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【政治】

核兵器禁止条約採択 日本政府「署名しない」

 【ニューヨーク=東條仁史】核兵器の開発や保有、使用などを全面禁止する「核兵器禁止条約」が採択されたことを受け、日本の別所浩郎(こうろう)国連大使は七日、米ニューヨークの国連本部内で記者団に「署名しない」と明言した。核保有国の米国と英国、フランスも共同声明を発表して「署名も批准もしない」と表明。核軍縮を巡る国際的な分断が鮮明になり、条約の実効性が問われる格好となった。

 日本政府は「核保有国、非保有国の対立を深める」と条約に反対してきた。別所氏は「日本は核保有国と非保有国が協力する中で核兵器のない世界を目指している。この条約交渉は、そうした姿で行われたものではない」と説明した。

 こうした姿勢に対する被爆者らの反発について、別所氏は「被爆者の言葉は重い」と話す一方で「政府としても核の非人道性については(被爆者と)一緒に声を上げてきた。今の安全保障情勢についての冷静な認識も踏まえ、現実的に核兵器のない世界を目指す」と述べた。

 英米仏は共同声明で、弾道ミサイル発射を続けている北朝鮮を念頭に「国際的な安全保障の現実を無視している。核抑止政策と両立しない」と批判。「北朝鮮の核開発プログラムによる重大な脅威に解決をもたらさない」と訴えた。

 これに対し、制定交渉のホワイト議長(コスタリカ)は記者会見で「国際社会にとって歴史的な節目だ。広島と長崎の原爆被害者の存在も、非常に重要だった」と意義を強調。「核兵器保有国が参加できる規定もある」と呼び掛けた。

 条約は採決で、百二十二カ国が賛成、北大西洋条約機構(NATO)加盟国で唯一参加していたオランダが反対し、シンガポールが棄権した。

 

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