エクスペリメンタル・ジェットセットのスペシャルレクチャーというものに参加した。
整理券代わりに1500円のZINE的な小冊子を買った。
日本のマッシュホールディングスという企業のデザインをしたことがきっかけで来日したそうだ。
初めて海外のアーティストの話を聞いた。
通訳を通しての話は不思議な気持ちになった。
目の前の人間の話していることがわからないというのはこういう気持ちか。
話の内容はアルファベット1文字1文字にまつわるデザインのキーワードを挙げ、そこから彼らのアイデアの元となるものを紹介していく、つまり今流行りの種明かし的なものだった。
なんだかわかるようでわからないところもあるといったところだった。
彼らのグラフィックは基本的に、クライアントの基盤となるような、展開力のあるもののようだ。
ちなみに彼らは3人組で構成されていて、全員がオランダのヘリットリートフェルトアカデミーの卒業生らしい。
男男女。
学校の写真を見ることができたが、きれいなものだった。
上野毛校舎とは雲泥の差だ。
質疑応答の時、だれも手を上げないなか、右となりのM君が手をあげ、質問をした。
実は、的外れなことを言ってしまわないかと心配になっていた。
だがそれは杞憂なことであり、日本人デザイナーがあまり種明かしをしないことにどう思うかというものだった。
安心した。
その答えはなかなか興味深いものだった。
アイデアの元をみせることはタブーであるということはわかっている。
だが私たちのつくるデザインとは、突如天から舞い降りるものではなく、過去の産物を再構成して生まれたものである。
よって、私たちはそれらに感謝の意を込めると同時に、再確認することが必要なのである。
すこし解釈は違っているかもしれないが、自分にはそう聞こえた。
その通りである。
今回の彼らのレクチャーも、
ALtokyoであった北山雅和氏のトークショーでも(これもネタばらしのようなものであった)、
アイデア誌で組まれた「アイデアのアイデア」という特集も、
佐野研二郎氏の問題の影響は少なからずあるのだと思う。
きっとスゴイ事件だったんだろうな。
彼らはレクチャーの終わったあと、来場者に対してスタンプをくれるといい、ひとりひとりに挨拶をしてくれた。
いつものごとくヘラヘラしながら適当な英語でサンキュウとかいいながら握手をしていたのだが、男の一人となぜか握手ができなかった。
なんだか悲しくなった。
帰り際、M君は長嶋りかこ氏(とその他有名デザイナーであろう集団)を見つけたそうで、話したいと言っていた。
その場に一緒にいたS君は帰ると言い、僕は本を買いたかったので、解散した。
途中までS君と一緒だったのだが、「やっぱりああいう集団がいるんだね」と言っていた。
僕は「そうだね」と答えた。
特にそれ以外思いつかなかった。
大原氏が大々的に組まれたアイデアと、奥山由之氏が大々的に組まれたGINZAを買って帰った。
帰り道にレディオヘッドを聴いた。
なんだかすっとした。
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