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I don’t think と I think not の違いは?
先日、英会話レッスンで仕事の愚痴をネイティブに話していたときのことです。相手から「転職してみたら?」と言われたので、「それはできないと思う」という意味で、”I think I can’t do it.”と答えたら、ネイティブから「その表現は違和感がある。普通は”I don’t think I can do it.”だよ」と言われました。なぜ “I think I can’t do it.” だとダメなのでしょうか?どう違うのでしょう?
質問「don’t think と think not の違い」への回答
日本語訳で考えると、どうしても “I think I can’t do it.” と言いたくなりますよね。2つの違いをイメージを使って解説します。
thinkのコアイメージ
thinkのコアイメージは「頭を使って考えて、ある結論に至り、個人的見解として提示する」です。
基本的にじっくり考えたニュアンスが含まれます。
don’t thinkのコアイメージ
don’t thinkのコアイメージは「頭を使わずに、ある結論を否定して、個人的見解として提示する」です。
基本的にじっくり考えていないニュアンスが含まれます。
例文のイメージ
例文:I think I can’t do it. / I don’t think I can do it.(私にそれはできないと思います)
I think I can’t do it. は、これまでにいろいろ考えた末の結論として「それはできない」という見解を述べている感じになります。
聞いたほうは、何か強い信念があるんだなと受け取ります。
I don’t think I can do it. は、あまりよく考えていないけれど「それはできない」という見解を述べている感じになります。
聞いたほうも、まあ難しいと思っているんだなと普通に受け取ります。
このようにI don’t thinkのほうが普通のやり取りになり、I think notだと力が入っている感じになります。
この感覚がつかめるようにもう一つ「神様はいないと思う」を意味する2つの例文を比べてみましょう。
例文:I think there is no God.(神様はいないと思う)
この場合「神様はいない」という結論に至るまでにいろいろ検討してきた、そして本当に神様はいないと考えていることになります。
例文:I don’t think there’s a God.(神様はいないと思う)
特にこれまで真剣に考えたこともないけれど、まあ神様はいないんじゃない?と考えている人はこちらです。
「don’t thinkとthink notの違い」まとめ
フレーズ | イメージ | 用途 |
---|---|---|
think not | じっくり考えた末の結論の否定(強い否定) | 特別な「~ではないと思う」 |
don’t think | じっくり考えずに導いた結論の否定(弱い否定) | 一般的な「~ではないと思う」 |
コアイメージ再掲
おまけ:I don’t thinkの意味「いやはやまったく」とは
I don’t think の意味を辞書で引くと「いやはやまったく」という意味が提示されています。唐突な印象があると思いますので、ここで軽く説明しておきます。
I don’t think
《英口語》 [いやみなどを言った後に] いやはやまったく 《実はその逆だ》.
You’re a kind man, I don’t think. 君は本当に親切な人だよ, いやはやまったく.
出典 http://ejje.weblio.jp/content/I+don%27t+think
例文:You’re a kind man, I don’t think.(君は優しい男だな、まあ僕はそうではないと思うけど)
相手の優しくない行動に対して、「君は優しい男だ」と述べるので、普通はこれだけでもいやみだと伝わります。
これにだめ押しで「まあ私はそうではないと思うがね」と付け加えて、いやみであることを明確化しているわけです。
最初に You’re a kind man と事実っぽく述べながら、I don’t think で「個人的見解」としてひっくり返すようなイメージです。