暑い！！
暑い中行ってきたぜTOHOシネマズ！

来る！と予言したからには来てくれないと困る訳で、これが当たりそうなのは朗報だね。
これでますますアニメ映画市場の開拓がなされていくと思う。
アニメはもうオタクの顔色をうかがっている場合ではないのだ！

さてさて、既に業界内外で賛否かまびすしい本作。
早めにコメントしようと思って(後買い物もしたいから)、今日日曜を選んで敢えて行ってきた。

あ、ネタバレ含みます。

結論から言うと、僕はこの作品を、嫌いになれない。
作品とは別のところで涙してしまった。

「これがジブリを出た今の俺達だ！」というね、どんな荒海にもまれても、自分達のアイデンティティを守ろうというね、もはや「武士道」のようなものを感じて、その潔さには泣けた。
情の部分を出されると弱いんだよなぁ、俺。

マロさんの作品の中ではダントツに好き。まぁ他がダメすぎるのだが・・・。

本作の最大の争点は、「ジブリ＝宮﨑駿の明らかなるエピゴーネン」である本作を、認めるべきか否かである。
「宮﨑駿は二人も要らない」、そんな成瀬巳喜男を突き放したような言葉も脳裏をよぎった。
確かにやり過ぎの感はある。宮﨑作品ダイジェストやないか！と。
「教わった通り作りました！」っていうね。いつもそうだけど。

とにかく構成がなってない。前半は退屈。

もうどうしてもマロさんの性格なんだろうね、もっとあざとくやらなきゃ！もっと盛り上げなきゃ！って部分も、頰をなでるそよ風のように、もはや空気。
丁寧に作られた京懐石を食べてる気分。いや、はんなりしているのはいいけどさ、万人受けはしないよ？

あのアカデミー賞女優、杉咲花が全然なってないのも、ディレクションのせいだと考える。
後半は立て直したからね。

メアリが初めてホウキに乗った時の驚きと、これから始まる大冒険への期待とかがね、極めて淡白で、薄味。
構成と言ったが、脚本には問題ないと思う。演出の問題。
「どうしたら人を楽しませられるか」に関して、ほぼ無関心なのだろう。
ジブリのサラブレッド、純粋培養ゆえの欲のなさか。

「エンドア大学」に着いてから、さぞ『千と千尋』のようなイメージの洪水になるだろうと・・・ならない。
中国にあったよね、こんなパクｒ・・・いやオマージュのレジャーランド。

あとホウキと離れ離れになる度わざわざ持ってきてくれるオッサンとかね。何者だよ！
ていうかホウキにもっと血の通った活躍させろよ！

どうしてもカットを追うごとに「ああ、宮﨑さんなら・・・宮﨑さんなら・・・」とヤキモキしながら観ていた。

でもやはり、最初に述べた「武士道」、あるいは「白虎隊」のような覚悟で、初志貫徹せんとする彼らジブリの「残党」達の雄姿を、僕は万感の想いで見守った。
これがジブリ制作ならさほど評価しなかっただろう。しかしこれに関しては、なんとも言えない感慨だ。

嫌いになれない。情にほだされただけなのかも知れないが・・・。

ちょっともどかしい気分なので、もう一度観るしかない。
それでダメなら、ダメなんだろう。


それから、明らかに「魔力＝原子力」なのだが、今の僕の頭の中では冷静に評価しようがない。
これももう一度観て考えたい。