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【政治】

「核兵器の終わりの始まりだ」 待望70年…被爆女性訴え

7日、ニューヨークの国連本部で「核兵器禁止条約」の採択を関係者と抱き合って喜ぶサーロー節子さん=共同

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 【ニューヨーク=東條仁史】一九四五年に広島で被爆したサーロー節子さん(85)=カナダ在住=は七日、核兵器禁止条約の採択後に米ニューヨークの国連本部で演説し、「この日を七十年間も待ち続けてきた。核兵器の終わりの始まりだ」と述べた。会場内の各国代表者や市民団体関係者らは万雷の拍手を送った。

 サーローさんは、原爆の犠牲者たちに思いを向け、「亡くなった人たちは名前があり、誰かに愛されていた」と振り返った。その上で「核兵器は道徳に反するものであったが、違法なものになった」と条約の重要性を強調した。今後、国際社会が進むべき道として「機能不全の核抑止政策には立ち戻らず、取り返しがつかない環境汚染もせず、将来世代の命を危険にさらし続けることもしない」と主張。各国に向けて「地球を愛しているのなら、条約に署名するでしょう。ともに世界を変えましょう」と呼び掛けた。

 サーローさんは記者会見で、日本の条約不参加について「日本政府は、世界の唯一の被爆国で反核の先頭に立っていると言っているが、国連ではまったく反対のことをしている」と不満を表明した。

 会見に同席した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の藤森俊希事務局次長(73)は、条約採択について「核のない世界を、再び被爆者をつくるな、と訴えながら亡くなった人たちに報告したい」と述べた。

 

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