兵庫県三木市上の丸町、みき歴史資料館で、2008年に約90年の歴史に幕を閉じた三木鉄道の軌跡をたどる「三木鉄道展」が開かれている。全線開通から丸100年を迎え、同館職員が企画。各施設や関係者から貴重な資料50点以上を集めた。8月27日まで(月曜休み、7月17日は開館、翌18日休み)。(井川朋宏)
1916年に播州鉄道三木線として開業し、翌17年に厄神駅(加古川市)-三木駅(三木市福井2)の全線(6・6キロ)が開通。当初は金物や日常品なども輸送し、三木駅は関係者でにぎわったという。
播丹鉄道を経て、43年に国有化。廃線対象を乗り越えて85年に第三セクター方式の運営で三木鉄道として開業し、4駅を増やして9駅を14分ほどでつないだが、乗客減少による赤字やバス路線への転換もあって廃線に至った。
展示では、戦時に出征兵士を見送る写真のほか、国鉄時代に使われた三木駅の看板や行き先標、標識、時刻表などが並ぶ。列車が走っていた頃の各駅と現在を比較する写真や、開業記念乗車券、沿線ガイドなどが往時の盛況を伝える。
男性(77)=同市福井=は「毎朝鉄道を見に来ると、小さかった子どもが機嫌を良くしたのを思い出す。時代の流れを感じる」と懐かしんだ。
入館無料。午前9時~午後5時。30日午後1時半~2時半には小野市立好古館副主幹の中西信さんが「東播磨地域の鉄道」と題して講演する。同館TEL0794・82・5060