特集
2017年7月10日
この粒マスタード、河原で採ってきたカラシナの種から作りました。
近所の河原に、菜の花(アブラナ)によく似た芥子菜(カラシナ)という植物がたくさん生えている。カラシナというくらいだから、その種からカラシができるはず。
ならば試してみるかと作ってみたら、香りと辛味が素晴らしい粒マスタードができてしまった。 前の記事:「低温調理器で足湯がしたい」 人気記事:「じゃりン子チエに出てくるホルモン焼きを探す旅」 > 個人サイト 私的標本 趣味の製麺 河原にはカラシナが生えている桜が咲くころに近所の河原へ行くと、黄色い花が咲いている。ずっと菜の花だと思っていたのだが、どうやらこれはカラシナらしいのだ。
試しにつぼみや新芽を茹でて食べてみると、苦みと辛味がしっかりとある大人の味でうまい。なるほど、確かにカラシナだ。 葉っぱがギザギザしていたらカラシナらしいよ。
カラシナということは、その種からカラシが作れるのではと、花が実になり、立ち枯れる6月上旬に、またこの河原へとやってきた。
6月といえば緑の眩しい季節なのだが、カラシナが生えている場所だけは茶色一色で、晩秋のススキのようにすっかりと枯れていた。 6月とは思えない寒々とした景色。
カラシナの種を観察しよう2メートル近くまで成長して枯れたカラシナにはたくさんの鞘が実っており、そこにはしっかりと種が詰まっていた。
ちょうど晴天が続いていたためか、鞘はちょっと触っただけでもはぜて、中から小さな茶色い種を飛び出させた。カラシナはリアクションがでかい。 必ず晴れた日に収穫しよう。種が濡れるとすぐ発芽してしまうらしいよ。
カラシナには種類がいくつかあって、その種の呼び名も変わってくる。和からしになる辛味の強いオリエンタルマスタード、洋からしになるマイルドな味のイエローマスタードやブラウンマスタード、さらにはホワイトやブラックもあるとか。
ではこれがなんなのかというと、それはよくわからないので(たぶんブラウン)、河原マスタードとしておく。 キノコのように間違えたら毒に当たるという訳でもないので、おおらかに生きようと思う。 触っただけではぜて、中から種が飛び出てくる。
さて本当にこの種から、辛いカラシができるのだろうか。
種を数粒、そっと口に入れて、そのまま噛みつぶしてみる。プチプチと胡麻やケシの実のような歯ごたえの後に、遅れて苦みのある辛さと僅かな青臭さがやってきた。 生の種の味は、精製されたカラシというよりも、カラシナの葉っぱっぽいのか。ものすごく濃いカラシナの味だ。なるほどー。 春に食べたカラシナの葉っぱを濃くしたような味がする。
カラシナの種を収穫するこのカラシナの種、マスタードシードの収穫の方法だが、刺激を与えると種が飛び出てしまうので、大きなビニール袋に枝ごと入れていく方法が簡単だ。
このあたりにカラシナはいくらでも生えているので、30分もあれば45リットルの袋に一杯の鞘が集まる。 春につぼみを摘んでいる人は結構いるけれど、種を採っている人はいないので採り放題だ。横の道を散歩している人が不思議そうに私を見ていく。 大きなビニール袋の中に枝ごと収穫していく。
ここで残念なお知らせです。カラシナには虫の方々が多数付いていらっしゃいました。
どうがんばっても多少は袋に入ってしまうので、あとで分別すればいいだろうと、この時点での分別は諦めた。 できるだけ混入を避けたい場合は(普通はそうですね)、虫が活動を始める前の早朝に収穫をするといいよと、野草に詳しい方が後日教えてくれた。いろんなノウハウがあるもんだね。 いくらでも収穫できるが、こういうのは収穫してからの手間が大変だろうなと予測して程々にしておく。
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