九州豪雨の被災地では10日、心肺停止の状態で見つかった男女2人の死亡が確認され、福岡、大分両県の犠牲者は計23人になった。このほか1人が心肺停止。20人超の行方や安否が分からず、自衛隊や消防が捜索を続行した。住民の孤立は解消しつつあるが、なお1885人の避難が続き、一部で仮設住宅の建設が検討されるなど長期化する恐れが出ている。
気象庁によると、九州北部では梅雨前線の影響で11日にかけて局地的に激しい雨が予想される。
両県によると、避難者数は福岡1499人、大分386人。福岡では朝倉市や東峰村で計18カ所、大分は日田市で9カ所の避難所に住民が身を寄せている。孤立状態にあるのは福岡1人、大分120人。東峰村で28人いた孤立は道路の補修が進み、解消した。
朝倉市は10日、市内のため池が決壊する恐れがあるとして、約650人を対象に一時、避難を指示した。
土砂や流木に巻き込まれ、多くの家屋に被害が出た東峰村は10日、仮設住宅を建設する方針を表明。朝倉市も検討を始めた。日田市は、被災者に公営住宅を無償提供して対応する。
10日は、朝倉市で新たに3人が心肺停止で見つかり、このうち、川で土砂に埋もれていた男性の死亡が確認された。
福岡県によると、朝倉市の小嶋初子さん(69)と村山幸子さん(80)の身元が判明した。〔共同〕