周航の歌、まさかの混同? 滋賀県民調査
琵琶湖周航の歌を、滋賀県の人たちはどうやって覚えるのだろうか。京都新聞の100人アンケートでは琵琶湖の学習船「うみのこ」の合唱経験を挙げる人が目立ったが、取材すると「もう一つの周航歌」と勘違いしている可能性が浮上した。
甲賀市の女子大学生(21)は「うみのこに乗った時、みんなで歌いました」と振り返る。「歌をどこで覚えたか」で、うみのこを挙げたのは最多の14人。県内の小学5年生全員が乗船するだけに、浸透するわけだと納得した。
ところが、うみのこを運営する県立びわ湖フローティングスクール(大津市)は「BGMで流れることはあるが、船の行事では歌いません」と戸惑った様子。今年で34年目だが、過去にもないという。「あの歌と混同したのでは」
聞くと、船で必ず歌う「湖(うみ)の子周航歌」があり、児童は事前に学校で練習してくるという。曲調が似ているとかは…。「全然似ていません」と一蹴された。以前、うみのこに携わった県教育委員会の栗田一路さん(53)は「勘違いする人も多い。一定の年代より下なら、この歌の方が認知度が高いかも」と話した。
琵琶湖周航の歌を覚えた経緯について「学校の授業」は10人いた。県教委によると、県内の中学校の半数が使う音楽の副読本「スクールデイズ」には楽譜が記され、授業で紹介されることもあるとみられる。20年以上前の小学校の歌集にも掲載されていた。
ほかに「琵琶湖大橋のメロディーロード」「加藤登紀子さんの歌」などがあった。変わった意見では「中学の体育祭の組み体操時に流れていた」(高島市・16歳女性)。50代以上の人で「自然と覚えた」も多かった。うみのこ説は勘違いだったかもしれないが、やはり、滋賀には周航の歌に触れる機会が「浪(なみ)のまにまに漂って」いるようだ。
【 2017年07月08日 21時30分 】