電通 月50時間までの残業認めた労使協定は無効
大手広告会社、電通をめぐる違法残業事件で、月50時間までの残業を認めていた組合側との労使協定が実際には条件を満たしておらず、無効な状態だったことが東京地方検察庁の調べでわかりました。
電通をめぐっては、おととし、新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が過労のため自殺し、東京地方検察庁は高橋さんなど社員4人に違法な長時間労働をさせていたとして、5日、法人としての電通を労働基準法違反の罪で略式起訴しました。
電通では、月50時間までの残業を認める労使協定を組合側と結んでいましたが、東京地検によりますと、本社や一部の支社ではおととしの時点で、組合員の数が労使協定を結ぶために必要な社員全体の過半数を下回っていたということです。
このため、協定は無効で、実際には社員に残業をさせることができない状態でしたが、東京地検は、経営側と組合側、双方の認識不足で故意によるものではないとして、協定が結ばれていることを前提に違法な残業時間を認定したということです。
電通では、月50時間までの残業を認める労使協定を組合側と結んでいましたが、東京地検によりますと、本社や一部の支社ではおととしの時点で、組合員の数が労使協定を結ぶために必要な社員全体の過半数を下回っていたということです。
このため、協定は無効で、実際には社員に残業をさせることができない状態でしたが、東京地検は、経営側と組合側、双方の認識不足で故意によるものではないとして、協定が結ばれていることを前提に違法な残業時間を認定したということです。
電通「労使協定結び直し現在は是正」
電通は「正社員の過半数は労働組合に加入していたものの、有期雇用の社員が増加したため、全体では条件を満たしていなかった。東京地検からの指摘を受け、労使協定を結び直し、現在は是正されている」としています。
また、会社が略式起訴されたことについては、「厳粛に受け止め、引き続き労働環境の改善と長時間労働の撲滅に向け、全力で取り組んでまいりたい」とコメントしています。
また、会社が略式起訴されたことについては、「厳粛に受け止め、引き続き労働環境の改善と長時間労働の撲滅に向け、全力で取り組んでまいりたい」とコメントしています。