ヒアリ 全国初内陸部で確認 愛知 春日井

ヒアリ 全国初内陸部で確認 愛知 春日井
強い毒を持つ南米原産のヒアリが各地で見つかっている問題で、愛知県などは、10日名古屋港から30キロ近く離れた愛知県春日井市内の倉庫で新たにヒアリが見つかったと発表しました。
港以外の内陸部で確認されたのは全国で初めてで、県や環境省は近隣の住民に注意を呼びかけています。
愛知県などによりますと、今月6日、春日井市内の倉庫でコンテナの荷物を下ろした際にアリ1匹が見つかり、県から依頼を受けた環境省が調べたところ、強い毒を持つ南米原産のヒアリと確認されたということです。
このコンテナは、中国・南沙港から香港を経由して先月30日に名古屋港で荷揚げされ、その後、陸路で30キロ近く離れた春日井市内の倉庫に運ばれていました。

環境省によりますと、港以外の内陸部でヒアリが見つかったのは全国で初めてだということです。
今のところ、周辺にヒアリが定着している可能性は低いということですが、愛知県などは、近隣の住民に注意を呼びかけるとともに、コンテナを取り扱う事業者に外来生物の混入のおそれがないか対策を徹底するよう依頼することにしています。

また、県などによりますと、今回ヒアリが見つかったコンテナからは名古屋港に戻された後の点検でもアリ8匹が見つかっているほか、春日井市の倉庫からもその後、死んだアリ5匹ほどが見つかったということで、環境省がこれらのアリについてもヒアリかどうか確認を進めています。

春日井市 ホームページで注意喚起

春日井市は、ヒアリが見つかったことを受けて、ヒアリと疑われるアリに触ったり近づいたりしないようホームページなどで注意を呼びかけています。

春日井市環境保全課の上村浩一課長は「今回は工場の中で見つかったとはいえヒアリと疑われるようなアリにはくれぐれも注意してほしい。今後も市として必要な情報を提供していきたい」と話しています。

見つかった工場の対応

今回、ヒアリが見つかったのは、愛知県春日井市にある大手電機メーカーの子会社の工場でした。子会社は、コンテナに積まれていた部品についてはいぶす措置を取るほか、こん包に使われた段ボールなどは焼却処分にするということです。
親会社のメーカーでは「環境省や愛知県の指示に適切に従い、ヒアリの拡散防止などの対策を進めています」と話しています。