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 実態のない福祉施設を開設して架空請求を繰り返し、福岡市から給付金を不正受給したとして、県警は10日、障害福祉サービス事業所元職員の中橋武彦容疑者(42)=福岡市中央区今泉2丁目=ら3人を詐欺の疑いで逮捕し、発表した。

 この事件では福岡市が1月、計約1億200万円を不正受給されたとして刑事告訴していた。県警は不正の実態解明を進める。

 ほかに逮捕されたのは飲食店従業員平田敏之(35)=福岡市城南区南片江4丁目=、自営業前田康行(39)=同市東区箱崎5丁目=の2容疑者。

 捜査2課によると、3人は障害者の就職を支援する事業所「つぼみ」を設立、福岡市の25人がサービスを受けたとする虚偽の申請をして、2015年10月~昨年10月、計約3830万円を詐取した疑いがある。

 つぼみは15年4月に事業所の指定を受け、前田容疑者が管理者を務めていた。だが、障害者にサービスを提供した事実は確認できていないという。県警は、制度に精通していた中橋容疑者と、友人の平田容疑者が主導的な役割を果たしたとみている。

 福岡市が昨年、不正受給に関する情報提供を受け監査に入り、発覚した。