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モンゴル大統領に野党のバトトルガ氏 脱中国依存めざす

2017/7/9 19:22
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 【ウランバートル=多部田俊輔】モンゴルの中央選挙管理委員会は9日、7日投開票の大統領選の決選投票で、最大野党・民主党のバトトルガ氏(54)の当選を発表した。10日に就任する。資源を中心に輸出の8割を占める中国に依存する経済構造からの脱却をめざし、日本やロシア、米国などとの関係強化を進めるとみられる。

 選管の集計によると、バトトルガ氏の得票率は50.6%で、当選に必要な50%超に達した。もう一人の候補だった与党・人民党のエンフボルド氏(52)の得票率は41.2%にとどまった。有権者数は199万人、投票率は60.7%だった。

 バトトルガ氏は美術学校出身の格闘技選手という異色の経歴。柔道連盟会長としてモンゴル初の五輪金メダリストを育てた功績や実業家としての実績が評価された。選挙戦では「愛国者」のイメージを打ち出して貧富の差の是正も訴えた。大相撲の元横綱朝青龍、ダグワドルジ氏の支援を得て若者に人気を集めた。

 国家元首である大統領の任期は4年。2期8年務めたエルベグドルジ大統領も民主党出身で、議会第1党と大統領の出身政党が異なる「ねじれ」が続く。大統領は国会の決定事項に拒否権を持つが、昨年の総選挙で圧勝した人民党が76議席のうち65議席を占め、拒否権を無効にできる。

 バトトルガ氏は8日夜の勝利集会で「民主党の国会議員9人と政府与党にプレッシャーをかけ、国民のために努力することを約束する」と強調した。政権与党と敵対的な関係になると、議会運営が停滞する恐れもあるため、新大統領の対応に注目が集まる。

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