民族舞踊ショーに歓声をあげる漢民族たち 旅行先では寛容になれるのか?

THE PAGE / 2017年7月10日 13時20分

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本物の蛇を持って踊るベリーダンサー(撮影:村田次郎)

 ウルムチに「国際大バザール」という観光施設の中で毎晩、観光客向けに民族舞踊のディナーショーが行われている。

 ウイグル族 カザフ族 モンゴル族 回族など少数民族の歌やダンスなどのショーを観られる。ダンスや歌は、どれも美しく少数民族ごとに特長があり、華やかなステージであった。観光客のほぼ9割が漢民族だ。ベリーダンスでは蛇を持った女性が、観客席に近づくと漢民族の男たちは大興奮。写真を撮りまくり、拍手喝采して楽しんでいた。

 しかし、不思議だ。彼らはウイグル族や少数民族に対して、あまりいい印象を持っていないはずだ。僕は中国のほかの地域でも漢民族ガイドにウイグル族やチベット族などについてどう思っているかを聞くようにしている。ウイグル族については、「彼らは臭くて汚い野蛮人だ」と答える人が多かった。大学を出て都会で高等教育を受けた者でも、ウイグル族のことになると、何度も同じような答えが返ってきた。しかし、なぜ旅行先では、嫌いなはなずの少数民族女性たちの踊りを観ながら酒を飲んでいるのか不思議でたまらない。それも夜ごと100単位の観光客が訪れているいることに驚いた。

 もちろん、漢民族全員が少数民族を蔑んでいるわけはないと、承知した上での話である。

中国 ウイグル自治区 2008年

(写真・文:村田次郎)

※この記事は「【フォトジャーナル】漢民族同化政策 中国・新疆ウイグル自治区 村田次郎」の一部を抜粋したものです。

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