共図書館の蔵書や資料を使って、まちづくりや市民活動に携わる人たちの調査を支援する司書やNPOスタッフらのグループ「チーム・シラベル」の活動が、本格化しつつある。9日には京都市右京中央図書館(右京区)で、地域の歴史文化を活性化に生かそうとする上京区・滋野学区の住民らをサポートした。
シラベルは、府職員がNPOや住民と協働して事業や施策づくりを進める府の「地域力再生プラットフォーム」の仕組みを使い、昨年発足した。多くの情報の中から調べて得た知識をラベル化(表示)し、活動の目標や根拠となるデータとして共有する手法から名付けた。府の府民力推進課と府立図書館に事務局を置き、メンバーは自治体職員やNPOスタッフ、会社員、学生ら約20人。
右京中央図書館での調査は、滋野学区の住民ら約20人が参加した。平安時代からの名水「滋野井」で使われていた井桁が来年春、学区の公共施設に移設される。地域の新たなシンボルとなることから、住民は滋野に関する地名・地図、水と川の文化、水を使う商売、歴史と人物、井戸の技術-の5班に分かれ、調べた。
レファレンス(相談・調査)を担当する司書らが地域資料を事前に用意したり、参加者の相談に応じたりして計160冊の資料を提供した。調査後、滋野団体連合会の船野道弘会長は「発見が多く、地域をもっと知って活動しようという意欲が湧いた」と言い、シラベルと連携した同館の松村淑恵図書課長は「参加者の興味が広がり、突っ込んで調べられるので、対応する司書も勉強になった。地域の人々が一緒に活動しようとする時に、図書館を活用していただけるのはありがたい」と話した。
シラベルはこれまで、亀岡市立図書館と共催で2月に「市民活動をレベルアップするための実践講座」を開催。7月26日にも亀岡市の小学校高学年の児童向けに「亀山城探検隊」(要申し込み)を予定している。
【 2017年07月11日 11時50分 】