一息つく

2017年も気がつけば半年経ってしまったが、ようやく身のまわりのことが少し落ち着いた。
ここ半年は目が回るような忙しい状況だった。

まず研究のほうは昨年末まで順調に進めていたが、論文を書く段になって先行研究との比較のための実験設定ではうまくいかず、悶々としているうちに目標としていた会議への投稿を逃してしまった。
他の手法を思いついて実験してみて、提案手法にいくつか優れた点はあったが、精度の面で思うような結果が出なかった。

研究で行き詰まってきたのと同時期に仕事が忙しくなった。
仕事は好きなので仕事をしている間は気が紛れた。
あとはこの時期は交際相手のキャリアのことで手伝いをしたりしていた。

仕事のほうは諸々考えて法人化し、交際相手のことは奈良から通ってサポートするのは大変なので一緒に部屋を借りることにした。
自分の卒業後の進路のことも考えないといけなかったが、要因が多すぎてシンプルに考えることができなかった。
新卒で就職するか、中途採用を受けるか、それならいつ就活するか。
それともこのまま自分の仕事を拡大するか、それなら拠点はどこにするのか、何のために事業をやるのか。
研究はうまくいっていないが、博士課程に進むのか、国内か、今の研究室に残るのか。
経験という意味で留学はしたいが、平均6年かかるアメリカに進学するのか、奨学金はどこから引っ張ってくるのか、いつから試験対策するのか、卒業後は現地に残るのか、研究者を目指すのか。
今の交際相手とはどうなりたいのか、やはり無難に大手企業に就職したほうが良いのか。

3月4月はきつかった。
仕事は順調だったけど法務・経理・営業・開発含めて一人で全部やるのは大変だし、顧客とのやりとりも多くて手が回らなかった。
仕事のための仕事をすることが多くて開発ができず、やりたいことをやるための会社のつもりがやりたいことから遠ざかってしまった。
引越しをして大阪からはるばる奈良の学校に通って、仕事の合間に細々と研究をして進捗が出なかった。
新しい家での生活も慣れるまで大変で、自分の時間を確保して集中して作業することが難しかった。
何より将来のことが決まらなくてどこに向かっているのか分からず、とにかく目の前のことをこなすことだけで精一杯だった。

5,6月の2ヶ月で苦しい状況を打開した。
まず仕事はある程度断ることにした。
研究と仕事でシナジーがあることをやるようにした。
その分研究時間を増やした。
前々から考えていた手法をC++やCythonなどを一から勉強して実装していて、
アルゴリズムまで実装したが、その先のインターフェースや実験周りのセットアップや後処理を書くのが面倒になって、
もっと楽な手法でやりたいと思って適当に論文読んでいて良さそうなのがあったので、
半日で論文の実装をして半日で自分のタスクを扱えるモデルに改造したら自分が一年近くやってきた手法をあっさりと越えた。
調子が上がってきて研究時間をガンガン増やした。
生活に慣れてペースがつかめるようになったのと交際相手の理解があったのが大きい。
結局ゴールデンウィーク以降から7月1週目までで研究を590時間、仕事を130時間した。

仕事はいったん全部片付いて研究はモデルのブラッシュアップをして先行研究の精度を越えたので論文を書いて投稿した。
そうしていろんな状況から解放されたので今日ようやく身のまわりのことを考えられる状態になった。
この半年ほどの経験で方向性がある程度見えてきたので結果として良かった。
うまくいったりいかなかったり何が起こるか分からないのが人生だと26歳を迎えて改めて思った。

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