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第1話「初歩」
僕の名はソウタ。「パズドラー」と呼ばれるパズルができる力を持っている。
俺の師匠がこう言う。
「さあ、この手を回せ」
「う、うん…」
「私はネイと申す。よろしく頼む」
!?何このかわいい子。
「これはこれはネイではないか。魔法石を1ヶ月貯めた甲斐があるわ」
「し、師匠、これ強いんですか?」
「伊達にみんなの希望が集まるアンケートゴッドフェスに回してない。ネイの力はかなり頼りになるはずじゃ。レア度も6と申し分ない」
確かに、周りを見てみれば…
「レア度4クロノタートルじゃねえええか」
「ヨグ来たやったぜ。」
「もうミネルヴァいらないんだけど…」
ここで挫折する人も多い。せっかくの才能をここで活かせるというありがたみ、そして紛れる憎しみ…師匠の特訓はきつかった。ただでさえドロップが動かない日もあった。だけどこの特訓は功を奏した。
師匠が言う。
「ところで、お前は独立するためにこのガチャを引いたんじゃないのか?自分のモンスターボックスを作ってもらわないとな」
モンスターボックスを作ってもらった挙句、初めてのダンジョンへの挑戦がいよいよ始まる。
俺は言う。
「ティラノス!ネイ!お前らは主力として頑張ってもらう!ここでクリアしてこそがパズドラー第一歩だ!」
「ティラー!」
「大丈夫だ。負ける心配など無用だ」
「りんりんりん♪」
「モリモリモリィ!」
ヒカりんとモリりんが現れている。まだまだドロップは動かしにくい。
闇、火、回復!どうだこの3コンボ!
「敵、覚悟!」
「りんりん〜…」
普通に倒せた。が、ボスが危ないかもしれない。
「クールルルゥ!」
ラスボスは火のカーパンクルだ。
闇を消して…4コンボ!
「はあああ!」
「クルゥ…」
ここら辺は余裕で倒せる。
しかし序盤だけうまくいき、中盤で挫折するプレイヤーも多いのだ。
師匠はよく話してくれた。
「どうしても極限デビルラッシュが行けなくてな…。ミトがいてくれれば余裕だったものをいつも引き当てられずに結局そこで挫折してしまった。結局闘技場も行かずに終わりよ」
「僕、絶対闘技場へ行ってみせます!絶対に!」
この約束を果たすまでに諦めることはできない。
いざとなったらネイが居てくれる。ネイや新しい仲間とともに闘技場へ行くことなど容易に想像ができる。叶わない夢ではない。
「最近の新人はどうだ?」
「ソウタという人物がネイを引き当てましたね。パズル力もなかなかのものだ。もっとも、ネイは序盤は全然使えませんが」
「他は?」
「リュウという人物はパズル力すらちょっと欠けますがヨグを引き当てました。クリアは最初にサリアで始めました。パズルを楽しんでいて、なかなか挫折しなさそうです」
「ふーん…今回の新人は豊作だ。その3人はマークだ」
「あと、もう一つ話があるのですが」
「何だ」
「最近、データにないモンスターが増えてきましてね。ユーザー側からもこれはバグかといって追加したことのないモンスターが送られてくるんですよ。」
「そうか、それは後で対処する。では」
「では。さようななら」
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