核兵器禁止条約 別所国連大使「署名することはない」

核兵器禁止条約 別所国連大使「署名することはない」
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核兵器禁止条約の採択を受け、日本の別所国連大使は国連本部で記者団の取材に対し、「条約の具体的な内容にコメントしないが、署名することはない」と述べ、日本として条約に署名しない考えを明らかにしました。
そのうえで、「核のない世界を作るには、核兵器国と非核兵器国が協力して話し合っていく必要がある」と述べ、核軍縮には核保有国と非保有国の協力が不可欠だという日本の立場を改めて強調しました。

そして、「NPT=核拡散防止条約やCTBT=包括的核実験禁止条約の早期発効、それに、核兵器に使われる核物質の生産を禁止する条約交渉の早期開始といった地道な努力を続けていく」と述べ、従来の核軍縮の枠組みのもとで努力していく姿勢を示しました。

日本に署名働きかけていく

核兵器禁止条約の採択を受け、記者会見した国際NGO、ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンのベアトリス・フィン事務局長は、日本の別所国連大使が条約に署名しないと述べたことについて、「日本は絶対に署名しないと言ったわけではないと思う。今は署名できる立場にないかもしれないが、立場が変わることもありえる。日本は核兵器の被害を経験した国で、核兵器が人間にもたらす苦しみを知っている。市民社会は日本が条約に署名するよう働きかけていく」と述べました。

そのうえで、「時間はかかるかもしれないが、交渉に参加しなかった国々も最後には正しい判断をすると信じている」と述べ、核兵器保有国や日本など「核の傘」のもとにある国々も条約に参加するよう、働きかけていく考えを示しました。