九州北部で5日に発生した記録的大雨で甚大な被害の出た福岡県朝倉市では、最多となる11人の死亡者が確認された。気象庁は当時、「数年に1度」の雨とされる「記録的短時間大雨(記録雨)情報」を周辺で計15回発表したが、最終的に特別警報を出したのは雨のピーク後で、市全域に避難指示が出たのは、さらに後だった。市幹部からは「検証が必要だ」との声が上がる。
気象庁は5日午後1時14分、朝倉市周辺に大雨洪水警報を発表。同28分にはレーダー解析で1時間110ミリの猛烈な雨が市内で検出されたとの記録雨情報を出した。「かなり突発的に雨量が増えた。ここまで急激に事態が進むとは思っていなかった」と担当職員は振り返る。避難所の開設準備などを経て、警報から約1時間後の同2時15分、ようやく市は高齢者などに避難を呼びかける「避難準備情報」を発令した。
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