世界の科学研究の分野で、日本の地位が低下している。2017年版科学技術白書によると、世界的に影響力のある論文のシェアはこの10年で世界4位から10位に低下。要因の一つに研究費と研究時間の減少があるという。こうしたなか、公費だけに頼らず医療研究を続けようとする若手研究者たちがいる。
世界中で発表される論文は現在、1980年代前半に比べ、約3倍に増えた。ほかの研究者からの引用数が上位10%に入る論文の数をみると、主要国の中で、日本だけが伸び悩んでおり、国別で4位から10位まで下がった。
白書によると、危機的な状況に陥った要因の一つが研究費と研究時間の減少という。競争的資金の獲得競争が激しくなる一方、大学が教員給与や資材購入に充てられる「運営費交付金」はこの10年で1千億円以上減った。事務負担も増し、大学研究者が研究に充てている時間は、すべての仕事時間の46・5%(02年)から35・0%(13年)に減ったという。
こうしたなか、看護師でNPO…
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