この告発状は、以下略ちゃんとは無関係の第三者の方が申告されたものですが、内容について当ブログの記事の本文を引用されているようです。そのような関係から、当ブログで告発状の内容について解説することにしました。画像は有田芳生公式Twitterより。
sponsored link
政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会の現職委員長が公選法違反で刑事告発される不祥事
目次(項目リンクからお好きな部分にジャンプ可)
政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会の委員長に選任された民進党有田芳生氏
政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会は、参議院に置かれている特別委員会です。
この委員会の委員長に民進党の有田芳生氏は選出されました。
「政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会」(35人)の委員長に選任されました。当面の課題は公職選挙法関係、政治資金規正法・政党助成法関係、選挙制度改革関係です。 pic.twitter.com/oUE0Xiu4de
— 有田芳生 (@aritayoshifu) August 1, 2016
臨時国会がはじまりました。法務委員会、行政監視委員会の委員、政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会の委員長に選任されました。執行部から特別委員長あるいは拉致特別委員会の理事のどちらを選ぶかを求められましたが、未経験の仕事に取り組みたく前者にしました。
— 有田芳生 (@aritayoshifu) September 26, 2016
有田芳生氏が公職選挙法違反で3度目の刑事告発される
その有田芳生氏が、公選法違反で刑事告発されました。公選法違反の告発は、これで3度目です。
有田芳生大先生を、またまた公職選挙法違反疑惑で東京地検特捜部へ刑事告発します。此れで三度目。都議選の時に何度もヤラカシたツケが回って来ましたね。反省していないですから、遠慮なく刑事告発します。今回の違反疑惑は多すぎですね。ヨシフ、派手にやりすぎだよw#民進党 #有田芳生 pic.twitter.com/ss2awdL6E1
— 飛騨守右近「必殺!刑事告発人」 (@yamakennta) July 6, 2017
告発状 全文
解説
今回の告発はひと言で説明しますと、
「都議会議員選挙の運動期間中に、相手候補を落選させる目的で『虚偽の事実または事実をゆがめて』公表拡散したのではないか? 」という疑惑です。
(虚偽事項公表罪)
当選を得させない目的をもって公職の候補者に関し虚偽の事実を公にし、又は事実をゆがめて公にした者は、4年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処することとされ(公職選挙法第235条第2項)、選挙権及び被選挙権が停止されます(公職選挙法第252条第1項・第2項)。
と公職選挙法に定められています。
選挙中の落選運動は認められていますが、『虚偽の事実または事実をゆがめて』の落選運動は禁止されているのです。
選挙中は、事実を歪めたコラ画像なども問題となります。
事件の詳細は以下の記事で触れています。告発状もこの記事より、引用されているようです。
有田芳生氏、下村博文氏の「入院先打診」電話のデマを落選目的で10万人に拡散リツイートの疑い?
争点は有田芳生氏が公表拡散したツイートの内容が事実かどうか
告発は都議会議員選挙中の6月28日に、有田芳生氏が組み合わせて連続ツイート(リツイート)した次の2つのツイートを問題にしています。
有田芳生氏のタイムラインでは、下のツイートの方が早い時間になります。
下村博文氏は立候補はしていませんが、都議会議員選挙を束ねる自民党都連会長で、下村氏の元秘書が都議会議員選挙に立候補しています。
その元秘書の板橋の自民の現職2人は落選しています。
「落選」を目的としたツイートであることは明らかです。
有田芳生氏がツイート内容に信認を与える形で、リツイート拡散したツイートはこれです。
「あ、下村ですが。総理、どこか良い入院先ありませんかねぇ?」 pic.twitter.com/OLknqKGiuN
— 🏕インドア派キャンパー (@I_hate_camp) June 28, 2017
見ての通り、このツイートには「風刺」「ギャグ」「コラ」などの言葉はありません。
電話のシーンは無関係のようですが、わざわざ下村氏の電話シーンの写真を入れてセリフのように見せかけることによって、「下村氏が入院先を安倍総理に打診している」あるいは「安倍総理が証拠隠しに下村氏に入院するように指示した」ように捉える人が出る可能性があるようなツイートになっています。
さらにそれを国会議員がリツイートをすることによって、ツイート内容に「信用」を与えています。
Twitterのリツイートとは、他人のツイートを丸ごと自分のTwitterに転載する機能です。フォロワー(読者)全員に拡散するという意味では、実質的に自分のつぶやきと変わりません。リツイートの場合、検索ではリツイートしたことがバレないので、責任逃れに第三者にツイートさせるまたは別アカウントでツイートしてそれをリツイートするという工夫をするケースがしばしば見られます。
繰り返しますが、『虚偽の事実または事実をゆがめて』の落選運動は禁止されています。
このツイートが「真実」であるか、有田芳生氏が「真実であると判断した合理的な根拠」があるのかが争点になります。
ところが、ソースとなる「下村氏が安倍総理に入院を打診した」などという報道はいくら検索しても見つかりません。
見つからないどころか、すぐに下村氏が「事実無根、選挙妨害である」とする記者会見を行っていることなどより、該当のツイートの投稿者と有田芳生氏の主張は「事実を歪めている」疑いが極めて強いものです。
下村博文元文科相 加計学園から200万円違法献金の疑い https://t.co/QfE3OKM8DV #加計学園 #下村博文 #週刊文春 @bunshun_onlineさんから
— 有田芳生 (@aritayoshifu) June 28, 2017
※1 告発状で削除とされているこのツイートは7月9日の時点では削除されていません。
※2 タイムスタンプの食い違いは、表示が日本時間か外国時間の違いです。
悪質な常習性
前回の有田芳生氏への刑事告発では、
- 投票日当日の選挙運動について、「起訴猶予」
起訴猶予とは…
「起訴をすれば有罪は確実だけど、罪が軽い・反省している・被害者と和解している」などの内容を考慮して起訴されないことです。
- 人気投票の禁止については、「罪とならず」
の決定が出ています。
「起訴猶予」とされているのに、事実でないことを公にして落選運動を行ったのであれば、有田芳生氏の公選法違反は常習性が認められ、極めて悪質であると告発者の方は書いています。
また公平であるべき政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会の委員長が、このようなことを繰り返すのでは、委員会そのものの信頼も失墜させるものであるともいえます。
自民党議員が刑事告発されるとすぐに記事にして騒ぐマスコミは、なぜか委員会の委員長という重要ポストの国会議員であってもこの刑事告発は記事にしません。
ネットの選挙運動が解禁されて間もないので有罪とされた判例が少ないことをいいことに、やりたい放題のように見えます。
公選法を審議する特別委員会の委員長の倫理モラルがこのようなものでよいのでしょうか?
委員長の有田芳生氏には、刑事告発された疑惑に真摯に答える説明責任があるのではないでしょうか。