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エピローグ:回復術士はノルン姫を手に入れる
防音が施された豪華な馬車の中には五人がいた。
一人は伝令役の姿をした俺、一人は三英雄と呼ばれるほどの強者【鷹眼】、二人の超一流の護衛騎士たち。そして、ジオラル王国の第二王女ノルン姫。
しかし、【鷹眼】と護衛の騎士たちは息絶え、ノルン姫も喉に打ち込まれた毒針のおかげで助けも呼べない。
つまるところ、ここから先は俺のやりたいほうだいだ。
さて、もはや伝令の兵に化ける必要もない。
【改良】を解除して、ケアルの姿になった。
「さて、改めて自己紹介といこうか。俺は【癒】の勇者ケアル。おまえらにすべてを奪われたものだ」
そうして微笑みかける。
ノルン姫とは長い付き合いになるのだから第一印象は大事だ。できるだけいい笑顔を作ってみた。
それなのに、ノルン姫は怯えた表情を見せる。失礼だなぁ。
「いったい、なんの目的でこんなこと!」
毒針のせいで音量は小さいが、聴覚を強化することでなんとか聞き取れた。
「ブラニッカには友達がいたんだ。カルマンって言って魔族の商人でね。いい奴だった。よく酒を飲んでさ、お互いの夢を語りあった。あいつはいつかもっと大きな人間の街で商店を開くのが夢だって笑ってたんだ。俺もその夢を応援していた」
この街は人間と魔族が共存する街。
その中でもカルマンは、利益という絆なら人と魔族は一つになれると固く信じていた。そして誰よりも人間を好きになってくれた魔族だった。
「いっ、意味が分からないわ」
「そのカルマンが殺されたんだ」
そんな、カルマンは死んでしまった。
夢を叶えることなく、ブラニッカの小さな店の主で彼の人生は終わったのだ。
「そう! ノルン姫、おまえが起こした戦争のせいで!!」
そう言って俺はすごんだ。
ノルン姫は馬車内に用意されていた立派な玉座から立ち上がり、慌てて逃げようとするが、バランスを崩して倒れる。そのまま四つん這いになって進むが、そんなものを逃がすほど間抜けじゃない。首根っこを掴んで仰向けにして、その体に跨る。
「なあ、教えてくれ。どうして、俺の親友は死なないといけなかったんだ?」
「まっ、まさか、あなた、たかが魔族一匹のためにこんな大それたことをしでかしたの?」
驚いた声でノルンは言ってくる。
たかが魔族一匹だと!?
「ふざけるな! おまえは人の命をなんだと思っているんだ!」
思わず、平手打ちをしてしまった。
命の大事さを知らない小娘には教育が必要だ。
「一人ひとりに、夢や希望や未来がある。命というのは何よりも大切な宝物なんだ! それをたかが!? 俺の親友を殺して、さらにバカにするのか! 絶対に許さない!」
怒鳴りつけられるのは初めてなのか、ノルン姫の目には涙が浮んでいる。
いくら軍略の天才と言えど、こうして男に組み伏せらればただのガキか。
「ごっ、ごめんなさい。謝るから、謝るから。許して、なんでもあげます。だから、殺さないで」
「怖いか!? 理不尽な暴力は怖いか!? きっと、おまえのせいで襲われている魔族も今のノルン姫のような気持ちだったんだろう。だが、おまえは容赦なく殺そうとしている。そんなおまえが許されるわけがないだろうが」
「ひっ、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
ただ謝るだけか。
これだから子供は困る。
泣けば許されるとでも思っているのか。
まあ、いい。とりあえず、軽いお仕置きからだ。
ゆっくりとノルン姫の首に手をかける。
これはただの前菜だ。死の恐怖というのを味わってもらおう。
気道をしめていく。
「あっ、あっ、あっ」
ノルン姫は暴れるが、非力な少女の力ではどうしようもない。
死がゆっくりと近づく絶望で表情が歪む。
なかなか、可愛らしい表情じゃないか。思わず勃起してきた。
そして、抵抗むなしく意識が落ちる。
ここで前菜は終了だ。本番は拉致ってからゆっくりと。
「そろそろ別の伝令が来てもおかしくない時間だな。さっさとおいとまするか」
【鷹眼】の姿に【改良】し、さらにノルン姫をさらうために持ち込んでいた麻袋に彼女をつめた。
あとは逃げるだけだ。
その前にっと。
「【模倣】
ノルン姫の技能と記憶を得るために【模倣】を行った。
ほう、案外レアな技能を持っているじゃないか。
それだけじゃない。
やっぱり、俺の村を襲われ、初恋の人が死んでしまったのはこいつの差し金だとわかった。
「やはり、アンナさんの仇だったのか。絶対に許せないな」
ダブル復讐ボーナス確定だ。
カルマンのことだけでも許せないのにアンナさんまで。……これはもう地獄を見てもらってから一生、俺の玩具になって償ってもらうしかないじゃないか。
そして……。
「そうか、フレアのことが好きだったのか」
フレアの記憶では、ノルン姫はいつも彼女に嫌がらせをしていた。
だが、それは好意の裏返しに過ぎなかった。好きだから構ってほしい。
ノルン姫が、軍略と政治力を身に付けたのはそれしかなかったから。
姉と違って何ももたない自分が、姉の視界に入るには、努力でどうにかなるものを磨き上げるしかない。非力な女性かつ魔術の才能もないノルン姫の身で叶うのはそれしかないと血のにじむような努力を続けた。
父にねだり最高の教師を何人も付けたこともあるだろうが、彼女の執念がそれを可能とした。
……だが、結局はフレアに嫌われてしまった。
可哀そうに。
「安心してくれノルン姫。俺のもとなら、フレアと仲良くできるさ。従順な肉奴隷としてだけどな。あひゃひゃひゃひゃ」
うん、姉妹仲を取り持つ俺はなんていい奴なんだろう。
◇
それから、戦争はブラニッカの一方的な勝利で終わった。
フレア王女の演説で士気がガタ落ちになり、仕込まれた毒で体調を崩されたジオラル王国軍、さらには戦いのさなか最高司令官がさらわれたとなれば、まともに戦いを続けるわけにはいかない。
多数の被害を出して、撤退していった。
今回の遠征でジオラル王国は大損害を受けた。しばらくはおとなしくだろう。
もっとも、ノルン姫の捜索部隊は編制されるだろうが、そんなものは可愛いものだ。
戦いが終わり、ブラニッカでは祝勝モードになっている。
ともに戦った人間と魔族たちが肩を抱き合って、ジョッキを掲げている。
傷跡は大きいが、やがてその傷跡も癒えるだろう。
それで、俺は何をしているかというと……。
「フレイア、その格好も似あうな」
「わん!」
セツナとイヴの二人を宿屋に戻し、俺とフレイアは今日のために作った地下室にいた。
もちろん、ノルン姫に復讐するためだ。
カルマンとアンナさんの無念を晴らさないといけない。
ノルン姫は両手を鎖で結ばれ天上からぶら下げられていた。つま先を伸ばせばぎりぎり地上につく高さ。
そして、フレイアはフレア王女の姿で下着姿になり、犬耳と犬尻尾のおもちゃをつけられている。
なかなか、滑稽で可愛い。
普段からやりたいのだが、これをやるとセツナが馬鹿にされているみたいで不快だと怒るので、こういう機会でないと使えない。
さてと、そろそろノルン姫が起きるころだな。
ノルン姫が体を動かして、ゆっくりと目を開いた。
「こっ、ここは」
「おはよう。ノルン姫。面倒なので最初に教えてやる。おまえは俺にさらわれた。ここは外に声が届かない地下室だ。おまえがさらわれたことでジオラル王国軍は大敗して撤退だ。誰も助けにこない」
「そんな、嘘」
「本当だ。そしてこれは俺にとっての復讐だ。友達を殺されて、そしておまえのせいで故郷を奪われた。端的にいうとな。これから、おまえをいたぶって遊ぶんだ。痛いだけじゃなくて気持ちいいから喜んでくれよ」
いやらしい笑みを浮かべる。
本来、笑顔が素敵な俺なので、嗜虐的な表情は似合わないが、がんばってそれらしい笑みを浮かべた。
ノルン姫には効果が抜群らしい。目に見えて顔が青くなる。
「嘘よ。そんなの嘘」
「嘘じゃない。ただな、俺は優しいからゲーム形式にしてやろうと思う。ゲームに勝てば逃がしてやるし、それに今回は出血大サービスだ。ゲームを受けなくてもここから出してやってもいい。まあ、そのときは裸に剥いて、魔族どもの前に今回の首謀者ですと大々的にアピールしてから放り込むがな。俺がやる復讐より、よっぽど残虐で楽しいことになりそうだ」
それはそれでありだ。
これだけたくさんの奴らに恨まれている女を独り占めにするのは悪い気がする。
「十秒で決めろ。ここでゲームを受けるか、それとも魔族どもに差し出されるか」
ノルン姫が目を見開いて、体を震わせる。
まあ、どっちにしろろくなことにならないぐらいはわかっているのだろう。
かなり動揺しているな。目の前の犬フレアに気付いてすらない。
わざとらしくカウントダウンをやってやる。
「三、二、一……」
「受けるわ! そのゲームを受けます」
まあ、予想通りの回答だ。
よし、ゲームの説明をしよう。
「くぅーん、くぅーん」
しかし、邪魔をするものがいた。犬フレアだ。
さきほどからズボンごしに俺の股間に頬ずりしたり、お尻を擦り付けたりする。
特別性のポーションにを飲ませて発情しているから仕方ないとはいえ、ちょっとうっとうしい。
さらに意識を混濁させるポーションも合わせて飲ませている。目が覚めればフレイアは今日のことを夢か何かだと思うだろう。
「フレア姉様! いったい何を!」
「くぅーん、くぅーん」
せつない鳴き声は続く。
妹の声はフレアには届かない。おねだりに夢中でそれどころじゃないし、そもそもフレアの記憶からノルン姫は消えている。
俺はやりたいようにやらせつつ、なんとかゲームの説明を開始する。
「ゲームのルールは簡単だ」
俺はそう言って、ノルン姫のドレスを引き裂く。
未成熟だが、将来性を感じさせる白い肌があらわになる。
ノルン姫は涙目で俺をにらみつける。天上の鎖止めを魔術で外すとすとんっとノルン姫が座り込んだ。
手錠は外さないが、ある程度は動ける。
「今から、犬フレアと遊んでもらう。犬フレアは淫乱な雌犬でね。相手をするのが大変なんだ」
犬フレアの頭を撫でてやると、犬フレアが目を細めた。
おう、よしよし。
「だから、ノルン姫とも遊んでもらおうと思う。フレア、そんなに俺のが欲しければあの女をいかせろ。犬らしく舌だけを使ってな。無事いかせたら、たっぷり可愛がってやる」
「わん!」
犬フレアがノルンに覆いかぶさる。
「きゃあああ、フレア姉様、やめて、正気に戻って」
「わんわん!」
今にもフレアはノルン姫に襲い掛かりそうだ。まだゲームのルールの説明が終わっていないというのに。
「待て! まだだぞ。いい子だ。……ゲームの内容は簡単だよ。朝が来るまでにいかなければ、おまえの勝ち。いってしまえば犬フレアをたっぷりとノルン姫の上で可愛がってやるし、お前に見せつける。その後はおまえも可愛がってやる。嬉しいだろ? 大好きな姉に舐めてもらえて、一緒に可愛がってもらえるんだからなぁ!!」
想像するだけで興奮してきた。
姉に蹂躙される妹、そして姉の痴態を目の前で見せつけられ、姉と同じ男に犯される。
なかなか乙なものだ。
「そんな、ひどい」
「そして、全部が終わったら、そこの犬フレアみたいに、全部忘れて俺のペットになるんだ。楽しいぞ、明日になればノルン姫も犬耳つけて馬鹿みたいに頬をこすりつけておねだりするようになる。まあ、そうなりたくなければ、必死に耐えるんだな。俺はおまえたちと違って約束を守る男だ。耐えきったら逃がしてやる。さてと、説明は終了だ。フレア、よし!」
「わん!」
さて、朝までと言ったが、そう長くはもたないだろう。
たっぷりと、姉妹愛を見学させてもらおうか。
フレアとノルン。二人は見た目だけなら世界一美しい姉妹なのだから……。
◇
ああ、さっぱりした。
やっぱり姉妹丼はいいなぁ。独特の背徳感がある。
二人なかよく、何度も嬌声をあげていた。すれ違った姉妹の心が一つに。まあ、一つになったのは心だけじゃないがな。
「ああ、俺はなんていいことをしたのだろう」
いじめすぎてフレアはノルン姫の上で気絶しているし、ノルン姫も目が虚ろだ。
「さあて、ノルン姫として迎える最後の瞬間だ。今から記憶を消してやる。目が覚めれば、もう何も思い出せない俺の奴隷だよ。最後に言い残すことはないか?」
優しい俺は、最後に話しかけてやる。
うつろだったノルン姫の眼に光がやどった。
そして、顔を逸らして小さくもらす。
「くたばれ」
「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、いいねー。そういう強がり、お兄さん大好きだよ」
ああ、面白い。
そうだな、次に目を覚ましたら俺のことをお兄様と呼ぶ従順な妹に洗脳してみよう。
それが一番楽しそうだ。
「ノルン姫、おやすみ。永遠にな」
ノルン姫の頭に手をあて、【改良】をする。
俺の与える神聖な光によって、邪悪で自分勝手な悪女ノルン姫は消え去り、純真で人懐っこい妹として生まれ変わる。そしてこれからは姉妹仲良く暮らせる。
【改良】を唱えながら高笑いしていた。
生まれ変わるノルンが楽しみで楽しみでしかたない。
これで、俺の新しい玩具が増えるのだ。きっと、天国のカルマンとアンナさんも喜んでくれるだろう。
俺は気を失ったフレイアとノルンを抱えて、宿に戻る。
セツナとイヴにも新しい仲間を紹介しよう。今夜は歓迎会だからご馳走だ。
気が付けば俺の足取りは軽くなっていた。
うん、いいことをしたあとはすごく気持ちがいい。今日の飯はいつもよりも美味しく食べられそうだ。
三章完結。ここまでの評価をもらえるとすごく嬉しい! 角川スニーカーから文庫が7/1に発売! 予約開始中。
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