アルバイトが終わり、夜8時半に店を出た。駅までは歩いてほんの4,5分。
その間に、飲食店やよくわからない人達の、勧誘に幾度となくあう。それから、うちの店で働きませんか?の勧誘若干。なぜ私にー。いつも足早に素通りする。
それから、時々学校のクラスメイトがその辺で待っていることがある。疲れているのと、急いでいるのと、面倒くさいのとで、気が付かないふりをして通り過ぎる。が、声を掛けられた。
「rさん、今帰り?」
「う、うん。どうしたの?」
「ちょっと近くまで来たもんだから」
「・・・・。」
怪訝そうな顔を見せると、彼はにこっと笑って言った。
「あー、実は」
「?」
「なんつーか、心配で来た。ほら、怪しい勧誘に引っかかってないか」
「引っかからないよー笑」
電車はほどなく出るので、速足で歩きながら話す。
「それに、自転車だって、棒突っ込まれれば終わりだし。歩いてたらなおさら」
「・・・。」
心配してくれてるのか。でも、どっちかというと、クラスメイトの方が、私は怖かった。何を言われるんだろうと。
「ありがとう、電車出るから。じゃね」
「あのさ、夏休み、八代先生のセミナーでる?」
八代先生のセミナーは、2泊3日の泊りがけだ。友達にも誘われてはいたが、私は神保先生のゼミなので、特に出るつもりはなかった。
「rさんも、出ない?みんな出るって」
「うーん、考えてみる」
そう言って別れて電車に乗った。ひどい肩こり。今日は4コマびっしりあったし、バイトあがりはいつもそうだ。セミナーか。友達のYちゃんが出るなら私も出てもいいかな・・。
電車で50分。考えているうちにうとうとしてしまったらしい。目が覚めると、少し頭がすっきりした。ふと顔をあげると、ちがう学校の生徒らしき姿がたくさん乗って来ている。
「rさん?」誰かに呼ばれた。
声の方を見ると、確か小学校が同じだったA君である。
A君は、変わっているので有名で、高校時代は学校を長期不登校し、何をしていたかと言えば、車の廃材を集め、組み立てにいそしんでいたという噂だった。
「あぁ、A君、何やってるの」びっくりして、反射的に言葉が出た。彼は私の前に来た。私はA君には、なんとなく興味があり、不登校して車を1台作るなんて、尊敬の対象だったので、いろいろ疑問をぶつけてみた。
高校時代、学校を休んで車を作ったというのは、本当だったそうで、実際その車で走ったりしたという。その違法行為を今更つっこみたくなったが、彼のオーラが強すぎて、眩しすぎて、何も言えなかった。
なぜ、そんなことをしたのか、聞くと、わからないけど、と前置きし、
「与えられてそれを食うだけの毎日に疑問を持ったのかな?」はははーと笑って言った。
「そういえば、そっちの〇学部に、Bっていう友達がいる」
「え、B君て、あのB君?」
なんと、さっき駅まで見送ってくれた人だ。狭い世の中である。
聞けば、B君はA君の高校時代の友達で、あいつはよく部活をさぼっていたとか、先生に怒られていたとか、マイペースなやつで、グループで遊びに行った時、みんながコーヒーを頼むところを一人ココアを頼むやつだとか、そんな話をしてくれた。ふーん。今度B君に会ったら、真偽のほどを聞いてみよう笑
次の駅で降り、A君とは、そのままさよならした。
いつもそこから30分かけて自転車で家に帰る。そんな毎日だったな。
さて、どうでもいいのですが、A君とは、B君とは誰なのでしょう。正解者には、いいことありです?
☀ ☀ ☀
今日も朝から仕事でした。
大変だけれど、仕事するのは気持ちのいいものですね。
明日からのお仕事の方も、暑さに負けず頑張ってください!
それでは、また😊👋