医療・健康・食 週刊現代

製薬会社の営業マンが本音を告白「"安くて安全な薬"より、"高くて危ない薬"を出すんです」

誰のための医療なのか?
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一方で、冒頭のMRはこう本音を漏らした。

「人は、死ぬ直前の2年間で最も多くの医療費がかかる。逆に言えば、その2年間がやってくる前に、医師の言いなりになって高い薬を使うのは、ほとんどの場合においてムダだということです。

内心では私も、医師は薬を使い過ぎだと思います。患者さんが『欲しい』と言えば、言われるがまま、どんどん出してきましたし、それを製薬会社も医師に勧めてきた。しかし、最近は医療費の高騰がこれほど問題になっていますし、もうそんな時代でもないでしょう。

薬というものは、特許申請から10年以上の時間をかけ、ひとつ何千億円という金をかけて世に出されます。たまに私も、こう思うことがありますよ。結局これは、われわれ製薬会社が新薬の開発にかかった費用を回収しようと、『無駄な戦い』を繰り広げているだけなのではないか、と」

「高くて危ない薬」ではなく「安くて安全な薬」が優先して処方される。それが本当の「患者のための医療」ではないか。

「週刊現代」2016年7月9日号より