医療・健康・食 週刊現代

製薬会社の営業マンが本音を告白「"安くて安全な薬"より、"高くて危ない薬"を出すんです」

誰のための医療なのか?
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こうした超高額な薬でなくとも、多くの人が飲んでいる「売れ筋」の薬の中には、もっと安くて効果も遜色がないものがあるにもかかわらず、あえて処方されている「高い薬」も少なくない。

分かりやすいのが、高血圧の治療薬だ。

例えば、古くから使われているループ利尿薬のラシックスなどは、1錠あたりの価格が15円前後。それに対して、近年主流のアジルバやオルメテック、'13年に論文不正が問題になったディオバンなどのARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)は、1錠130~140円と高価で、患者の年間負担額に直せば前者が5000円、後者が5万円と、10倍近い開きが出ることもある。

安い薬は製造中止に

都内の大学病院に勤める内科医が言う。

「一昨年の薬の売り上げベスト10には、3種類もARBが入っていました。ARBは、いまだに3000億円を超える巨大市場です。『これを飲めば、血圧が穏やかに下がる』という売り文句で、この10年あまりで爆発的に成長したのです。

しかしそもそも、ARBを使わずに、ずっと安価な利尿薬やカルシウム拮抗薬を使っても血圧は下げられる。そのほうが、ARBの3割程度まで薬価を抑えられますし、医療費の節約にもなる」

ダイエットや、塩分を控えるといった生活習慣の見直しも重要なのは、言うまでもない。

「薬を使わないで血圧を下げる方法を考えたほうが、よっぽど患者のためになると、医療関係者は皆分かっているんです。でも、ARBの開発には何百億円という莫大な金がかかっている。その費用を回収しないわけにはいかない」(前出・内科医)

また、新潟大学名誉教授の岡田正彦氏は、自身の経験を踏まえてこう話す。

「血圧の薬は歴史が古く、その分、作用も副作用も調べつくされている。

私自身は昔からあるサイアザイド系利尿薬だけを使っています。もちろんこれにも副作用はありますが、これまでの知識の蓄積がありますから、コントロールしやすく、万一副作用が起きても、どう対処すればいいかよく分かっているのです。