「動画出演やラジオはフリーライターの延長線上。話すことと書くことは同じ。」フリーライターマフィア梶田さんの仕事観
TIME&MONEYシリーズ
現在日本の職種は28,785種類あるといわれており、10年後にその約半数はロボットとAIによって無くなると言われている。今の自分の仕事が無くなってしまうとしたら、何をするのだろうか。会社員とは違う働き方をするミレニアル世代へフォーカスし、リアルな時間やお金、価値観について語ってもらう。
マフィア梶田さんといえば革ジャンにサングラス
ゲーム・アニメ・映画・コミック・小説など、サブカル系のライティングをはじめ、ラジオパーソナリティやイベントMC、声優、俳優など様々な領域で活躍するマフィア梶田氏。専門学校でライティングを教える講師も務める。Twitterでは20万人以上のフォロワーを持ち、ゲーム・アニメファンからの支持も厚い。
今回はマフィア梶田さんにインタビューし、収入や時間の使い方、働くスタンスについてお話しを伺った。
駆け出しは月収10万円
-梶田さんはゲームライターとしてご活躍されていると思うのですが、ライターってどんな職業なんでしょうか?
簡単に言うとお金をもらって記事を書く仕事です。ライターと言ってもたくさん種類がありますね。自分みたいに専門的な領域で書くライター、他にも商品のコピーを書くコピーライター、政治家が会見で読む文章を書くスピーチライター、企業のプレスリリースを書くPRライター等……。
-“ライター”と一言で言ってもさまざまな種類があるんですね。どこでどんなことを書くかで、収入なども変わってきそうなのですが、今回の企画でもある「お金」について早速質問させてください。正直なところ稼げますか?
早速ですね(笑)。最初から収入の多いライターなんて絶対にいないと思います。自分もデビュー当初はカツカツでした。高校卒業後に専門学校である『バンタンゲームアカデミー』のライター科へと進み、在学中にデビューして仕事を始めました。デビューしたての頃なんて、月収10万くらいだったと思います。
-10万円だと生活していくにはかなり厳しいですね……。
まぁそうなんですが……仕事ばかりしていて金を使うヒマも無かったので、何とか暮らせていました(笑)。
-収入はどうやって増えていったんでしょうか。
デビューしてから2年くらいでしょうか、日本最大級のゲームサイトである『4Gamer.net』から専属ライターにならないかという話を持ちかけられまして、それを了承したのが最初の転機でしたね。
-専属ライターというのは?
ある雑誌・媒体の専属で記事を書くライターのことです。専属になると必ず仕事がもらえますし、ギャラに専属料が上乗せされるので収入は安定するのですが、他の競合媒体では書けなくなる……という感じですかね。
-でもその時期、梶田さんはアニメ雑誌で執筆やラジオ出演などもされていますよね?
そうですね、自分の場合はちょっと特殊な条件で契約を結びました。“ゲームメディアと関係の無いラジオやタレント活動はフリーのままやらせてもらう”という。今思うと、若造が生意気な条件を出したもんですよ……(笑)。
※2017年現在は契約内容が変更され、競合媒体での執筆も条件付きで可能となっている
-なかなか自分からは言いにくいですよね(笑)。駆け出しのときは特にそうした要求を言いにくいような……。
手厚く面倒を見てくれた編集者さんが元フリーライターで、こちらの事情を我が身のことのように考えてくれていたのが大きかったです。自分の書く文章を気に入ってくれたのか、まだヒヨッコの頃から口癖のように「梶田君は将来ビッグになる」と言い続けてくれた人でして。
その人の口添えもあり、とても有利な条件で契約を結べたんです。また、編集長もいちライターの話をしっかり聞いてくれる器の大きな人で、自分の特殊なルックスや活動をすべて容認してくれました。本当に、周りの人々に恵まれた結果だと思っています。
それから、自分はフリーライターとしてやっていく中で“交渉”を特に重要視しています。この世界では自分の価値を下げるも上げるも自分次第ですので、仕事を受ける際には必ず真っ先にギャランティーの交渉から始めます。日本人はお金儲けの話を嫌がる傾向があるように思いますが、自分は例え銭ゲバのように思われようとも“仕事の価値”を保つためにそこは厳密にやっています。
学生時代、「ライターは安い賃金で働かされる」「好きなことやってんだからいいだろ」みたいな扱いを受けることもあると先輩方から聞いていて、それがとても腹立たしかったんですよ。きっと言われるがままに安い賃金で引き受けてしまう人が多いから、そういう環境になってしまうんだろうと。
だから自分が交渉をしっかりやるライターになることで、自然と全体の最低賃金が上がってもっと住み良い業界になればとも考えていました。
-会社員みたいに、他の誰かが守ってくれることなんてないですもんね。
そうですね。養ってくれる誰かがいたりとか、生まれが裕福で金に困ることが無いのであればそこまで考えなくてもよかったのかもしれません。
実は、専属契約のお話を頂いた時期に父親が亡くなりまして。若い頃って、誰しも「最悪、親に助けてもらおう」という“最後の砦”を心の奥底に持っていると思うんです。自分も実際に頼ったことはまだありませんでしたが、そういう気持ちはあったんじゃないかと。しかし、それは家族の絶対的な守護者であった親父の死によって消え去りました。
それもあって「一刻も早く稼げる人間にならんといかん!」と、金についてしっかり考えるようになったんです。
-お父様が亡くなられたことをきっかけに、今の梶田さんの働き方のスタイルが作られていったんですね……。金額の交渉をしていく中で、最高でいくらくらい金額のお仕事をされたことがありますか?
どこまでいっても個人の取引ですから、判断が中々難しいんですが……。恐らく100万円くらいじゃないかと思います。
-1つの仕事で100万円ですか!
広告案件ではそういったものもあります。ただ、もちろん内容が難しいからこそなわけで、企画から考えたりとか、個人のネットワークを活用する場面が出てきたりとか、そういった理由があります。決して楽に稼げているわけではありません。
-本来であれば企画する人、渉外を担当する人、など複数人関わるところを梶田さんお一人でされるなら、確かに納得の金額です。駆け出しの頃は月10万円だったのが、今では1つの仕事で100万円になるものも出てきた、ということなのですが、最近の収入について教えていただけますか?
そうですね……。とても有難いことですが、エンタメ業界に惜しみなく還元できるくらいには稼げています。真面目な話、自分の稼いだ金はそのまま稼がせてくれたコンテンツに流れ込んでいますね(笑)。
根っからのキモオタなので多くの一般人(※オタクではない人々を指す表現)が注目するような高級時計やらブランドやらにはまったく興味が無く、それらの代わりにアニメやゲーム、漫画や映画に収入の大半を注ぎ込んでいると思います。
-ライターになりたての頃、今のように稼ぐことができると思っていましたか??
まったく想像していませんでした。自分に“今”があるのは周囲の人々が育ててくれたおかげで、自分ひとりの力だとは微塵も思っていません。そもそも執筆以外の仕事も多いですし、“ライター”の稼ぎ方とは言えなくなっているので人生どう転ぶか分からないもんだなと……。
「縛られない」という、自己責任の生き方
-オンの日、オフの日、それぞれどのように過ごしているんですか?
仕事のスケジュールだけカレンダーに書いておいて、それ以外は何も考えてないです。睡眠時間は長くないとダメなタイプなので、基本的には仕事に行く直前まで寝ていますし。休日は昼過ぎに起きたら飯を食いながらテレビでアニメや海外ドラマを流しつつスマホゲームをしてそのまま1日が終わることも多いです(笑)。
-自分が出向かないといけない仕事以外のスケジュールは、すべて自由なんですね。
フリーライターの良いところは、時間を自由に使えるところです。自分さえよければ、毎日が日曜日です。もちろんそれで食っていけるわけがありませんが(笑)。
-会社員からするとかなりうらやましいです。
決まった時間に出社して、朝から晩まで仕事をする。それを何十年も続けられてるのはお世辞抜きに尊敬すべきことだと思います。恥ずかしながら自分にはそれができないから、今のような仕事をしているわけで。なので会社員として一家を養ってくれた親父のことは、今でもすごくカッコイイ男だと思っています。
ただ、こっちはこっちで規則正しいキツさではなく、局所的なキツさがデカいんですよね。〆切とか、泊まり込みのイベント取材とか……うまく自己管理しないと、確実に寿命を縮めます。
ライティング能力の向上に繋がるのは「読書」
-ライターになるには資格など必要なのでしょうか?
肩書きに「ライター」と書いた名刺を作れば、その時点であなたはライターです(笑)。ただ、そこから仕事を得られるかどうかの問題であって。
-肩書きだけじゃ仕事にならないですもんね。
どうすればいいかわからない人は、ぜひ『バンタンゲームアカデミー』のライター科に行ってください(笑)。宣伝みたいになりますけど、ちゃんと専門学校で学べば確実にデビューできます。技術を習得できる以上に、現役業界人とのコネクションを築けるのが大きいですよ。「将来のビジネスパートナーと知り合うために金を払っている」と思ってください。
-ライターになりたい人にとってはかなりの近道になりますね。
あとは、自分の生徒にも必ず言っていたのですが読書はした方がいいです。
-「とにかくたくさん書け!」ではないんですね。
そうですね。自分がそもそも、学校の授業をサボってまで読書をするようなタイプだったんですよ。勉強は大嫌いなのに、本だけは好きでした。そのおかげでいつの間にか正しい文法が身に付いていまして、専門学校に入ってからもスラスラと文章を書けたんです。
日本語って、世界的に見ても非常に多様な表現力を持った言葉なんですよね。「面白い」「美しい」ということを伝えるだけでも、語彙力次第で無限の伝え方があるんです。その引き出しを増やすのに、読書は最適でした。
-本を読むことで繊細な表現を吸収していったんですね。読み方にコツはありますか?
文章の上辺だけなぞるのではなく、登場人物の心境や作者の意図などを常に想像しながら読むべきです。これは、ライターが記事を書く際に作品の魅力やコンセプトを正しく切り取る能力に繋がります。早く読もうとするのではなく、時間はかかってもいいのでじっくり没入するようにしてください。なんなら小学生の課題にあったような読書感想文、アレって今考えるとすごく有効なライティングの訓練になりますからね。
どんな仕事も結局は「人と人」の付き合い
-ライターになってから、なる前に持っていたイメージと異なった部分はありますか?
全然違いましたね。自分が思っていたよりも人との関わりが重要な仕事でした。当初イメージしていたのは小説家みたいな、書斎にこもって原稿をひたすら書き続けるようなやつで。
実際には、イベントやインタビューなどでどんどん取材して、コミュニケーションありきで仕事を進めていかなきゃならないんですよ。
-座って原稿書いてるだけじゃ仕事にならないんですね。
そもそもコミュニケーションができなければ、仕事をゲットすることもできませんからねぇ。この世界に入ってから、自分でもビックリするほど人間性に変化があったと思います。ひとりで悶々と荒れていた頃とはまるで別人ですね。
-ライターになる上での心構えはありますか?
駆け出しのライターにアドバイスがあるとすれば、「待つな」ですかね。名刺交換をした業界人などには、自分からバンバン連絡して仕事をもらいましょう。また、特に気が合うようならプライベートでも飲みに行ったり、趣味の話で盛り上がった方がいいです。確実に今後の仕事に繋がります。
-編集者さんに自分から連絡するのって気を遣ってしまいそうです……。
とにかく自分からガンガン仕事を取りに行くんですよ。編集者だって、色々なライターと仕事をしている中で均等に仕事を振ろうなんて考えられるほど暇じゃないんですから。
-編集者に「ライターを探す労力をかけさせないわけですね。
その上で、きちんとした原稿を書けば「コイツに頼めば間違いないな」と一目置かれるようになるわけです。
-書く仕事ってそんなにたくさんあるんですか?
幸か不幸か、あるんですよ。ライターって、デビューする人も多ければやめる人も多いので万年人材不足なんです。しっかりとコネクションを構築できれば、嫌というほど仕事は受けられます。むしろ断りきれずにパンク(※能力・納期面でキャパオーバーしてしまうこと)の心配をする必要が出てきますね。
-自分の行動がすぐに結果に出てしまうんですね。元々の繋がりを大切にしつつ、仕事の幅を広げたいと思った時、どうやって人脈を作っていったらいいんでしょうか?
とにかく色々な場所に顔を出すことです。業界の飲み会などで名刺をバラ撒きましょう。地道に思えますが、実はこれが1番手っ取り早いんです。会話などでちゃんと好印象を与えていれば、かなりの高確率で仕事に繋がります。
-人とコミュニケーションを上手くとっていくことは、仕事をしていく上で大切なスキルセットですね。
なにせ、ほとんどの人はこちらの文章力を知らない状態で知り合うわけですから。例えば自分自身が仕事をふる側になったとして、原稿は上手いけど絡みづらいライターと、原稿はまだ見たことないけど仲の良いライターならどっちに連絡しますか?
-コミュニケーションの取りやすい人についつい連絡しちゃう気がします。
ですよね。どんな仕事だろうと、結局は「人と人」の付き合いなんです。目指すべきところは、原稿が上手いうえにコミュ力も高いライターです。
「悪いところ」よりも「良いところ」を見出すのがライターの仕事
-今メディア自体がかなり増えてきている中で、ライターの需要はかなり増えてくるんじゃないかなと感じています。5年後、10年後のライターのニーズとかどういう風に考えていますか?
これからのメディアは、どんどん動画にシフトしていくはずです。すでにその兆候は見え始めており、メディア自体がYouTubeにアカウントを持っていたりしますよね。動画で伝える記事が、ますます増えていくと思います。
文章の仕事が無くなることは、人類が人類である限り決して無いとは思いますが、動画に関するスキルも習得しておくと間違いなく仕事の幅は広がるでしょうね。
-SNSのタイムラインは動画で溢れていますよね。
なにも出演に限らず、機材や動画編集に関する知識があれば重宝されると思います。多くのメディアが、今はそういった人材を求めているのではないでしょうか。
-時代の変化に順応して、自ら求められる人材になっていく努力が必要なんですね。
時流を敏感に感じ取って、必要とされるものを提供していれば食いっぱぐれることは無いかと。逆に流行へのアンテナが立たなくなったり、コンテンツの変化を受け入れられなくなったらライターとして終わってしまうので、何でも受け入れられる広い心を持ちたいですね。
-書くときに気を付けるべきことってありますか?
ネガティブな印象だけを伝えるのは厳禁です。ライターの仕事は作品から魅力を見出して伝えることです。どんな作品にも欠点と利点の両方があり、「これが悪い」よりも「ここが良い」という物の見方をしなければ誰も得をしません。
イマイチな作品があったとしても、「これマジでクソだった」で終わらせるより、「酷いんだけど、ここだけは良かった」という風に伝えられる人のほうがカッコイイですよね。
-でも「これはどうしても良いところが見いだせない……」と悩むものもありますよね?
自分の苦手なコンテンツに出会うことも確かにあるでしょう。ですが、そこで個人の好みは別として「これを好きな人は、なんで好きなんだろう?」と冷静に分析できなければライターとして失格です。好きな人の気持ちを踏みにじっちゃいけません。なんでもポジティブに受け取る姿勢が大事です。
ラジオや動画も、突き詰めれば「フリーライター」としての仕事
-ライターになってからは、どのように仕事をしていけばいいんでしょうか?
“何でもやる”という意味合いで、“フリー”ライターを目指してほしいですね。例え専門外でも、頼まれた仕事はスケジュールの事情のみを除いて断らないようにしましょう。何でもやってみることで、自分の思いもよらない方向に道が拓けることもあります。
-今回僕たちの取材も快く受けてくださいましたもんね。
関わったことのないシャレオツなメディアだったので、強く興味を抱きました。こういった好奇心が無ければ、ライターなんてやっていません(笑)。
-書くこととそれ以外だと、どのくらいの比率でお仕事しているんですか?
正直なところ……今はもうライティング以外の仕事が多くなっていますね。もちろんレギュラーの記事などはずっと続けているのですが。
-半々くらいかと思っていました。
なぜかというと、ライティングは必ず数日から数週間の作業期間を考えて引き受けなければいけないんです。一方で、出演の仕事は大半が1日で終わりますよね。断らずに仕事を受けていると、必然的に出演関係でスケジュールが埋まってしまい、ライティングの仕事は受ける余裕が無くなってしまうんです。
最初のうちは、ジレンマもありました。ライターをやっているのに他のことが忙しすぎて記事が書けないなんて、本末転倒じゃないかと。でも次第に、どちらも「求められているものは同じ」なんだと気付いたんですよ。
-求められているものが同じ、とはどういうことですか?
クライアントの皆さんは、マフィア梶田の“感性”というフィルタを通してアウトプットされたものが欲しいんです。それを文章にするか、トークにするかってだけの違いなんです。だから結局のところ動画出演やラジオは、ライターの延長線上でやってる仕事だということに気が付きました。
-ライターでTwitterに20万人以上のフォロワーがいる人は、そこまで多くないと思うのですが、ファンを獲得できているのは、梶田さんご自身の感性と、見た目やキャラクターもあるのかなと思っています。駆け出しの頃から個性を出すように意識していたんですか?
見た目を武器にしよう、なんてことは考えたこともなかったです。ただ俺は束縛されるのがとにかく嫌いで、それは過去に我慢して、自分を殺して物事が良い方向に転んだことが一度も無かったからなんです。だからある時、常識や規律に縛られず無法に生きようと決心して、実際にそうしてみたら、信じられないくらい人生が好転しました。
この見た目は、その頃の気持ちを忘れないようにするための決意の証でもあるのかもしれません。……あとは単純に、現在ではこのキャラクター性を愛してくださっている方々が多くいるので期待に応えたいなと(笑)。
-高身長にサングラス、その上スキンヘッドは目立ちますね。
ライターの仕事を始めてから、良くも悪くも「印象に残りやすい」のは武器なんだと気が付きました。一度会ったら忘れられないと、よく言われます(笑)。
-印象が強すぎて。
忘れたくても忘れられない、みたいな感じですかね(笑)。自分で言うのもアレですが、こんな見た目でも良い仕事するんですよ? それで不良が子猫拾うみたいな好感度が稼げているのかなと……。もしくは劇場版のジャイアンみたいな。
「好きなこと」に命を懸けられるのか
-梶田さんのお話しを伺っていると、「好きなことを仕事にするってとても楽しそうだな」と思えてきます。でも、好きなことは趣味に留めたほうがいい、と言う人もいますよね?
「好きなことを仕事にしないほうがいい」っていうのは大嘘だと思っています。色々な考えがあるとは思うので、あくまでも個人の意見として言わせてほしいんですけど……本当に好きなら仕事にしたほうが深く関われるんだから良いに決まっています。しかし、その「好き」がどのレベルかによるんですよね。
自分はエンタメのためなら何を犠牲にしても良いと考えている狂信者なので、判断基準は「それに命を懸けられるのか」という極端な思想になってしまいます。もしそう思えるのであれば、絶対に仕事にしたほうがいいです。
-好きなことだからこそ、嫌な面を見たくない、という気持ちもあると思うんですが……。
いざ仕事にしてみると綺麗事ばかりじゃありません。夢が壊されることなんてザラにあります。
でも、好きなことを仕事にしなかったら「もしかしたら、俺は……」と一生後悔するハメになるかもしれないんですよ? だから、挑戦せずに死ぬよりは挑戦して死にましょう。自分の好きなモノに、全てを捧げましょう。
-最近では好きなことを仕事にする生き方を選ぶ人は、徐々に増えてきたかもしれないですが、未だにどうしたらいいかわからず悶々としている人は多いですよね。
とにかく飛び込んでみればいいんです。もし失敗しても、経験はきっと活かせますから。慎重に退屈するよりも、蛮勇に猛り狂う方が圧倒的に楽しいですよ。
-たとえ周りに止められたとしても、ですか?
止める人は心配しているのかもしれません、貴方を心から愛しているのかもしれません。しかし、本当にやりたいことがあるならばそういう連中に向けてツバを吐く覚悟が必要です。それができないのであれば、本当に「何よりも好き」と言えるのか考え直してください。
しかし、あくまでこれは“狂信者”の言い分です。虚構の世界にここまで入れ込むなんて、自分は根っこの部分では異常者なんだと思います。もし同じように、「他の生き方ができない」と思うのであれば、誰に何を言われようが我が道を進みましょう。それが唯一の、後悔しない方法です。