私は27歳で結婚し29歳で出産をしました。
結婚後もフルタイムで働き続けていたため、いつかは妊娠したいなという希望はありましたが、忙しい日々が続いていました。
そんなある日、突然体がだるく感じたのです。
慣れない家事と仕事の両立のしわ寄せがきたのだと思い、数日休んでいたのですが、だるさはとれませんでした。
風邪のひき始めの症状にとても似ていたのですが、私は薬を飲むことは控えました。
なぜならば、もしかしたら妊娠しているのではないかと思っていたからです。
生理予定日になっても生理がこなかったとき、妊娠しているかもしれないという希望は確信へと変わっていきました。
ただ、私の中で想像とは異なった感情が湧き上がってきたのです。
一般的に妊娠の可能性があると感じた時、喜びの感情でいっぱいになるのだと思います。
しかし、私は喜びよりも恐れと不安でいっぱいになったのでした。
それが、出産という一大イベントに対する恐れなのかはわからなかったのですが、自分の体の中に自分ではない人間が入っていると思うと、奇妙な感覚に襲われたのです。
その後すぐに産婦人科を受診しましたが、まだ胎嚢の確認がとれるような週数ではないということでそのまま帰されました。
通常なら、そんなことはたいしたことではないのですが、妊娠の可能性が出てきたとたんに感受性が強くなってしまい、「私の妊娠が受け付けてもらえなかった」と感じてしまったのです。
私は、再び同じ産婦人科を訪れることができず別の産婦人科を受診しました。
すでに妊娠5週目で胎嚢の確認をすることもができました。
ところが、検診を終えた後に看護師から「ここでは分娩ができないから、早めに出産できる病院を探してね」と言われたのです。
やっと妊娠が確定したと思ったら、今度は産める病院を探さなくてはならなくなったのです。
看護師は、周辺の産婦人科をいくつか教えてくださり、電話番号まで書いてくれました。
しかし、帰宅してすぐに電話をかけてみても、どこの病院もすでに予約がいっぱいで産めないということでした。
結局、最初に受診した産婦人科へ戻り、無事に出産をすることができました。
妊娠は、確定してから準備を始めたのでは遅いことがたくさんありました。
つわりは思っていたよりも早く始まり、始まってしまうと思うように体は動きません。
妊娠の可能性や予定があるならば、とにかく早め早めの準備をしたほうがいいと感じました。