G20サミット、19カ国はパリ協定履行を約束 米との溝埋まらず

ハンブルクは大勢が米トランプ政権のパリ協定離脱に抗議した Image copyright Getty Images
Image caption ハンブルクは大勢が米トランプ政権のパリ協定離脱に抗議した

ドイツ・ハンブルクで開かれた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に参加した19カ国は8日、気候変動への取り組みを決めたパリ協定は「不可逆」だと履行をあらためて約束したが、協定を離脱した米政府との溝は埋まらなかった。

G20サミットは気候変動に関するコミュニケの表現で最後まで交渉を続けた。最終的には19カ国がパリ協定履行確約を堅持すると言明しつつ、ドナルド・トランプ米大統領の協定離脱にも言及する内容で決着した。

G20は共同コミュニケに、「アメリカ合衆国がパリ協定を離脱するという決定に留意する」と明記。その一方で他の19カ国は、地球の気温上昇を抑制するため各国政府が対策を約束した同協定は「不可逆」なものだと表明した。

サミットのコミュニケはさらに、諸外国が「化石燃料をよりクリーン、かつ効率的に入手し利用できるよう、(米政府が)他の諸国と緊密に連携していく」と、米政府の意向を明記した。

トランプ氏は大統領選中から米石炭産業の復活を約束し、パリ協定は米国の労働者の不利益になると批判していた。

議長国ドイツのアンゲラ・メルケル首相は8日、閉会の記者会見で、パリ協定に対するトランプ氏の立場を今でも非常に残念に思うと述べながら、トランプ氏が求める協定再交渉について他の19カ国が反対したことを「ありがたく思う」と強調した。

メルケル氏は「合意に達することができなかったのは、きわめて明らかだと思う。しかし、我々は主張の違いをごまかすのではなく、明記した」と記者団に話した。首相はさらに、米政府がいずれパリ協定に復帰するかもしれないというテリーザ・メイ英首相の意見には同意しないと述べた。

一方のメイ首相は同日開いた個別の記者会見で、米国がパリ協定に復帰する可能性があるとの考えを繰り返した。

エマニュエル・マクロン仏大統領も、トランプ大統領の説得を「私は絶対に諦めない。それが自分の使命だと思うので」と話した。マクロン大統領は今年12月12日にパリであらためて気候変動に関する首脳会議を開くと発表。パリ協定の履行と必要な資金調達をテーマにするという。

G20サミット共同声明には、気候変動に関する米国の立場が盛り込まれたほか、トランプ政権が重視する貿易についての米国の方針も明記された。コミュニケは、保護主義に反対する各国の従来の約束を確認したものの、各国が自国市場を守る権利を初めて強調した。

トランプ氏は8日に予定されていた記者会見をキャンセルした。BBCの外交担当ジェイムズ・ロビンス記者は、これによってG20は「G19+1」だという印象がよりいっそう強調されたと指摘する。

今回のサミットは、トランプ政権の「アメリカ第一」方針について、他国が対応を測りかねている様子が明らかな、対立点の多い会議だったと記者は話している。

(英語記事 G20 Hamburg: Leaders fail to bridge Trump climate chasm

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