発達障害がある子どもの中には、授業中当てられてもいないのに勝手に発言してしまったり、友だちと一緒にいる場面で、自分だけ一方的に話し続けてしまったりすることがあります。
人の話を聞かなかったり、別の人が話している途中なのに割り込んで自分の話をしてしまうこともあるため、「自分勝手な子」と思われ、友だちとの人間関係にも影響が及びます。
こういった一方的に話し続けてしまう子どもには、どんな対応策があるでしょうか。また、どうして一方的に話し続けてしまうのでしょうか。
「一方的に話し続けてしまう子ども」の原因と対策についてまとめていきます。
「一方的に話し続けてしまう子」の原因は?
一方的に話し続けてしまう原因として、2つのことが考えられます。
1.状況を判断する能力が低い
周りの状況を判断する能力が低いため、一方的に話し続けてしまうパターンです。それによって友だちが不快な思いをしていることにも自分では気付きにくく、コミュニケーション上の問題にもなります。人と円滑に接する為に必要なソーシャルスキルを身につける必要があります。
2.衝動性がある
「授業中は勝手に話してはいけない」というルールは理解できているのですが、実際に話したくなったときには、話してしまっているパターンです。衝動性があり、ルールを守ることが難しいといった特徴を持っています。友だちが話しているときにも、気付いたら友だちの話を遮って自分の話したいことを話してしまう場合もあります。
「一方的に話し続けてしまう子」への対策は?
1.「会話のルール」を教える
自分のことだけを一方的に話していたり、相手の話をきちんと聞いていない様子に気付いたら、「○○ちゃんも聞いてほしいことがあるみたいだよ」と教えるようにします。家族内の会話でも、「話を聞くときは相手の目を見る」や、「会話に入りたいときは一言断ってから話す」などの「会話のルール」を教え、家族みんなで守り合うと良いトレーニングになります。
2.ロールプレイで「聞き役」の練習を
自分の話ばかりをしてしまう子どもには、会話のロールプレイを行い、相手の話を聞くときは黙って聞くことの練習をしましょう。「話し手」と「聞き手」を決め、話し手だけが話していいルールにします。質問や話したいことができたときは、ぐっと我慢をして、自分が話し手になってから話せるようになるといいですね。
間違った対策とは?
1.説明しても変わらないからスルーする
「会話のルール」を説明しても、すぐに同じことをするし、説明するだけ無駄だとその行為をスルーしていると、子どもの学びはなくなってしまいます。
発達障害児はワーキングメモリの問題もあると短期記憶が弱く、すぐに忘れてしまいますが、同じことを繰り返すことによって確実に学習していきます。スルーしてしまうと子どもは自分の行動を振り返ることもしません。大人が諦めずに指導を重ねましょう。
2.厳しく叱る
その都度指導は必要ですが、あまり厳しく叱る必要はありません。叱られ続けると、「自分はダメな人間なんだ」「頑張ってもできるようにならないんだ」と思い込むようになってしまい、自己肯定感も低くなってしまいます。