『Final Fantasy XII: The Zodiac Age』海外レビュー
『Final Fantasy XII: The Zodiac Age』の海外レビューです。
- ジャンル:RPG
- 機種:PS4
- 開発:スクエア・エニックス
- 販売:スクエア・エニックス
少しでもRPGが好きなら、『The Zodiac Age』は注目すべき古典だ。
・半自動にもかかわらず引き込まれる革新的な戦闘システム
・傑作を更に改善する新たなフィーチャーやオプション
・豊かなバックストーリーを備えた、印象的なプレーアブル・キャラクターたち
・新たなレンズを通して見事に描かれる『Final Fantasy』の古典要素
悪い点:
・不必要に感じるガンビット・システムの遅い導入
・序盤は手に余る名前や地名
リマスター要素も既存ファンに全く新しいゲームを提供するには至っていないものの、『The Zodiac Age』はそれでも爽快なゲームだ。100時間を超える可能性のある体験ではあるが、細かな調整が『Final Fantasy XII』の壮大な冒険に新たな観点をもたらしている。壮大で伝承に満ちた物語と実績のあるガンビット・システムは、イヴァリースへの最初の旅路を逃した人にアピールするはずだ。新たなオーディオとスピード・オプションのお陰で、『The Zodiac Age』はオリジナルを全面的に改善した理想的な決定版となっている。
グラフィック: 改善されたビジュアルとパフォーマンスのお陰で、記憶よりも綺麗に
サウンド: 素晴らしい声優の演技がキャラクターたちに命を与えている。壮大なサウンドトラックも上手くフィット
プレー性: 一つの大きなライセンス・ボードではなく、より焦点を絞り簡略化したジョブ・ボードを通じて新能力を取得していく。ガンビット・システムは相変わらず序盤は手に余るが、複雑さを学ぶ価値はある
エンターテイメント性: 物語は政治的陰謀に偏り過ぎているものの、キャラクターたちや戦闘のお陰で印象的な旅路に
リプレー性: 高め
『Final Fantasy XII: The Zodiac Age』は優れたリマスターだ。コンテンツ自体は変わらないが、様々なシステムへの変更が新たな発見をもたらしている。つまり、古くからのファンも追体験できるし、新参者(もしくは旧メカニックが苦手だった人)も古臭い冒険に囚われたように感じずに済むのである。全てが現代に通用しているわけではないが、巧妙な戦闘と素晴らしいキャラクターたちのお陰で古典RPGとなった本作をプレーする最善の手段は、この『The Zodiac Age』なのである。
・戦闘スピードの増加
・深みを加味するゾディアック・クラス
・素晴らしいロード時間
悪い点:
・昔のカメラ問題が健在
・ムラのあるオーディオ・クオリティ
『Final Fantasy XII: The Zodiac Age』は、優れたリマスターに恵まれた名高い古典と肩を並べる出来で、土台を変えずにオリジナルを向上させている。
・最高の物語とキャラクターたち
・大幅に改善されたビジュアル
・素晴らしいオーディオとサウンドトラック
・大幅に改善されたゲームプレー
悪い点:
・ディテール不足なカットシーン中のクロースアップ
『Final Fantasy XII: The Zodiac Age』は、優れたリマスターを生み出す全体的アプローチの見事なお手本だ。ビジュアルを最大限改善しただけのいつものリマスターではなく、オリジナルの強みと弱み、現代のリソース、過去と現代の客層を考慮した重要な改善や追加要素を、オーディオやゲームプレーに加えている。『Final Fantasy XII: The Zodiac Age』は、新参者と既存ファンの両方がプレーする価値のあるリマスターである。
サウンド: リマスターされたサウンドトラックは必聴で、なかでもボスのテーマ曲は突出している。日本語音声の収録も嬉しい
インターフェース: ライセンス・ボードはアイコンのごった煮で、必要以上に煩雑で分かりにくい。それ以外のインターフェースは問題ない
『Final Fantasy XII』は今回私を虜にすることに成功した。スクエア・エニックスの素晴らしいリマスターのお陰だ。発売当時にプレーしなかった人は、今こそ過小評価されたこの傑作に第二のチャンスを与えるべきだ。
・過小評価された古典に与えられた第二のチャンス
・キャラクターの差別化に役立つジョブ・システム
・驚異的なビジュアルとサウンド
悪い点:
・オリジナルの欠点が残存
『The Zodiac Age』は、グラフィック向上や遠大なサウンドトラック、ゾディアック・ジョブ・システムの追加によって、『Final Fantasy XII』のポテンシャルを最大限引き出している。
・壮大なSFファンタジー・ストーリーライン
・スピーディな戦闘
・革新的なシステム
・素晴らしいプロダクション・デザイン
悪い点:
・古臭さを感じさせるグラフィック
・制限のある成長システム
スクエア・エニックスはこのリマスターで奇跡を起こしたりはしていないが、『The Zodiac Age』は『FF』の傑作をこれまでになく磨き上げている。かつて熱心なファンを激怒させた戦闘と成長システムの不快さは時を経ても緩和されていないが、それがシリーズの他の作品にはないテンポや感触を与えている。『FF13』よりすぐ楽しくなるし、時代を考えると驚くほど革新的で先進的だ。10年前にプレーしなかった人は、今こそチャンスである。
・驚異的なビジュアルとオーディオのアップグレード
・巻き戻しボタンとマップ切り替えは文字通り神からの贈り物
・メイン・クエストからの気晴らしになる楽しいトライアル・モード
・現代にも通用する魅惑的な物語
・徐々に戦略性やカスタマイズ性を広げる改善されたジョブ・システム
悪い点:
・改善されてはいるが、テンポの悪い作業感のあるセクションはそのまま
・改善されていないリップ・シンク問題
・オリジナルが嫌いなら本作も気に入らないだろう
『Final Fantasy XII』のゲームプレーが我慢できないほど嫌いだった人は、『The Zodiac Age』に施された改善も不十分だろう。しかし、このリマスターがデザインに施した重要な変更のお陰で、よりプレーし易いゲームになっている。『Final Fantasy XII』の決定版であることは疑いようもなく、広大なイヴァリースの世界に舞い戻る最高の理由となっている。